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公立と違う点は?「民間の学童」のメリット・デメリットをご紹介

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今や「学童」は、小学生の子どもを持つ働くママにとって、なくてはならない存在ですよね。放課後に子どもを預かってくれる場所として、「学童」を利用している共働きの家庭は多いと思います。
厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の実施状況」調査(平成29年)によると、学童保育の登録児童数は、117万人以上。そのうち、約8割の家庭が公立の学童を利用しています。しかし、学童の待機児童は1万7千人以上と、希望通り入れない子どもが多いのが現状です。
公立の学童に入れなかった場合、民間の学童に入るという選択肢もあります。最近では企業が、保護者のニーズを反映した学童保育を運営しています。

民間の学童のメリット・デメリットとは?公立との違い

開所時間が公立より長い

民間の学童の最大のメリットは、ママの生活に合わせて時間の融通が利くという点です。
早朝や夜遅くまで預かってくれたり、送迎サービスがあったり、夕食の提供といった食事サービスもあるなど、生活の一部を安全な環境下で学童が行ってくれます。
たとえば公立の学童では、19時を超えて開所している学童は7.2パーセントと割合が少ないのが現状です。しかし、民間の学童だと基本的にママのお迎えの時間に合わせることができ、最大22時まで預かってくれる施設も多くあります。

学習プログラムが豊富

また、学習やスポーツといったプログラムが充実しているところも、公立の学童とは違う点です。英会話やそろばん教室、水泳といったプログラムが、専門の講師によって行われています。公立の学童でも、宿題をする時間などが取られている場合もありますが、基本的には、勉強や習い事を教えてはくれません。公立の学童にくらべて民間の学童は、習い事の面も担っていると言えるでしょう。

料金が公立の学童より高い

一方で、民間の学童は、公立の学童よりも利用料金が高いというデメリットもあります。公立の学童保育の利用者負担は、地域によってさまざまですが、全国学童保育連絡協議会の調査によると平均額は約5,500円/月となっています。民間の学童は、施設によってさまざまですが、大体月1万円前後が主流です。さらに時間延長や、習い事のオプションなどを含めると、トータルで3~5万円、なかには10万以上かかる学童もあり、高額となっています。民間の学童は公立と違い、共働きでなくても希望すればだれでも入ることができますが、金額がネックとなり入ることができる学童が限られてしまうという問題もあるようです。
しかし、その金額に見合ったサービスが受けられ、また、家庭の都合に合わせてくれるメリットがあるために、はじめから公立ではなく、あえて民間の学童を選ぶママもいます。

塾やスポーツ教室が運営している学童。習い事や塾の代わりとしても

民間の学童の中でも特に多いものが、進学塾が手掛ける学童です。進学塾サピックスが運営する「ピグマキッズ」やリソー教育グループが行っている「新芽‘sクラブ」など多くの企業が、塾経営で培った教育のノウハウを使って、放課後サービスを行っています。
例えば、明光義塾が首都圏を中心に開いている「明光キッズ」では、宿題のサポートだけでなく、「まなびタイム」として授業を行っていたり、英会話教室やプログラミング教室、そろばん教室なども受講できたりと、学習に重きを置くプログラムが充実しています。学習だけでなく、「アクティビティタイム」として料理やスポーツ、アートといった活動プログラムも重視しており、生活と学習のバランスがとれるように考慮されています。また、小学校への無料お迎えサービスのほか、希望があれば、ほかの塾や習い事への送迎といった個別の送り迎えサービスもあります。

スポーツ教室が行っている学童もあります。「ティップネスアフタースクール」は、スポーツクラブのティップネスが行っている学童サービスです。プロの講師によるスイミングやチアダンス、体操などといったスポーツプログラムが充実しています。また、「文武両道」を目標として掲げており、英会話やそろばんなどといった学習も施設内で受講することができます。チューターが付き添う送迎サービスや、昼食や夕食をケータリングで提供するサービスもあります。

英語で過ごす学童サービスも人気。英語漬けの環境を重視

英語が学べる学童も人気です。学童内で毎日、英語の環境に触れさせられることができるため、英語力の向上を期待して利用するママが多いようです。
全国で102店舗と拡大を続けている「キッズデュオ」は「日本語は一切禁止で英語だけで過ごす」ことを掲げている英語の学童サービスです。ネイティブスピーカーやバイリンガルの先生のもとで、音楽や工作、外遊びゲームといった多彩なプログラムがすべて英語で行われています。ハロウィンやクリスマスといった文化的なパーティや行事も重視しており、英語圏の文化や国際感覚を身に着ける機会を設けています。

グローバル時代に必要とされる能力を重視している「東京インターナショナルスクール」も、英語で過ごす学童サービスです。英語の強化プログラム、ディスカッション、キネステティック(運動)などといったプログラムが組まれています。特徴的なのは、「探求型カリキュラム」を取り入れているところです。毎日、テーマを決めて、それに基づいた探求型の授業が行われています。たとえば、「仕事」をテーマにした探求プログラムでは、子どもたちがひとつの仕事を選択し、それについて調べ発表することで、仕事への問題意識や責任感などが学べます。

私鉄や不動産会社が行う学童も。送り迎えに便利な立地が人気

駅を拠点とした学童でお迎えがしやすい

大手私鉄が経営する、駅を拠点とした学童も人気です。
東急グループが行っている「キッズベースキャンプ」では、東急線沿線を拠点として学童を開いているため、アクセスが良く、ママのお迎えに便利というメリットがあります。「社会とつながる人間力」を重視しており、日々の生活の中で、あいさつやマナー、生活技術を身に着けるプログラムや、地域のごみ拾いを行う「キッズパトロール」、ビジネスの仕組みを学ぶ「キッズMBA」、農業体験、クッキングといったプログラムが提供されています。ママが子どもの様子を把握できるようにスマホで情報を共有するサービスも行っています。

学童を設置したマンションでお迎え不要

不動産会社が手掛ける、学童を設置したマンションもあります。マンション内に学童を開設することで、お迎えの必要がないことが大きな特徴です。
たとえば、三菱地所レジデンスの「パークハウス国分寺四季の森」は、国分寺市の要望を受け開発された、学童保育施設付きのマンションです。ウィズダムアカデミーが主催する学童をはじめ、東京おもちゃ美術館監修による「木のひろば」や、東京学芸大こども未来研究所によるワークショップ、ベネッセこども英語教室など、企業と提携して、マンションの敷地内で多彩なプログラムが受けられるようになっています。
また、学童に限らず、子どもが安全にのびのびと遊べる場を提供するマンションもあります。「パークタワー晴海」では、ボーネルンドとコラボした遊具が屋内外に設置されているキッズスペースが作られています。また、紀伊国屋書店のブックセレクトサービスによる共有のライブラリーや、フットサルコートや3on3ができるバスケットゴールなどを備えた広場もあり、子どもが放課後安心して過ごせる環境が作られています。

預けるだで終わらない、「学び」を重視している民間の学童。無料体験もあり

民間の学童は、プログラムの内容やコンセプトもさまざまで、サービスも多彩です。ママの働き方に合わせて、延長保育や、送迎、食事といったサービスを、オーダーメイドで受けられるところが、助かりますよね。
また、公立の学童に比べて「学び」を重視している学童が多いのも特徴です。「国際感覚」や「人間力」といったその学童独自のコンセプトをもとに、子どもに付けさせたい能力が明確です。そのため、ママの働き方に合わせた選択だけでなく、子どもにどのような環境を与えるかといった子ども目線の選択も可能です。親が子どもに何を身につけさせたいのか、子どもは何を学びたいのかといった目的をもって、学童を選ぶことができます。
民間の学童の申込期間は、秋から冬が一般的なようです。民間の学童は、入所前に無料体験やスクール見学ができるところもあるので、じっくり吟味して学童を選ぶこともできます。ただし、人気の学童は、定員オーバーで入れない場合もあるので、早めに動くことが必要です。
全国学童保育連絡協議会の調査によると、小学生が過ごす放課後の時間は、長期休暇を含むと年間1,633時間。小学校で過ごす年間授業時間よりも長いと言われています。だからこそ、多くの人と触れ合い、さまざまな経験をして、放課後の時間を有意義に過ごしてほしいものです。親にとっても子どもにとっても、ベストな学童を選びたいですね。

文・MAYA 編集・横内みか

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