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2019年10月からの幼児教育・保育無償化「共働き家庭・シングルで働いている家庭」に該当する子どもと上限は?「幼稚園・保育所・認定こども園・認可外保育園別」別にご説明

※2018年6月時点の情報です。
共働き赤枠付き

※画像は「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会 報告書」(内閣官房ホームページ)(PDF)より引用 赤枠は筆者による

2019年10月からの「幼児教育・保育無償化」。子育て世代にとっては、ひとつの朗報といえますね。ただ「幼児教育・保育無償化」に該当する子どもと月額上限内容を知っておかなければ、無償化の対象であっても恩恵を受け損ねるかもしれません。「幼稚園・保育所・認定こども園・認可外保育園別」にご説明します。

今回は、内閣官房内の「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会」により平成30年5月に公表された報告書に添付された図をもとに、「幼児教育・保育無償化」を掘り下げていきます。「共働き家庭・シングルで働いている家庭」のケースについては、上図の赤枠で囲っている部分です。

幼稚園・保育所・認定こども園を利用する場合

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幼児教育・保育無償化の対象となるのは、「3歳から5歳児」「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」

図の一番先頭にあるのが、「共働き家庭・シングルで働いている家庭」のケースです。「幼児教育・保育無償化」の対象となるのは「3歳から5歳児」かつ、「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」と表記されています。この「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」についてはのちに述べます。

「共働き家庭・シングルで働いている家庭」が幼稚園・保育所・認定こども園を利用する場合は「基本的に無償」

「共働き家庭・シングルで働いている家庭」が幼稚園・保育所・認定こども園を利用する場合、基本的に無償となる、とされています。ただし、幼稚園は月額で「2.57万円」が上限となります。

幼稚園の預かり保育を利用する場合は、幼稚園保育料の無償化上限額「2.57万円」を含め、月額上限3.7万円まで無償

幼稚園の預かり保育を利用する場合は、幼稚園保育料の無償化上限額「2.57万円」を含め、月額上限3.7万円まで無償となります。つまり幼稚園保育料を上限額2.57万円と仮定して預かり保育を利用する場合、預かり保育を無償で利用できるのは「1.13万円」まで、になるということですね。

筆者の息子が通う幼稚園をサンプルとすると、通常保育の後の延長保育(平日のみ)を利用する場合、1日に600円が必要になります。1か月の平日は最も多い月で22日となり、「幼児教育・保育無償化」がスタートする2019年10月の平日の日数がちょうど22日あります。

600円×22=13,200円(1.32万円)ですので、2019年10月の平日に毎日延長保育をすると全ての日が無償化の対象とはならず、最大18日までは無償で延長保育を利用できることになります。

この試算はあくまで筆者の息子が通う幼稚園の例ですので、各ご家庭でも試算してみることをおすすめします。

認可外保育施設(自治体の認証保育施設を含む)を利用する場合、月額上限3.7万円まで無償化の対象

認可外保育施設(自治体の認証保育施設を含む)を利用する場合は、月額上限3.7万円までが無償化の対象となります。

認可外保育施設とベビーシッターなどのサービスを利用したケース

施設やサービスを複数利用した場合でも無償化の対象となるケースがあります。それは、認可外保育施設とベビーシッターなどのサービスを利用したケースです。こちらは月額上限3.7万円まで無償化の対象となります。

幼稚園・保育園・認定こども園に通いながら障害児通園施設を利用している場合でも、無償です。ただし幼稚園を利用している場合は、月額の上限が2.57万円となっています。

認可外保育施設を利用する場合は「5年間」の猶予措置あり!

猶予条件

※画像は「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会 報告書」(内閣官房ホームページ)(PDF)より引用 赤枠は筆者による

施設やサービスを複数利用する場合に注意しなければいけない点があります(上図赤枠内)。それは利用する認可外保育施設が自治体の福祉保健局などに届け出を出し、指導監督の基準を満たしている施設を利用した場合のみ、無償化の対象となる点です。つまり、基準を満たしていない認可外保育施設を利用した場合には無償化の対象とはならないわけですね。ただし、これには猶予措置が設けられています。2019年10月から5年間の経過措置として、指導監督の基準を満たしていない認可外保育施設を利用した場合でも無償化の対象とする、とされています。

「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」ってどういう意味?

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平成30年5月に公表された内閣府の「子ども・子育て支援新制度について」の資料の中で、「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」について説明がなされています。

次にあげるどれかの条件に合致するとき、「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」に該当することになります。

就労

子どもの養育者が就労していること、つまり働いていること。就労の中身については、フルタイムやパートタイム、夜間などすべての就労形態に対応する、とされています。ただし、一時預かりで対応できる就労形態の場合は、該当事由からは除外されてしまいます。注意が必要になりますね。

妊娠、出産

次に、妊娠・出産。パパがフルタイムで働いていて、かつ専業主婦ママが妊娠や出産で子どものお世話が難しくなることは珍しいことではないでしょう。ママが第二子以降の子どもを妊娠したとき、上の子どもは「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」に該当することになります。認可外保育施設とベビーシッターを利用した場合、月額3.7万円まで無償化の対象となるわけです。

その他保護者の疾病・障害、介護、災害復旧など

そして、保護者の疾病・障害、同居又は長期入院等している親族の介護・看護、災害復旧、起業準備を含む求職活動、職業訓練校等における職業訓練活動を含む就学、虐待やDVのおそれがあること、育児休業取得時に既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること、その他、上記に関連する状態として市町村が認める場合、とされています。

「共働き家庭・シングルで働いている家庭」は「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」かが無償化の対象となるカギ

共働き家庭・シングルで働いている家庭ではとにかく、「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」に該当するかどうかが幼児教育・保育無償化の対象となるカギといえます。一見簡単なようにみえますが、「保育の必要性の事由」において、ただし書きがあるのです。それは、「同居の親族その他の者が当該児童を保育することができる場合、その優先度を調整することが可能」という点。つまり、おじいちゃんおばあちゃんや親戚などと同居していれば、子どもの親がフルタイムで働いていたとしても「保育の必要性の事由」に該当しない可能性がある、ということです。「優先度を調整」とありますので、各自治体の判断にゆだねられます。

2018年6月現在、「幼児教育・保育無償化」がスタートするまであと1年以上あります。無償化のスタートに向けて就業の準備をすることで「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」となり得ます(起業準備を含む求職活動)。1年あまりという期間を短く感じるか長く感じるかは個人差のあるところです。何を準備し、どのように活動するにしても「幼児教育・保育無償化」の制度を詳しく知っておくことが必要不可欠になるでしょう。

高等教育の無償化は2020年4月から実施!授業料などの減免と返済不要の給付型奨学金の支給

2018年12月28日、政府は高等教育に年間で7600億円かかると試算したとのこと。高等教育の無償化は、2020年4月より、授業料などの減免と返済不要の給付型奨学金の支給が行われるようです。

文・しのむ 編集・しらたまよ イラスト・はなめがね

※2018年5月に公表された「幼稚園、保育所、認定こども園以外の 無償化措置の対象範囲等に関する検討会 報告書」を元に執筆しています

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