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伝承遊び『おおかみさんいまなんじ?』が絵本に。作者の中川ひろたかさんによる読み方動画も公開!

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根強いロングセラーが数多くある絵本。とはいえ時代ごとになにかしらのトレンドはあるようです。たとえば今なら読み手の行動によって話が展開していく『ぜったいに、おしちゃダメ?』(サンクチュアリ・パブリッシング)や、『まるまるまるのほん』(ポプラ社)などの参加型絵本。読み手と聞き手の息の合ったやり取りが心地よく、場に一体感が生まれることが人気の理由のようです。

その中の1冊に加わりそうなのが、『おおかみさんいまなんじ?』です。先日、作者である中川ひろたかさんが披露する「盛り上がる読み方」動画も公開されました。

読み手と聞き手とのコール&レスポンスで盛り上がる

『おおかみさんいまなんじ?』は、もともと保育園・幼稚園で人気の伝承遊び。時間を教えてくれるおおかみが夜中12時になると追いかけてくるというもので、遊びの進行とともに「もうすぐ、もうすぐ」と子どもたちのドキドキも大きくなっていきます。
この遊びをスリルいっぱいの絵本として仕立てたのは、人気絵本作家の中川ひろたかさんです。中川さんといえば元保育士で、「世界中のこどもたちが」などの人気曲や、日本絵本賞を受賞した『ないた』(金の星社)など数々の絵本でも知られる作家さん。「わらべうたの絵本はたくさんあるけど、伝承遊びを絵本にしたものは少ないし、伝承遊びを知らない園の先生も増えてきているんだよね」という思いから、今回の絵本を書き上げたそうです。

おおかみとこひつじたちとのやり取り、今でいう”コール&レスポンス”が楽しいのがこの絵本。ちょっと読み方を工夫してみるだけで、盛り上がりがぐんと大きくなるそうです。先日中川さんみずからが読み聞かせをした動画も、公開されました。

ただ遊ぶ、絵本を読むだけでも十分楽しい体験になりそうですが、読んだあとに遊ぶことでおもしろさが何倍にもふくらみそうですね。

絵を手がけたのは短編アニメ『頭山』の山村浩二さん

『おおかみさんいまなんじ?』はおしゃれな色使いとユーモラスなキャラクターが印象的ですね。絵を担当したのは、山村浩二さん。世界最大規模のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」でグランプリを受賞した短編アニメ『頭山』は、大きな話題を集めました。おおかみさんとこひつじたちとの不思議なルールが支配する世界を、緊張感あふれる物語に描き出しています。

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専門家からは、こんな声も寄せられています。

「子どもたちになじみのある遊びがかわいらしい絵とやさしい色使いで描かれていて、子どもたちが手に取りやすい絵本だなと思いました。足元に時計の文字盤と針がさりげなく見えていて『時計のお勉強!』とかまえなくても、楽しく時計の読みかたを覚えられるところもポイントです」(図書館関係者)

「小さなスペースででき、比較的誰でも参加できる伝承遊び。かくれんぼや鬼ごっこ的要素も盛り込み、身体を動かして遊べるのがよい。外遊びの少なさが叫ばれる昨今、単純な遊びからはじめてみたくなる1冊!」(教育関係者)

動画からもわかるように、おおかみがこひつじたちを追いかけるクライマックスでは、子どもたちも大喜び! ママもおおかみ役、こひつじ役と子どもたちと交代しても楽しめそうな1冊です。ぜひ手に取ってみてくださいね。

【作品概要】
『おおかみさんいまなんじ?』(発行:学研プラス)
文:中川ひろたか 絵:山村浩二
定価:本体1,200円+税
発売日:2019年5月16日(木)

文・鈴木麻子 編集・しのむ

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