毎日怒りすぎて自己嫌悪なあなたに。「怒らない体操」で理想のママを目指そう!
育児をしていると、子どもに対して感情的に怒ったり、衝動的にひどい言葉を吐いてしまったりしたこと、ママなら経験のあることだと思います。怒りをうまく抑えて穏やかなママでいられたら……そう悩むママは少なくありません。そんな怒りと上手に付き合うためのプログラムを普及する日本アンガーマネジメント協会が、6月6日を「アンガーマネジメントの日」とし、「怒らない体操」を発表しました。この体操をすれば、もう怒らないママになれるかも!?
アンガーマネジメントって何?
そもそも「アンガーマネジメント」とは、どのようなものなのでしょうか? 日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介さん(代表理事)によると、1970年代にアメリカで生まれた、怒りとうまく付き合うための心理トレーニングだそうです。
「アンガーマネジメントというと、怒らなくなる、イライラしなくなるというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実際はそうではないんですね。怒らないことがアンガーマネジメントではなくて、怒る必要のあることは上手に怒ることができる、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる、という線引きができるということなんです」
決して「怒らなくなろう」と呼びかけているわけではなく、怒る必要のあることとないことを判断できるようになるという「アンガーマネジメント」。具体的にはどのような考え方なのかご説明します。
衝動のコントロール(6秒ルール)
怒りというのはカッとした感情がずっと続くわけではなく、感情のピークがあるのは6秒程度だと考えられているそうです。この6秒の間に感情的に発した言葉や衝動的に起こした行動は、後々後悔するようなものになってしまうとのこと。まずはその6秒をなんとかやり過ごすことで、最悪の事態を防ぐことができるそうです。
思考のコントロール
「〜するべき」といった考え方は、怒る原因になっている場合があるそうです。例えば「夫はお皿を洗うべき」と考えていると、洗わない場合に怒りを感じてしまいますよね。その「べき」の考え方が、人によって程度が異なることを理解して、どのように考えれば無駄にイライラしなくてもいいのかという考え方を学びます。
行動のコントロール
怒ること自体は問題ありませんが、怒った後にどのように行動していけばいいのかをトレーニングし、今までの習慣などを変えていくことを学びます。自分が変えられることなら努力して変えようとすればいいのですが、自分が変えられないことに対しては受け入れることが必要です。例えば、運転中に渋滞にはまった、電車が事故で動かないなどの、自分では変えられないことに対しては、怒っても状況は変えられません。現実を受け入れて気分転換するなどの現実的な解決策を探します。
これらの考え方を基本に、怒りとどう付き合っていくかを学び、トレーニングしていくことがアンガーマネジメントです。
デューク更家さんと共同考案「怒らない体操」
会場にはもともと「アンガーマネジメント」に興味があり本などで学んでいたという木村佳乃さんと、今回「怒らない体操」を考案したデューク更家さんが登場しました。
にこやかで優しげな木村さんですが、2人の娘さんに感情的に怒ることもあったそうです。
「怒った状態で娘に伝えても子どもの心には何も伝わらないんですよね。怖いからハイって言いますけど、私が言いたいことは伝わってないなって。こちらが心を落ち着かせて、なぜこれがダメなのかちゃんと説明しないと、子どもの心には響かないなと思いました」
と自身の経験談を語ってくれました。そんな木村さんに対し安藤さんは
「怒ること自体は問題なくて、子育てしていればイライラはつきものなんですよね。ただその怒ったときに自分は何をしてほしいのか、どうしてほしいのかを伝えられるようになると、お子さんも素直に話を聞いてくれると思います」
とコメント。怒りという感情を押し殺さなくてもよくて、その伝え方が問題なのですね。
怒りはメンタルのトレーニングだけでなく、体を使ってコントロールすることもできるとのこと。そこで、ウォーキングトレーナーとして一世を風靡したデューク更家さんがアンガーマネジメントとコラボレーションし、「怒らない体操」を共同考案しました。子どもと一緒に踊れるように考えられたという体操はとても簡単で、ストレスを声とともに発散する動きが入っています。
筆者も子どもたちと踊ってみたところ、子どもたちは動きが面白いと言って笑い転げ、しっかり踊れたかどうかは定かではありませんが……笑うことでストレス発散ができたのは確かです(笑)
デューク更家さん曰く、体操のポイントは習慣化することだそうです。朝起きたらすぐに、歯を磨く前に、など日常に取り入れることがいいそうですよ。
怒りは周囲の人々に連鎖する
見知らぬ方とぶつかって「すみません」と言ったら相手に舌打ちされて嫌な気持ちになったことがある、という木村さん。そんなときはどうすればいいのかという問いに、「関わらない方がいいです」と安藤さんはさらりと言います。
「生きているとそんなことがよくあるので、そんなことがあったとしても「まあそんなこともあるか」と流せるようになると楽にはなるんですよね。いちいち引っかかるとキリがないんです。ぶつかった方はもともとずっとイライラを抱えていて、きっかけがあって怒りが表に出てきただけなので、その人自身の問題なんです」
安藤さん曰く、イライラした人が1人いると、みんなにイライラが伝染するそうです。家族や同僚など周囲の人々を不快にさせないためにも、感情に任せて子どもを怒ってそんな自分を反省する日々を終わらせるためにも。「アンガーマネジメント」や「怒らない体操」などを日常に取り入れてみるのは効果のある解決策かもしれません。
取材、文・山内ウェンディ