朝のお見送りで「ママ行かないで」と毎日号泣……そんな子どもを笑顔にさせたテクニック
お子さんは保育園や幼稚園、学校などの新しい環境には慣れてきましたか? 早く慣れる子もいれば、時間がかかる子もいるもので、本当に人それぞれ。お子さんによって違いますよね。
筆者の娘は、新しい環境に慣れるのにすごく時間がかかるタイプで、いつも最初は泣きながら行くことが多いです。確かに親としては、新しい所でもすぐ馴染めるような子の方が頼もしくて安心ですが、
「これもうちの子の個性だから、ママとしてはとことん付き合うしかない」
と覚悟を決めて(というより、何もなすすべがなかったのですが)、朝娘が泣くのは恒例行事と思っていました。
朝の幼稚園で泣く娘
娘が5歳の新年度のときです。新しいクラスで新しい先生、初日は少し緊張する子も多いのか、パパやママから離れられずにくっついている子や、泣いてしまっている子もちらほら……。娘にとっては今まで通っていたのと同じ幼稚園で、昔から知っている友達もいたのですが、初日はやっぱりクラスの前で娘は泣いていました。
「ママ、行かないでー!」
と言いながら、先生に抱っこされてもまだ泣いている娘と、
「お母さん、大丈夫なのでもう行ってくださいね」
と声には出さなくてもそういう目線を送る先生を残して教室を後にするしかありません。
1、2週間くらいするとクラスもだんだん落ち着いてきて、朝泣いている子はだいぶ減ってきていましたが、筆者の娘だけはまだ泣いてしまうことが多く、クラスでも目立っていました。
教室に入ってからも、娘が大泣きしていると、ほかの子にも伝染してしまったかのように、クラスの半分くらいの子が泣き始めてしまうなんていう日もあったほどです。
「先生にも迷惑かけてしまって申し訳ない、でもどうしたらいいだろう…」
先生がアドバイスしてくれた「作戦」
困り果てていた筆者に担任の先生が声をかけてくれました。
「お母さん、朝のことなのですが、〇〇ちゃん(娘)に教室の外でお別れするようにしてみてもらえませんか。バイバイしたら、すぐお母さんの姿が見えなくなるようにしていただきたいのです」
先生は、ママの姿が見えると子どもは泣いてしまうことが多いので、できるだけ早くママが立ち去った方がいいと判断したようです。
私がすぐにいなくなったあとの娘の反応に不安はありましたが、先生に言われたからにはやってみるよりほかはありません。
先生とママの連携プレー
翌朝から実行することにしました。
いつものように、筆者の手を引っ張りながら教室の中に一緒に入っていこうとする娘を止めて、
「〇〇ちゃん、今日はここでバイバイするね」
娘をぎゅっとハグしました。
「なんで? ママ、中に来て」
娘が筆者と話している声が聞こえたのか、先生が教室の中からすかさず娘を呼びました。
「〇〇ちゃん、おはよう。今日は先生のお手伝いしてくれるかな」
「ごめん、ママは急がないといけないお仕事があるの。ほら、先生も呼んでいるから、行っておいで」
娘は先生に呼ばれたことが気になって、そのまま筆者にバイバイして急いで教室に入って行ったのです。先生との連携プレーがとてもうまくいったような気がして、筆者は心底ほっとしました。
ママも不安だったけれど、いつの間にか克服
それから数週間、
「ママはお仕事があるからごめんね」
を繰り返しながら、教室の外で娘を見送り、いつの間にか娘も泣くことなく落ち着いて朝の時間を過ごせるように。朝、筆者が娘と一緒に教室内に飾られている娘の絵を一緒に見たあとにバイバイ。でも平気です。もう泣きません。
幼稚園や保育園の朝の別れ際に泣かれるのは、パパやママにとってつらいものです。子どもが気になって親が離れづらくなっていると、かえって子どもは泣きたくなってしまうのかも、と筆者はこのとき気づかされました。もし、朝の別れ際に子どもが泣いてしまうことがあったら、今回の様に連係プレーをとるという方法もあるので、先生に相談してみると良いかもしれませんね。
文・野口由美子 文・物江窓香