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トマトを生のまま食べるのは損?抗酸化作用の高いリコピンの吸収率を高めるには「にんにく」「玉ねぎ」「油」を加えて加熱することがカギ

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赤くて丸いトマトは、切ってすぐ生で食べられる手軽さから食卓によく並び、お弁当にも重宝する野菜の一つですよね。トマトに含まれる「リコピン」は抗酸化作用が高くて体にいいと言われていますが、料理の仕方によっては栄養素であるリコピンの吸収率をさらに高めるのだそう。

名古屋大学とカゴメ株式会社が行った共同研究によると、あるものを加えて加熱調理すると、リコピンの吸収率が大幅にアップすることが分かりました。今回は健康や美容にもいいリコピンの効率のいい食べ方をご紹介します。

「にんにく・玉ねぎ」を入れて「油で加熱調理」をすると体内吸収されやすい形に

リコピンの構造には大きくわけて「トランス体」と「シス体」の2種類があります。さまざまな研究からリコピンは「トランス体」よりも「シス体」のリコピンのほうが体内に吸収されやすいことがわかっています。市販されているトマトに含まれるリコピンの多くは「トランス体」であるため、 生のままでは体内吸収性が低いのです。

そこでカゴメと名古屋大学は共同でトマトに含まれるリコピンを「トランス体」から「シス体」に変化させる技術を研究し、さまざまなメニューで、トマトと一緒に使用されている野菜が、リコピンのシス体への変化に与える影響を比較。共同研究の結果、「にんにく・玉ねぎ」を入れて「油で加熱調理」をすることで、「トランス体」のリコピンが「シス体」へと変化(シス化)することが、新たに判明したそうです。

図1.野菜がリコピンのシス体への構造変化に与える影響過去の研究でも、「油と一緒に加熱調理をする」ことが、シス体への変換を促進することは実証されていました。今回は、「にんにく・玉ねぎ」といったユリ科野菜と一緒に、「油と一緒に加熱調理をする」ことが、トマトに 含まれるリコピンの「シス化」をより一層促すことがわかったのです。また、にんにく・玉ねぎを加熱調理するときに発生する香り成分「ジアリルジスルフィド」が「シス化」をさらに促進することも判明しました。

図2.リコピンのシス体への構造変化を促進する成分の解明

トマトソースは生のトマトと比べて「シス体」の比率が4倍

トマトとにんにく・玉ねぎを使って料理するものといえばトマトソースが思い浮かびますよね。リコピンの吸収率を高めるメニューとしてはトマトソースを使った料理が最適なようです。実際に、2017年に名古屋大学とカゴメが発表した研究結果によると、生のトマトの「シス体」の割合は8.1%ですが、トマトソースだとその割合は32.5%となり、生のトマトのおよそ4倍になることが実証されています。

リコピンの吸収率を高めるおすすめトマトソース料理

リコピンの吸収率を高めるにはトマトソースを使うといいことが分かりましたが、トマトから煮込んでソースを作るには時間がかかるもの。市販のトマトソースを使えば時短になりますね。市販のトマトソースを使ったレシピ「彩り野菜と鶏肉のトマト煮」をご紹介します。

鶏肉のトマト煮

材料(4人分)

トマトソース 1缶
鶏もも肉 350~400g
玉ねぎ 1/2個
黄パプリカ 1/4個
赤パプリカ 1/4個
ズッキーニ 1本
塩 小さじ 1/3
黒こしょう 少々
オリーブ油 大さじ 1

作り方

1. 鶏肉は一口に切り、塩・こしょうをふる。玉ねぎ は2cm角、パプリカは2~3cmの乱切り、ズッキー ニは1cm幅の半月切りにする。
2. フライパンにオリーブ油を熱し、鶏肉を両面炒め、 野菜を加えて、さっと炒め合わせる。
3. トマトソースを加え、フタをして約5分煮 込む。(材料に火が通っているかを確認し、加熱 時間を調整してください)
4. 塩・こしょうで味をととのえる。

トマトは生でも食べやすいですが、よりリコピンの吸収率を高めるには、トマトソースを使うといいのですね。美容や健康のためにも、ぜひ参考になさってみてはいかがでしょうか。

 

文・山内ウェンディ 編集・横内みか

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