9月は子どもを狙った犯罪が起きやすい?長期休みはSNSを使った犯罪にも注意 #子どもを犯罪から守る
子どもを狙った犯罪が後を絶ちませんが、特に犯罪の起こりやすい時期は「9月」とおっしゃるのは、犯罪行動分析を専門とし、全国で安全教室を行う清永奈穂さんです。子どもたちを守るために、犯罪の起こりやすい時期や、今増えつつあるSNSを使った犯罪についてお話を伺いました。
長期休みはSNSを使った犯罪に気をつけよう
夏休みなど長期の休みは子どもが親と一緒に行動したり、子どもが各地に分散して行動することが多いので、犯罪者も子どもをつかまえづらい時期です。遊園地のトイレなどの被害もあることはありますが、低学年に関しては犯罪はしにくくなります。しかし、高学年になると今多いのがSNSの犯罪。犯罪者から「ちょっと会おうよ」と呼び出すとか、子どもが「家出したい」「泊めてほしい」というような、犯罪者が動かなくても子どもからやってくるように仕掛けることが増えると思います。知らない人とは絶対に会ってはいけないのはもちろんですが、言われていてもやってしまうのが子ども。やはりお父さんお母さんは、子どもがどういう人とやりとりしているのかは知っておいたほうがいいと思います。
また、いけないと知りつつも相手に自分の写真を送ってしまう子も本当にいます。SNSは閉じた空間の中で誰にも怪しいと思われずに、相手の子どもを安心させながらやりとりできます。路上で声をかけるよりも犯罪者はやりやすく、どうしても写真を送らないといけないような状況に追い込むので、子どもが写真を送ってしまうことがあるのです。会ったこともない人に、体の一部が写ったものを送ってはいけない、きっぱり断るということをしっかり子どもと約束しておきましょう。
9月は子どもたちが狙われやすい
実は9月は事件が起きやすい時期です。夏休み明けでぼんやりしていたり、フラフラ、キョロキョロしていたりする子どもたちが多く、そういう子どもたちを狙った登下校での事件は増えます。子どもたちを守るためには、長期休みの間に防犯ブザーを点検して使えるようにしておくことや、犯罪者に会ったときのために家庭でできるトレーニングなどを行っておくと安心です。また、登下校時にはしっかり前を見て歩くことや怪しい人の見分け方についても声をかけて意識させてあげてください。
男の子も犯罪に巻き込まれることも
犯罪は女の子が狙われやすいと思いがちですが、男の子だから狙われないということはありません。男の子は無防備で、自分が狙われると思っていない子も多く、写真を撮られたり触られたりすることもあります。4、5歳ぐらいになると自立心が芽生えて、男の子が女性用トイレに行きたくないと言ってママと別のトイレに行き、手伝うフリをした人から被害にあう場合もあります。お子さんがズボンを自分で下ろせないとか、このトイレは何か嫌な感じがするといった場合は子どもが何と言ってもお母さんと一緒に行く方がいいでしょう。子どもの自立心を育てつつ安全を保つには、「練習して一人でできるようになったら行こうね」と話しましょう。
「自分でできるから行く」と言っても危なっかしい場合は、お母さんが事前にトイレを確認してもいいと思います。ブースが埋まっていないか、怪しい人がいないかなど、一瞬でいいので確かめましょう。その際には「何かあったらママって大きい声を出すんだよ、すぐ行くからね」と子どもに伝えます。子どもにも危険なことがこのトイレであるかもしれないという覚悟を持たせて行かせる。この一声で意識の持ち方が違うんです。また、「勝手に写真を撮ったり、触ってきたりする人がいたら「いや」「やめて」とていうんだよ」と具体的な行為を教えておくのも大切です。
取材、文・山内ウェンディ 編集・横内みか