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子どもの困った行動に悩んだら、今までの対処法をやめてみよう #アドラー式子育て術から学ぶ

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上の子が弟や妹をいつも叩いてしまう、何度言っても片付けられない……そんな子どもの困った行動に悩むママは多いもの。「何度言ったらわかるの!?」「またこんなことをして!」と子どものこういう面ばかり注目して怒っていると、子どもは困った行動を続けて親の注目を引こうとしてしまうかもしれません。書籍『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』の著者、岡山恵実さんと清野雅子さんに、アドラー式子育て術の考え方を教えていただきました。

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子どもの困った行動の対処法は?

——子どもの困ったことに悩むママはたくさんいると思います。

清野さん:子どもの困った行動が繰り返されているのだったら、子どもはいけないことだとわかってやっているんですね。ですので親はひとまず怒ったり対処したりすることはやめて、子どもを観察してみることが困ったときの対処法のひとつなんです。

岡山さん:日本にアドラー心理学を広めた野田俊作先生は、兄弟ゲンカなど親の前でケンカするのは、親がプロレスなどのリングの下にいるお客さんのようなものだと言っています。お客さんがいるからケンカして、悪い人はどっちというような行司が入るからそれで満足ということも考えられます。まずは今までの対処法を止めてみて、どうなるか観察してみましょう。そして、子どもたちでどうしたら仲良く遊べるか考えてもらったら、子どもたちの誰かが仕切って考えてくれたり、親がその場を離れてみたらケンカが収まっていたりすることもあるかもしれません。今までの良かれと思う対処法を一旦止めて見て、どうなるか観察するというのは大事です。

意識的に子どものいいところを見つける

清野さん:それと同時に、子どものいい面を見つけて、そこをちゃんと感謝したり、喜びを伝えます。子どもって本当に親を助けてくれてるんですよ。例えば上の子が下の子を見ててくれたときとか、お留守番してくれたときなどは、それを当たり前だと思わないで、積極的に子どもに感謝や喜びを伝えることをします。

困った行動というのは雑草のように次々と生えてくると考えます。それよりも大きな花を咲かせたいと私たちは考えていて、“マイナスをなくす努力をするのではなく、プラスを伸ばす努力をする”というのがアドラー心理学の育児の根本的な姿勢です。

岡山さん:野田俊作先生は1日に24時間しかない中、右手で適切な行動をして左手で不適切な行動をすることはできないから、24時間のうちに適切な行動を増やせば、不適切な行動は減りますよね、と言っています。だから、例えば弟をすぐたたくとか、家に落書きするとか、お母さん困らせていたとしますよね。そいうことに注目しないで、「弟の面倒を見ててくれてありがとうね」、とか「お留守番ありがとうね」といい面に注目していると、子どもは「これはいいことなんだ、もっと家族に貢献しよう」と思い、その時間がぐっと増えるんです。

自分が「役に立っているんだ」という子どもの心を育むために、子どものいいところや役に立っていると思うところを親は見つけて、たくさん増やしていく。些細なことでもたくさんお母さんに協力してくれています。当たり前の日常の中にいっぱいあると思うので、意識的に、子どものいいところを探すことが大切です。

『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』

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著者:清野 雅子、岡山 恵実
出版社: 小学館
定価:1404円(税込)

 

取材、文・山内ウェンディ 編集・横内みか

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