子どもはうるさいけれど元気の源。家族のありがたみを感じた「ママが病気の日」
今日は熱が出た。身体がだるくて、動けず一日中横になっている。休日で良かった……。
私が寝ていると何かと気になる子どもたちがいちいち寝室に入ってきてゆっくり眠ることもできない。
「うつっちゃうから、向こうのお部屋行っててね〜」と言っても、やはりママが心配な子どもたちは、何かにつけて顔を出してくる。
「お願いだからゆっくり寝かせてくれーーーー!」と布団の中で叫びながら、ついつい耳は子どもたちの遊ぶ声に傾けてしまう自分。
喧嘩をはじめれば「あぁ、もうっ!」と思うし、ふざけ合って笑っているとこっちまで嬉しくなる。
そうこう考えているうちに、ウトウトし始めた私。
——と、気が付くと眠っていたようだ。まだ身体はだるい……さっきよりも悪化している気がする。
部屋はシーンと静まり返っている。静かだな……子どもたちはいない……?
時計を見ると習い事の時間だ。旦那が連れて行ってくれたんだ。昼間の静かな部屋で寝るのって、どれくらいぶりだろう……?
来年は下の子も幼稚園に入るし、ひとりで昼寝するとこんな感じなのかな?
でも……今日は身体が弱ってるせいかな。
この静けさが逆に心細い……。
気楽なはずなのに、全然体調も良くならないし何だか寂しい気持ちが込み上げる。
いつもは狭いと思っていた我が家、子どもがいないとこんなにも広く感じるんだ……。
すると……。
「ただいまーーーーー!」という元気な声が聞こえてきた。ドアをバーン! と勢いよく開けて子どもたちが飛び込んでくる。
「ママー、りんご買ってきたよ! 食べる?」とニコニコ笑顔。
「ありがとう」と返す私。
「コラー! ママお風邪なんだから、ゆっくり休ませてあげなきゃダメだよ」と言う旦那に連れていかれ、子どもたちが部屋を出る。
「私がママにリンゴ持ってく〜」「僕がやるのー!」あぁ……また喧嘩がはじまった……。
つかの間のひとり時間だったけれどアレ?
さっきよりも身体が楽になっている気がする。
子どものうるささは、私に元気をくれているのかもしれないな……なんて、天井を見上げながら思う。辛いときでも家族がいてくれれば何となく笑えてしまうのだ。
何気ない家族の言動に、ありがたみを感じた風邪ひきの休日でした。
とは言いつつも、日常に戻ればまた「静かにしなさーい!」なんて怒ってしまうのですけれど(笑)。
脚本・渡辺多絵 イラスト・ゆずぽん