生き物自身が自らの絶滅理由を語る『わけあって絶滅しました』がママや子どもたちに大人気
はるか昔に絶滅してしまった生き物たちが自らの絶滅原因を語る『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』(ダイヤモンド社)。油断し過ぎて絶滅、やりすぎて絶滅、不器用で絶滅、不運にも絶滅。そして最後には絶滅しそうでしていない動物を70種類紹介。いったいどんな生き物たちが絶滅したの?
手がけたのは『ざんねんないきもの事典』シリーズの2人組
『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』を手がけるのは、『ざんねんないきもの事典』シリーズの著者、丸山貴史さんと監修の今泉忠明さん。今回登場するのは、はるか昔に絶滅した生き物たち70種類。それも、絶滅した理由が独特すぎておもしろいものばかり!
たとえば、イカ不足で食糧難に陥った魚竜、卵を哺乳類の取られたディアトリマ、デコりすぎて環境の変化に対応できなかったオパビニア、筋肉ムキムキすぎて速く動く才能ゼロのスミロドンなど。生き物たちに言わせれば「あ~、地球ってせちがらい!」ということなのでしょうか。
生き物が絶滅する確率は99.9%。「聞いてくれ、その理由を」
絶滅した理由もさることながら、この生き物たちが語りかけてくる言葉が、とってもリアルでおもしろい。たとえば、イブクロコモリガエルは、「あたしら、胃の中で子育てするんです。ほら、最近ぶっそうでしょう? だから卵をうんだら飲みこんで、大きくなったら外に出すんです(中略)。ま、病気で全滅したんですけどもね」といった具合。
ほかにも、暑さにも寒さにも弱くて絶滅したティタノボア(爬虫類)や、歯が抜けなくなって絶滅したヘリコプリオン(軟骨魚類)など、ほろんだ理由が特殊な生き物ばかりにスポットをあてて紹介してあり、読んだら思わず「へー!」といってしまいそうな雑学ネタが満載です。
方言あり、赤ちゃん言葉あり。生き物たちが話す会話がおもしろすぎる
「生き物たちに直接話を聞けたら、こんなことをいうんじゃないの?」ということを、それぞれの生き物たちに合わせた語り口調で話してくれるのです。方言あり、赤ちゃん言葉あり、いばっていたり、控えめだったり、ときにはダジャレありと、おもしろおかしく語っていたり。一度も見たことがない生き物にもかからず、親近感がわいてきて、もっと知りたくなります!
手遅れだけど、生き残るための知恵をアドバイス
イラストとともに各生き物の横には、絶滅年代や大きさ・生息地・食べ物・分類・生息した時代など図鑑的要素が満載。さらに「こうすれば絶滅しなかった」など、親切にも絶滅を逃れるアドバイスまで書き加えられています! はるか昔に絶滅してしまっているので、生き物たちからしたら「いまさらいわれても……」という感じでしょうが(笑)。
調べ学習や音読に興味を持つキッカケに
「夏休みの宿題、どうしよう」と思っているママと子どもは、この本をもとに紙芝居を作ったり、好きな生き物を選んでその生き物についてもっと掘り下げて調べてみるのもいいかもしれません。また、生き物たちが語りかけてくる言葉を声に出して読むことで、音読の練習にもなります。
「うちの子、ちょっと音読苦手かも」という場合は、この本を使って生き物になりきって読んでみるのもおもしろいかもしれませんね。親子で『わけあって絶滅しました 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』を読みながら、生き物についていろいろ話し合ってみてはいかがでしょうか。
作:丸山貴史、今泉忠明(監修)
価格:1000円+税
出版社:ダイヤモンド社
文・長瀬由利子 編集・横内みか