子どもを叩いてしまう自分をなんとかしたい。コントロールが難しい「怒り」の感情と向き合うには
『幼稚園に通う2歳差の2人の子どもがいます。言うことを聞かなくて叩いてしまい、日に日に叩き方がひどくなる自分がいます。病院や児相に相談するという方法以外で、考え方など教えて頂きたいです』
連日のように報道される児童虐待のニュースを見ていると、いたたまれない気持ちになる方も多いのではないでしょうか。同時に「いつか自分もそうなってしまうのでは」と、ひとり思い悩んでいるママもどこかにいるかもしれません。どんな理由があれ、子どもを叩くということは決して許されることではありません。しかしそうするしかないママの苦悩。許されることではないからこそ、どうすればいいのかをみんなで考えてみませんか?
負の連鎖は断ち切らなくてはならない
『子どもの頃に見ていた父親から母親への暴力。そして母親から私への暴力。これらがどこかに根付いていて、自分でも止められなくなっています』
虐待の話題が出ると、必ずと言っていいほどよく出てくるのは「負の連鎖」に関する話題ではないでしょうか。自分が親から叩かれて育ったせいで、自分の子どもへも手をあげてしまう。そのお気持ちは痛いほどわかります。筆者自身、親にはかなりひどい仕打ちを受けて育ってきました。そしてやはり子どもに手をあげてしまうことに、悩み苦しんだ経験があります。だからこそ言えるのは「負の連鎖のせいにしてはいけない」ということです。
子どもを叩くことを誰かのせいにしないで
『叩かれた子どもたちが心配だね。成長するにつれて親の顔色をうかがったり、機嫌を損ねないように気を使ったりしながら生活させるのかな? 「叩かれた」ということだけが先行してイヤな記憶として残らなければいいんだけれど』
叩かれた子どもは、身体的な痛み以上に、心に大きなダメージを受けてしまいます。それを「負の連鎖」のせいばかりにしていいものでしょうか? 親が自分にしたように、自分も子どもにもしてしまうというのは、責任転嫁ではないでしょうか?
叩いた方だってツラい。そう思えるならまだ間に合う
「負の連鎖」は誰かが断ち切らないといけません。子どもに手をあげてしまう自分をなんとかしたくて、筆者がたどり着いた答えの一つがこれでした。親から受けた仕打ちは、誰にとってもつらい過去だと思います。しかし、それを親のせいにしてわが子にも同じように対応してしまうと、ますますツラくなるのはママ自身なんです。子どもに手をあげてしまうことに思い悩んでいる今ならまだ間に合います。一緒に、少しずつでもいいので乗り越えていきませんか?
ママたちの声
投稿者さんの苦しい悩みにママスタコミュニティのママたちは、ときには優しく、ときには厳しく、投稿者さんのために声をあげてくれました。投稿者さんや、投稿者さんと同じ苦しみを抱えているママたちに、少しでも届きますようにと願うばかりです。
誰かに相談しよう
『親や旦那に相談はできる? 頼れない? それ以上悪化すると歯止めが効かなくなっちゃうかも』
『親も旦那も頼れないなら、なおさらエスカレートする前に児相や誰かに相談しなよ』
『叩いちゃうならママのキャパを超えているんだと思う』
投稿者さんは最初の投稿の中で、児童相談所や医療機関に相談する「以外」の方法を教えて欲しいと書いていました。そのためママスタコミュニティに集まったママたちは、投稿者さんが児童相談所などに相談することを避けているように感じたのかもしれません。
お子さんは幼稚園に通われているとのことですので、子どもに関して困っていることや対処法を幼稚園の先生に話をしてみてはいかがでしょう。思い悩み苦しいのであれば、思い切って外に救いの手を求めてみませんか? 家の中で子どもと向き合い続けると、どんどん意識が内に向いて行ってしまいます。そこから脱するには外からの風を入れることも必要なのかもしれません。
叩かなければいいわけでもない
『2歳弱の子を叩いていた時期があった。だけど叩かないように努力したよ。でも叩かない代わりに罵声がひどくなってしまい、ずっとグチグチ言ってしまった。私の場合、時間が経てば経つほど、怒りがこみ上げてくるから部屋に閉じこもるようにしている』
虐待には「身体的虐待」以外にも「性的虐待」や「心理的虐待」などさまざまな要素があります。叩くという行為はこの中では「身体的虐待」に当たります。ただ単純に子どもに手をあげなくなれば、全て解決するわけではない点が難しいところです。筆者も手をあげなくなった代わりに、「心理的虐待」に近い言葉の暴力を子どもにぶつけていたような気がします。根本的な解決を目指すためには、叩かなければいいというわけではなく、沸き起こる「怒り」という名前の付く感情をどうするかがポイントとなるのかもしれません。
変わることは容易ではない。でも変わろう、一緒に
『でっかいぬいぐるみを置いておいて、叩きそうになったらそっちを叩く』
『私はイライラしたら別室に逃げていた。そこで大きく深呼吸をして怒りを沈めていたよ。壁をけったりもしていたな』
『子どもが悪いことをしたら、とっさに叩いてしまうこともある。でも最近は、子どものどんな顔が好きかよく考えるようにしている』
『私も何度か叩いてしまって罪悪感はずーっと残っている。カーッとなったときに冷静になれるよう、違う部屋に行く』
『叩くと、叩いている状況にエキサイトしちゃうだろうから、叩く代わりに何か食べてストレス発散して太った方がまし』
沸きあがる怒りの感情をコントロールするのは、至難の業なのかもしれません。本屋さんに行けばたくさんの「アンガーマネジメント」に関する書籍が販売されていますし、ママスタでもアンガーマネジメントや「怒らない体操」が話題にのぼりました。それだけ怒りの感情をコントロールするのは難しいと感じている人が多いということ。難しいからこそ、ママスタのママたちが提案する対処法をどんどん取り入れていってほしいと思うのです。どこかにきっと自分に合った対処法がみつかると信じて。
悩んでいるのはあなたひとりじゃないことを忘れないで
自分では悪いと思いながらも、つい子どもに手をあげてしまう。こんな自分は母親失格だとか、子どもを育てる資格はないとか思ってしまうこともあるでしょう。ですがさまざまな悩みに苦しんでいる方は大勢いるのではないでしょうか。いくつものトライアンドエラーを繰り返し、なんとか乗り越えようとみんな足掻いているのです。
子どもを叩くことを正当化することはできません。でもツラいと感じているママの気持ちを分かち合うことはきっとできるはずです。どうかひとりで悩まず、周りの誰でも構いませんので話をしてみてください。ママスタコミュニティのようなネットの中でも構わないと思います。少しでも多くのママたちの声に耳を傾けてみることから始めてみませんか?
文・櫻宮ヨウ 編集・Natsu
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