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IKKO:第5回 39歳で発症したパニック障害

「美のカリスマ」として、多くの女性から支持されているIKKOさん。
このインタビュー連載も、回を重ねるごとに反響が高まり、IKKOさんの人生や仕事に真剣に取り組む姿がママ達の心にも響いていることを感じています!
第5回目となる今回は、今も完治はしていないパニック障害を発症したときのこと、そして今その症状にどのように向き合っているのかについてお聞きしました。

独立し経営者となった後、どのような点に苦労されましたか?

私は、完璧に仕事を成し遂げたいと思っていつも取り組んでいるので、頂戴するすべての仕事が楽ではない、とても苦労があり緊張感があるものでした。
でもそれは美容家として当然の取り組み方だと思っています。

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経営者の仕事という意味では、スタッフの教育に一番苦労しましたね。
独立したばかりの頃は、私も経営者として未熟、スタッフも未熟で未熟者同士うまくいっていたんです。
でも独立して5年目くらいになると、私自身の美容家として表現したい仕事のレベルも、事務所に求められる仕事のレベルも高くなり、そのレベルまでスタッフ達が中々育たないことが大きな悩みになってきました。
それにイライラするし、ストレスがたまる。
また時間とお金をかけてやっと育て上げたスタッフが、仕事を任せても良いかなと思った時に、私のところから巣立っていくこともあり、そうしたときにはまた一から育てないといけない、という大きな徒労感を感じることもありました。
そういうことの繰り返しが、大きなストレスになって私の心にも影響するようになったんですね。

大きなストレスを抱えて、経営を辞めたいと思ったことはありましたか?

ないですね。私は自分がやると決めたことは辞められない性格なんです。
それに、受けている仕事もたくさんあるし、途中で逃げ出すようなことは絶対にできません。
そうして仕事を続けていって、39歳の11月の終わりごろにパニック障害を発症したんです。

初めてパニック障害の症状が出た時はどんな状況だったのですか?

その日は、朝から顔色が悪いと言われていたんですけど、仕事を終えた時に気持ち悪くなってきて、病院に行こうとしたら、車の中で動悸やめまいがして、脚にも腕にも力が入らなくなってしまって、病院に着いた頃にはわけがわからない状態でしたね。
病院では重度の過換気症候群と診断されて、そのまま即入院になったんです。
それから3年間、朝から晩までずっとめまいに悩まされました。
人の目を見るのも怖いし、電話が鳴ると動悸がするし逃げたくなる。
いつでも逃げだせる状況にいないと怖くなってしまうので、地下もダメだし、ビルの最上階にもいられない。
でも、そんな理由で仕事を断ったり、迷惑をかけることはできないので、仕事はそれまで通りこなしていました。

パニック障害にはどのように対処してきたのですか?

パニック障害になった時、私を救ってくれたのは人の言葉ではなかったの。
あの時に、私を救ってくれたのは自然、緑だったんです。何も考えないでひたすら自然と向き合う時間がわたしを癒してくれました。
緑の多い公園をウォーキングするのも私に合った対処方でしたね。
今は、飼っている2匹の犬が私の癒しになっているの!
そして何より、私のことを受け入れてくれるスタッフ、そのメンバーといられる環境が、私のストレスを和らげてくれているので本当に助けられていますね。

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今はもう完治されているのですか?

仕事をしている限りストレスからは逃げられないので、私の場合は完治するということはないと思っているんです。でも、あの当時のような症状が出ることはないし、疲れやストレスで、また発作が出そうだなと思う時があっても、早めに休んだりすることでそれに対処できるようになりました。

これを読んでくださっているママ達の中にも、同じ病気をもっていたり、ストレスの多い日々を過ごしている方もきっといると思うんですよね。
ママ業って休みがないから、一息つくのも難しいかもしれないけど、ストレスを溜めすぎないで、ふっと肩の力が抜ける時間が持てていると良いなぁと思います。
ひとりで何かをする時間を持つのは難しいかもしれないけど、お天気の良い日に、お子さんと一緒に公園を散歩してみたりね。
私は、きれいな物を見ることや韓国ドラマを見るのも大好きなの。それなら、忙しいママ達にもおススメできるかしら?
ストレスとの上手な付き合い方を見つけてくださいね。

ママ達に愛をこめて IKKO

バラエティー番組には欠かせない存在になっているIKKOさんですが、これまでに大変な経験もたくさんされていました。
IKKOさんの唯一無二の存在感は、そうした経験をしてきたからこそ出せるものなのかもしれませんね。
(取材・文:上原かほり)

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