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「幸せ」を感じる子どもは創造性が3倍も高い!?子どもが幸せを実感するためにできることは

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幸せを実感している人としていない人とでは、創造性が3倍違うというデータがあります。これは大人に限ったことではなく、子どもにも同じことがいえるでしょう。「子どもの創造性を伸ばすためには、子ども自身に幸せを実感させることが大切です」と話すのは、慶應義塾大学大学院で「幸福学」の研究を行う前野隆司先生です。子どもが幸せを感じられるようにするためにママができることについて、お話を伺いました。
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子どもの創造性を3倍アップさせるためにママができること

「幸せを実感できる人は、創造性が3倍も高い」というデータ。ママとしては、気になるところですよね。「創造性が3倍になったら、うちの子、発明家になれるのじゃない!?」と思うママもいるかもしれませんね。では、子どもが幸せを実感できるために、ママは何をしてあげればいいのでしょうか。

子どもが幸せを実感できることの1つに、ハグをすることが挙げられます。ハグは幸せ度を高めます。子どもはハグで安心感が得られるため、頑張ることができるのです。

また子どもだけじゃなく、ご主人にもハグをするといいですよ。ハグに限らず、スキンシップは幸せ度を上げるのに、とても効果があります。人間は体に触るとオキシトシンが分泌されるとともに、幸せ度が上がるといわれています。

「もううちの子、中学生になっちゃって、ハグは嫌がる」という場合は、握手でもいいですよ。「ありがとう」と肩をポンと叩いたり、「いい子、いい子」と頭をなでるだけでも大丈夫。ご主人にハグが恥ずかしい場合は、マッサージをしてあげるのもいいですね。体に触れることは、人を癒す効果もあるのです。もちろん、無条件の愛情に満ちてスキンシップするのがベストです。

心を閉ざした子どもを癒した「ハグの力」

日本ハグ協会の高木さと子さんから聞いた話ですが、お子さんが小学生の時に、ご主人をガンで亡くされたそうです。その後、お子さんは不登校になってしまった。そのとき、ママが子どもにハグをして「今のままでいいんだよ」と伝えたら、徐々に学校に行けるようになったというんです。その後、子どもは「夢が見つかった。ミュージシャンになる」といえるまで元気に成長していったそうです。

また、子どもがグレてしまったときも、ハグが有効だったそうです。それで、さと子さんは、「日本流ハグ」を開発したといいます。日本流ハグ、オススメです。「日本流ハグ」とは、無理やりハグをせず、手をひろげて子どもから来るのを待つ。しばらくは待っていても、子どもは横を通り過ぎていく。しかし毎日「愛している」と思いを込めて待っていたら、ついに飛び込んできたそうなんです。愛の力、すばらしいですよね。

不登校の子どもにも効果があった「ハグの力」

小学生で「学校に行きたくない」という子にハグをしてあげると、もしかしたら何らかの変化が起こるかもしれません。不登校になるときはコミュニケーションに問題を抱えていることが多いからです。

親は子どもを心配しながらも、つい「どうして行かないのよ? 早くいかないと学校に遅れるでしょ」と責めてしまいがちです。いったん焦る気持ちは心にしまい、優しくハグをして「今のままでいいのよ」と伝えてあげると子ど、もは安心感を得られます。

付け加えておきますが、ハグというのは一つの愛情表現にすぎません。ハグではなく、心からの思いを言葉で伝えるという方法もあるでしょう。他にも色々なやり方があるでしょう。愛さえ伝われば、やり方はなんでもいいんです。

 

しかし愛を伝えたからといって、すぐに学校に行けるようになるとは限りません。こじれたぶんだけ、回復には時間がかかります。少しずつ心が回復していった結果、いつの日か子ども自身が「休んでいるけど、行こうかな」という気持ちになったりするのです。子どもは安心すると、外に出ようという気持ちになるものです。

「やってみよう・ありがとう・なんとかなる・あなたらしく」を実践

子どもの幸せ度を高める方法は、ハグだけではありません。どんな小さなことでもいいから「やってみよう」と挑戦し、誰かを喜ばせたり感謝されたりすることで感じられる「ありがとう」、悲観的ではなく楽観的に考える「なんとかなる」、自分らしさを持つ「あなたらしく」。この4つの要素がバランスよく満たされると、子どもは幸せを感じやすくなります。

なかでも「感謝」することが大切です。「ありがとう。あなたのおかげで○○ができたよ」と感謝すること。親は子どもに対し、ついあれこれいいがちですが、なにか1つでもやってくれたら子どもに「ありがとう」と感謝する。それによって子ども自身もまわりの人に感謝できるようになるのです。あとは「やってみよう!」と応援してあげたり、「大丈夫。なんとかなるよ」と励ましたり、「あなたらしくいればいいよ」と認めてあげること。それによって子どもは自分に自信を持ち、幸せを実感でき、創造性もグングン伸びていくのです。

 

取材、文・間野由利子 編集・北川麻耶

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