ママたちが子育てで疲弊する原因は‟孤育“!?【衆議院議員・下村博文】
「子育てというのは、本来とても幸せなことだと思います。その一方で、育児ノイローゼになり、子育てがつらいと感じているお母さんもたくさんいます」。そう語るのは、下村博文先生。子育てをつらく感じる原因は“孤育”にあるのかもしれません。
子どもの世話がつらい。ママたちが抱える悩みの原因は?
「子どもの世話をするのがつらいんです」。そんなお母さんの声を耳にします。子どもが大好きで、生まれたらいっぱい愛情そそいであげようと思っていたのに、うまくいかない。そんなふうに思う自分は、ダメな母親なんじゃないかとひとりで落ち込んでしまう人もいます。
実は、このような悩みを抱えたお母さんは、意外にたくさんいるものです。子育てというのは、本来とても幸せなことだと思います。その一方で、育児ノイローゼになり、子育てがつらいと感じているお母さんもたくさんいます。一昔前だったら、大家族で子どもは家族や地域の人たち、みんなで育ててきました。それが今は、ひとりでがんばっているお母さんたちがとても多くなっています。これでは、保育じゃなくて‟孤育“です。
社会全体で子育て世代を支える仕組みを整える
日本では、ともに育てる‟共育“が浸透していなくて、育児においてはお父さんの参加が得られない場合がたくさんあります。近くにおじいちゃんおばあちゃんがいない、地域に手伝ってくれる人がいない。こんな中で、深刻な状況もあると思います。それを改善していくためには、まわりがしっかりとフォローする環境を整えること。社会全体で子育てをしているお父さんお母さんをしっかり支える仕組みを作ることが必要です。
‟幼児教育・保育無償化“で子育て支援
社会全体で子育てをする仕組みとして、2019年10月1日から幼児教育・保育無償化を実施します。幼児教育・保育として、0~2歳児に100億円程度、3~5歳児は8000億円程度が投入されます。これは大変大きな改革です。
幼児教育・保育無償化の対象となるのは、0歳から2歳までの住民税非課税世帯と、3歳から5歳の子どもです。3歳から5歳の子どものいる家庭での世帯年収は設定されておらず、公立の幼稚園・認可保育所・認定こども園・企業主導型保育所などに通うすべての子どもたちが対象となります。
ここで重要なことは、制度を整えるだけではなく、子育てに対して、またお母さん、お父さんたちに対して具体的にどのような支援をしていくかを考えることです。たしかな親子関係を築いていくにはどうしたらいいか。そのことについてもしっかりと考えていく必要があります。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ