自然いっぱい・のびのび系の幼稚園に待ち受けていたママの試練
幼児期はナチュラルに子どもらしく過ごさせたい……。そんな思いで選んだ娘の幼稚園は、大自然に囲まれたのびのび系の幼稚園でした。広い園庭は思いっきり走り回ることができ、自然の草花にも触れることができます。
毎日お花に囲まれながら楽しそうに外遊びをし、お迎えに行くとキラキラと目を輝かせている娘の様子を見ながら「この幼稚園を選んで良かった!」と思ったものです。そう、娘があるものにハマるまでは……
そう、娘がお友達と夢中になっているのはダンゴムシ集め。まるで宝石を探すかのように一匹一匹大切に拾い集める子どもたち……そして幼稚園の先生はわざわざ紙袋を用意し、子どもたちが集めたダンゴムシを家庭に持ち帰らせるのです。何を隠そう私は虫が大のニガテ、どうか勘弁していただきたい……。いや、ムリムリ……。
「ダンゴムシはお家に住めないからねー?」と娘を説得し、「えー?」と渋る娘になんとか納得してもらって、ダンゴムシをザザーっと地面に返しました。
やがて季節が秋になり今度はどんぐり集めにハマった娘。ダンゴムシの時と同じように紙袋に入れたどんぐりを持ち帰るようになりました。
ところが他のママたちから不穏な会話を耳にしました。
「あ、どんぐりだー。もうそんな季節かー」「拾ってくるのはいいんだけどね、めんどくさいんだよね~」「そうそう煮沸とかー」
え?? 煮沸? わざわざ?
いやあぁぁぁぁ!!!
「どんぐりはお家に住めないからねー?」と娘を説得し、「えー?」と渋る娘になんとか納得してもらって、どんぐりをザザーっと地面に返しました(デジャブ)。
子どもらしく自然の中でのびのびと育てたい……そう願って入れたナチュラル系の幼稚園にどんどん鍛えられていく娘。園庭を駆け回る光景は、まさに野生児! ワイルド全開! 虫ギライのママは、もうついていけません……。
そんなある日、帰宅した娘の幼稚園カバンを片付けていると、手に「カサッ」という感触が。何だろう……昆虫のハネ?
カバンからひょっこり頭を出したのは、大きなカマキリ。目が点になる私。そしてカバンの中には散らかった昆虫の手や足……。そこへ娘が……。
「今日はカマキリさんとバッタさんをお家に連れてきたんだよ!」
ぎゃああああああぁぁ!!!
カマキリとバッタを一緒に入れたら……その後はどうなるか分かりますでしょうか?
虫が苦手なママは、自然いっぱいの幼稚園に娘以上に鍛えられそうです……。
脚本・ゆるっとママ イラスト・ゆずぽん