「私って何者?」育児中、”自分が消えていく”感覚に襲われるママたち
ママはわが子に豊かに育ってほしいと願うもの。「多少の無理もなんのその!」といった頼もしさで、育児にはげむママの姿はとても美しいですね。
しかし、親に想像以上の大変さを強いる子育ては、ママを苦しめることも……。ママスタコミュニティには、以下のような投稿が寄せられました。
『つねに子ども中心、自分の時間はないし、人の迷惑にならないよう気を遣い……感情を抑えすぎて、自分が何をしたいのか分からなくなった。他のママと話していても、自分より相手の気持ちばかり気になる。
子どもを産んでから、自分に自信がもてない、自分が消えていっている気がする。自分の中身がなくなって、でも子どもが巣立ったら私には何も残らないって思うときがある。「ここまで自分を抑える育児って、子どもにとっても良いのかな?」とか、家族みんなで笑顔になれる方法があるんじゃないかな?」とか考えちゃう』
「激しく同感」親になってからの変化に、戸惑うママたち
育児を通して「自分が消えていく」感覚……。この悩みを聞いて「私も同じ」というママも、そうでないママも、育児の大変さを知る者としては、胸が締めつけられるような気がしますね。
今回のトピックでは、投稿者ママに強く共感を覚えたママたちの声が届きました。
『すごい共感。自分が何をしたいのか分からなくなった。まず、物欲が驚くほどなくなった』
『なんか分かります。人に「すみません」っていう回数が増えましたね(汗)。本当に、いつも子どものことばかり。それが当然だと思いながらも、ときどき何とも言えない感情が湧きます』
『私も子ども関係で人と話すときは人見知り爆発。でも昔の友達や職場の人とは自然に話せる。「何が違うんだろう?」って悩むけど、もしかしたら自分は母親として自信がないのかな? と思ったり……』
『子ども関係の人間関係は失敗しちゃいけない、と思うからか、単に今までにない種類の人間関係だからか、私も家に帰ってからひとり落ち込む』
『私は昔は自由気ままなタイプだった。休日はパーっと買い物やカラオケとか、料理とか。
でも出産後は子ども最優先。人には同調して当たり障りなく、「私のせいで子どもに影響が出ちゃいけない」と、とにかく言葉を選ぶ。どんどん自分が消えていく感じがするよね。幸せだけど疲れる、自分の時間がほしいって思う。
子どもが幼稚園に入ったら働きたいな。働けば一個人として扱ってもらえて楽だよね』
ママになる前には想像もしなかった変化に、戸惑う声が集まりました。解決の糸口として、「自分の時間をもつこと」・「仕事をすること」をあげてくれたママもいましたね。続いては、この解決策のように状況を打破する手がかりを、ママたちの投稿から探っていきましょう。
ママたち推薦がする「自分」の取り戻し方
『ほんと、自分の時間をつくるのって大切なことだと思うよ』
『自分自身の面倒を見てあげた方がいいと思うよ。例えば「お姉ちゃんなんだから我慢する」ということが、仕方ない場合もあるけど、やり過ぎるとお姉ちゃんによくないこともあるでしょ? それと同じで「母親だから我慢する」にも仕方ない場合とやり過ぎな場合があると思う』
『私は「自分の命を捨ててでも守りたいものができたから。母親になった証拠」と前向きに考えているよ』
”母親になった証拠”だとポジティブにとらえる――ママたちの苦悩は、わが子を想う心ゆえ。シンドイ育児でも、”ママになった証”だと思えば、誇らしい気持ちが湧いてくる気がします。
わが子だけでなく、ママの「自分らしさ」もしっかりと見つめて
子育て中は、子ども最優先になりますし、わが子の思いを大切にしたいと望む気持ちが、ひとり歩きしてしまうこともあります。
現在7歳と4歳の息子を育てる筆者も、子ども中心の生活を送ってきましたし、育児書などの情報から、子どもの気持ちに寄り添う子育てを心がけました。子育ての幸福の中にいながら、同時に自分をすり減らしていく不幸な感覚が付きまとう育児でした。
そんなあるとき、偶然「育児は、親の個性が出るもの」と話すひとりのママをテレビで目にしました。今となってはどんな番組だったか詳しく分からないのですが、その言葉だけは筆者にはひどく新鮮に響きました。子どもを尊重する一方で、”自分を押し殺して”行ってきた筆者の育児とは、大きく異なるものだと感じました。マニュアル通りに「こういう場合は、こうすべき」のみに従ってきた筆者は、自分の子育てに味気なさを覚え、子育てにおける”自分らしさ”を探るようになりました。
育児では、親の忍耐や努力はどうしても必要とされます。が、筆者はそれからと言うもの、昔ほど無理に”良いママ”を演じる、ということをしなくなりました。例えば、イライラすれば冗談めかせて小言を子どもにぶつけるとか、育児に嫌気がさせば子どものお世話はテレビに任せて、自分は小説や漫画を読むとか。一緒に遊ぶときも、子どもに合わせてばかりは疲れるので、あえてふざけて自分も楽しんでみるとか……。冗談めいた小言は意外と子どもが笑ってくれたり、筆者の本好きを息子が真似してくれたり。子どもに「自分」を見せる育児を、筆者は案外気に入っています。
ママにとって尊い仕事である育児ですが……気付かぬうちに足をすくわれ、「自分」を忘れたりしないよう、意識的に頻繁に、「自分」を喜ばせてあげてください。
文・福本 福子 編集・山内ウェンディ
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