ユージ:第8回 『父親』というのは家族のサポーターだと思います
最終回の今回は、母子家庭で育ったユージさんが、父親になった今感じること、意識していることについて伺っていきます。育児中のママとパパへのメッセージも必見です!
ユージさんにとっての父親と、ご自身が目指す父親像について聞かせてください。
実際に父親になってみて、僕の中で「父親」というものへの考え方がすごく変わったんです。
今までは、父親というものは家族を引っ張っていって、何かあったらみんなに頼られて、お金を稼いで……という一家のリーダー的存在、いわゆる「昔のお父さん!」が僕の中で「父親」というものだと思っていたんです。だけどいざ結婚してお父さんをやってみたら、「父親」というのは家族のサポーターなんだなということに気づいたんです。
僕が前に出てみんなを引っ張っていくよりも、家族を後ろから支えるというのがお父さんの役割なんじゃないかなと。
だから、奥さんを支える=子どもの面倒を見る、家事を手伝うということで、奥さんの負担を楽にしてあげるとか、息子のやりたいことをやらせてあげるとか。僕は家族の中でサポーターです。陰のサポーターでいるつもりです。
どのタイミングでそういう考えになったんですか?
この日っていうのはないんですけど、家族になっていくなかでだんだんそうなってきましたね。例えば仕事をして給料が振り込まれても、それを家族に見せて「俺に感謝しろ」という気持ちはどこにもなくて、それは当たり前のことだと思うんです。とにかく家族がハッピーでいてくれるなら、僕は僕ができることを何でもするし、それに対して感謝してほしいとかも思わないですね。
ご自身が今、「父親」として子どもたちに対してしていることは、ユージさんが自分で気づいて行動していることが多いですか?
そうですね。誰かに教わってることはないですね。僕、育児本とかも読まないです。それよりは、毎日、自分が経験する中で、例えば奥さんはこういうことをすると機嫌が悪くなるとか、息子はこれをやるとあまり楽しくなさそうだなとか、そういうことを発見したり、覚えたり……そうやって、毎日毎日、僕自身も成長してます。
ユージさんのお母さんの子育てを真似している部分はありますか?
「愛情を与え続けることをあきらめない」ということは、お母さんから学んだことだから、それは真似していきたいと思っています。
あと僕の小さい頃を振り返って、お母さんにこうして欲しかったということを自分はやろうと思っています。
僕のお母さんはずっと働いていたので、お母さんの代わりにシッターさんといる時間がすごく長くて、いつの間にか「お母さん」という存在が特別なものではなくなっていた時期があったんです。いつもそばにいてくれるシッターさんの方を頼りにしていました。だから子どもたちとはできるだけ一緒の時間を過ごそうと思っていますね。
父親になって、嬉しかったこと、びっくりしたこと、感動したことを教えてください。
父親になって嬉しかったのは、「寂しい」ということを感じなくなったこと。僕は人のために頑張るのが好きだから、「家族のために頑張る!」というパワーをもらえたことも嬉しかったです。びっくりしたことは、「育児ってこんなに大変なんだ!」ってこと。大変だとは思っていたけど、想像以上だった。育児って、無限ループというか、ゴールがないじゃないですか。仕事は、今日はここまでやったら終わりというのがあるけど、育児ってそんなものはなくてこれからもずーっと終わらないからね。
感動したことは……、それは毎日してます。息子も娘も日々成長しているから、それに対して毎日感動していますね。
お子さんは、何人欲しいですか?
もう一人……、二人は欲しいですね。娘が生まれたとき、奥さんが分娩室から戻ってきて言ったのが「あぁ、もう一人欲しいな」だったんです。第一声がそれですよ。
「やっぱ勝てないな」とは思いますよね。奥さんには敵わないなって思いました。
最後に、ママスタセレクトをご覧のママ、パパへのメッセージをお願いします。
<ママへのメッセージ>
大変だろうなと思っていた育児は、実際に始まってみると想像を絶していました。休みもなく、まさに24時間365日の育児、本当にお疲れ様です。
ママがすごく頑張っているのはパパもきっとわかっていると思うんですけど、きっとママはパパにイライラしちゃったりすることもあると思うんです。でもパパはパパなりに頑張っていたり、苦労していたりすることもあるから、イライラするだけじゃなくて、パパの頑張りを認めてあげてください!
<パパへのメッセージ>
僕たちは、妻の上に立つことは絶対にできないから、徹底してサポーターにまわりましょう。見返りを求めたりせず、自分ができることをして家族を支え、妻と子どもを喜ばせていたら、結果的に自分に返ってきます! 共にがんばりましょう!
ユージさん、ありがとうございました。
(取材・文:上原かほり 撮影:chiai)