タバコ2日に1箱で30年吸い続けたらかかる費用は240万円以上!家計から考えるタバコ喫煙問題
家族の中にタバコを吸う人はいますか? もしパパがタバコを吸うとしたら、ママや子どもが受動喫煙で健康被害を被る可能性があります。またタバコを吸うこと自体で家計に大きくマイナスを及ぼすことになりかねません。パパのタバコが家計にどんな影響を与えるのか、考えてみましょう。生活コスト削減コンサルタントの生方正さんに伺いました。
東京都独自の受動喫煙防止条例案が制定。でも家庭では……
旦那さんはタバコを吸いますか? 1日どれくらいの本数を吸いますか? 2018年6月27日に東京都独自の受動喫煙防止条例案が都議会定例会本会議で賛成多数で可決・成立しました。国会で審議中の健康増進法改正案よりも厳しい規制を敷く内容で、2020年東京五輪・パラリンピック直前の平成32年4月に全面施行されます。
法案成立により、従業員を雇っている飲食店は原則全面禁煙、幼稚園や保育所、小中高校の敷地内も禁煙になります。「禁煙場所が広がってよかった」と喜ぶママも多いでしょうが、肝心の家庭ではそうもいきません。
タバコを吸う旦那さんからしたら「会社も飲食店もタバコを吸える場所が減っている。せめて家にいるときくらい自由に吸わせてほしい」と思うかもしれません。しかし、タバコを吸わないママや子どもからしたら、パパの吸うタバコで受動喫煙をしてしまっては、たまったものではありません。
タバコを1年間吸い続けたら8万300円、30年間で240万9000円の負担
いくら口で「やめてほしい」と訴えてもタバコを吸い続ける旦那さんには、具体的にタバコを吸うデメリットを伝えてみましょう。数字による説得はロジカル思考の強い男性には非常に説得力があります。
たとえば、旦那さんがタバコを2日に1箱吸うとします。タバコ1箱440円として1年間吸い続けると
1年間……1日2分の1箱(10本)220円×365日=8万300円
30年間吸い続けると
30年間……8万300円×30年間=240万9000円
となります。
生命保険、賃貸修繕費用、かかる費用はほかにもまだある
タバコを吸うことでかかる費用はほかにもあります。たとえば生命保険には、タバコを吸っていない人は割引になるものがあります。それを考えると、喫煙者は余分に掛け金を払っていることになります。
また、賃貸物件の場合、タバコのヤニで壁紙が黄ばんでしまうと退去するときの修繕費用が掛かる場合があります。人によっては、タバコのにおいを消すための口臭清涼剤や消臭剤を購入したり、煙を嫌うOA機器に悪影響が出て買い替える費用がかかるかもしれません。
タバコによる肺がん治療費も考えるべき
もっと心配なのが、旦那さんや家族が肺がんにかかる可能性が高くなることです。万が一、タバコが原因で肺がんになってしまったら、がんの治療費もかかり、最悪の場合命を縮めることにもなりかねません。
タバコを買う実費だけ考えても、30年間2日に1箱吸った場合のタバコ代は240万9000円。このさき値上げや増税の可能性があることを考えると、出費はさらに増えることに。また、関連費用を考えると出費はさらに増える可能性が高くなります。お金をかけて健康を害し、家族に迷惑をかけていると考えたら、そこまでしてタバコを吸う価値はあるのでしょうか。
東京都独自の受動喫煙防止法を機に、タバコを吸うことで家計にどれだけの負担をかけているかについて、家族で考えてみませんか。
取材、文・長瀬由利子 編集・横内みか