”虚偽”のアピールをしたわが子を、ママは「嘘つき」呼ばわり。ママたちが探る、母と子の心理
ママスタコミュニティでは「子どもに嘘をつかれていた……立ち直れないかも」という、気になるトピック名でひとつの相談が持ちかけられました。
『小学6年生のわが子は、学校であったことをよく話してくれます。「算数で、こんな解き方をしたら褒められた」などと頻繁に聞いていたので、よくできる子だと安心していました。しかし、先日の参観日に掲示物を見ていたら、うちの子が話していた内容と、同じことを書いている子がいて。最初は「うちの子の真似かな?」と思いましたが、気になって他のママに聞いたら、わが子が話していた内容は、その掲示物を書いた子のことのようで……。つまり、優秀なクラスメイトのことを、自分のこととして話していたのです。
子どもに裏切られていたことがショックですし、何より優秀なわが子を喜んでいた夫をがっかりさせたくありません。子どもを問い詰めるべきか、担任に真相を確認すべきか……みなさんが私の立場ならどうしますか?』
ママたちが抱いた率直な思いは?
あなたはこの相談をどう受けとめましたか? お子さんの気持ちを想像すると胸がつかえるような相談内容に、おそらく多くのママが以下のように感じたのではないでしょうか?
『嘘をついてでも、「親の期待に応える自分」でいたかったのではないかな?』
『親に原因アリだと思った。優秀な子しか認めないという印象だけど、ありのままの子どもを認めている? それを、子どもも察しているんじゃない?』
『嘘をつくこと自体より、嘘をついた理由が大事。親が喜ぶから、嘘をついたんでしょ。
親を喜ばせたくて嘘をつく、似たような子がいたよ。私は嘘だと分かったけど、ママは気付かず、自慢の息子だと思っている風だった』
投稿者ママの言い分
一方で、ママたちからの「わが子に期待しすぎでは?」などの質問を通して、投稿者ママの言い分も明らかになります。
『私も夫も、子どもに期待していたつもりはなく、むしろ期待していませんでした。子どもは運動が苦手で、持久走大会などではいつも最後。(持久走で走り切るのって、みんながやっている当然のことですよね?)私は周囲に「あの人、いつもビリの子の親だ」と思われるのが辛くて……。本当の理由は伏せ、子どもには「仕事が忙しいから、見に行くのやめるね」と話したことがあります。「参観日にも二度と行かない!」と言ったこともあります。だから、子どもは心を入れ替えて塾にも通い、勉強を頑張っているんだと思っていました』
『みなさんの意見を知った上でこんなことを言えば非難されそうですが、私と夫は、すっかり子どもに騙されていたんですよね。夫は「お前よりできる子はいるか?」とか「お前よりできる子はいないよな」などと言って本当に喜んでいたので、ますます子どもは嘘をついたのですよね……』
投稿者ママの気持ちが「分かってしまう」ママたち
ママたちの意見を知り、自分たち親の言動の問題点に、多少は思い至った様子の投稿者ママではありますが、「騙されていた」という言葉が引っかかります……。もしかしたら投稿者さんの思考の中には、わが子の”あるがまま”を受け入れる行為を、阻むものがあるのかもしれませんね。
『投稿者さんの親も、優秀さを求める親だったのでは? だから、子どもを上手く認められない。私も同じ、自分のようになってほしくないのに、親と同じ育て方をしていた。「ありのままを認める」――自分の親に、それをされずにママになると育児が厳しい。私は間違わないように、冷蔵庫にメモを貼っているよ。ここで気付けて良かったと思って、頑張ろう』
『親に自分のあるがままを愛されてこないと、それをわが子にするのって難しいんだよね。だから負の連鎖がある』
一方、この問題を”子ども目線”で眺めると
「負の連鎖」という考えさせられる意見がありましたが……周囲からの過度の期待や叱咤激励を経験してきた、子ども側の胸の内はどうなのでしょう?
『お子さんの気持ち、分かる。私はいつも姉と比べられ、けなされていた。だから、自分に自信がもてない。親からの言葉って大事。反面教師で、私は子どもを「しっかり見て」・「頑張る過程を褒める」ようにしてる』
『私も、同居の祖母がことあるごとに「あなたは優秀でしょ?」、「クラスで一番でしょ」と言われ、それが重くて辛くて……。だから「一番だよ」と嘘をつくようになった。そもそも祖母はまったく優秀なタイプではなく、そのコンプレックスを私で埋めようとしたわけで……子どもは歪むよ』
すべての子どもが「無償で親に愛されること」を切望するママたち
負の連鎖などの厳しい現実があると知ってなお、すべての子どもたちに親の無償の愛を受けてほしいと願うのは、浅はかな考えなのでしょうか? それでも、ママたちが子どもをもつ親として切望せずにいられないことは……
『「旦那をがっかりさせたくない」という前に、まずは嘘をつかないといけなかった子どもの気持ちを考えてほしい』
『私なら、わが子を追い込んでしまったと自分を責める。絶対に子どもを責めたらダメ。子どもをしっかり見ながら、小さなことから褒めるようにしたら?』
『親の喜ぶ顔が見たかったんだよ。自分を誇りに思ってほしかったんだよ。あなたは親というだけで、それほど子どもに愛されているよ。わが子の頑張る過程を褒めてあげてください』
『嘘のことに触れたら、子どもを追い詰めてしまう。嘘をつかなくても自分を認めてもらえる、と安心させてあげるのが親の役目だよ』
『「勉強ができようが、できなかろうが、あなたのことが大好きよ」ということを伝えてあげてほしい』
どうか投稿者さん夫婦が、順位や成績といった上辺だけではない、お子さんの”ありのまま”に思いを巡らせる日が訪れますように。
文・福本 福子 編集・山内ウェンディ
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