ママ友と「親友」にはなれるのか
ママスタセレクト宛に、こんな執筆依頼を頂きました。
「かけがえのない存在となったママ友がいます。そのママ友とはママ友を飛び越えて親友にと絆を強くしたいのです。しかし子どもたちは別々の小学校へ行くことになり、今のママ友との距離の取り方がわからずもやもやしています」
もう所詮ママ友なんだからと割り切れなくなってしまったという、依頼者のスコスコスコルディさん。
「親友」そう思える友ができるなんて、根暗で友達の少ない私からすれば、羨ましいことこの上なし、です。
しかし「ママ友」と言うワードをインターネットで検索すると、
「ママ友 めんどくさい」
「ママ友 トラブル」
「ママ友 嫉妬」
ネガティブなワードが並びます。世間のイメージからご多分に漏れず、想定の範囲内です。
ママスタコミュニティ「ママ友から親友に発展した人いますか?」からは、
『ママ友に心開いちゃダメ』
『むこうは私を親友と呼んできますが、私は嫌いです』
『なくはないけど、ほぼないよね』
『ありえる。2人いる。私のことを、全くでたらめな噂話と誹謗中傷している奴らと戦ってくれた。今でも思い出すと泣けてくる』
『何かで関係が壊れるときは一瞬です』
皆さんの経験談が並びますが、概ね否定的な意見が多い印象です。
そもそも「ママ友」のカテゴリーとは?
ママ友=子どもが同い年or同じくらいの年齢であり、行動範囲が近い母親のこと。もしくは子どもたちが同じ環境に属している母親同士のこと。
とういう定義がまず成り立ちます。ご自身の時間に余裕のあるお母さま方が「この前、お友達と日帰りで旅行へ行ってきたのよ~」的な、軽い「お友達」の響きに似ています。人によって「友達」の定義は様々ですが、大人の場合、「友達」に「お」をつけると、自分と相手との境界線をくっきりと隔てている印象が加わります。
ママ友も「友達」ではなく、あくまで「お友達」と同じカテゴリー。本来なら、ある程度距離の欲しい相手、ということでしょうか。
なぜならば、子どもありきの「友達」だからです。
まかり間違っても ママ友>自分の子ども にはなり得ません。
自分の時間をフルに自分の為に使えた学生時代なら
友達>彼氏 友達>家族
という図式もあり得たでしょうが、家族ができたママには、
自分の家族>ママ友 自分の子ども>ママ友
が私の想像できる限り、至極自然な流れなように思います。
ママ友関係が悪化するきっかけは
そして近くなればなるほど気になる、ママ自身だけではどうしようもない問題が、ママ友間の環境や意識の差を広げます。
同じような環境にいたはずの子ども達。かけっこが早いとか勉強ができるとか、目に見える優劣で嫉妬したりされたり。夫や自分の収入によって、身に着ける物や受けられる教育に差が出ることに悩むかもしれません。また育児に対する方針の違いや、ママの仕事の有無によっても環境の差はどんどん開きます。
そんなママ友との距離の取り方は、あくまで「近づき過ぎないこと」
・気になった時に連絡する
・相手の既読スルーにはスルーする(相手には相手の生活があることを自覚して、気にしすぎない)
・時々会ってみる
・でも相手の反応が鈍ければ「また今度ね」と、次に相手が誘ってくれるのを待つ
環境の差がありすぎる者同士の友人関係は、きれいごと抜きで非常に難しいものです。
ではやはり、ママ友は親友にはなり得ないのか?
いいえ、なり得るでしょう。
学校を卒業して結婚して環境が変われば、おのずと物理的な距離は離れます。それまで親友だったはずの友が離れていって音信不通になってしまい、思い出の中だけの親友になってしまうことは多々あります。
女性の人間関係は男性に比べれば高度なコミュニケーションの力が要求されます。それがゆえに「女性はムズカシイ」とよく言われるわけです。が、裏を返せばその高度な人間関係を度外視してもたとえ離れていても、「あの子は今頃どうしているのかな」と時折連絡してみたり、久しぶりに会っても話が弾んだりできる「親友」という人が貴重になってくるのではないでしょうか。
育児をしていると、それまで数十年培ってきたはずの価値観を根底から覆し、時として全否定するかのように次から次へと課題が突き付けられます。愛しているはずの子どもや自分自身を否定したり全てを投げ出したくなったりしたときに、同じように悩みを共感したり助け合ったりしてきたママ友は、間違いなく「戦友」「同志」です。
今回執筆依頼を下さったスコスコスコルディさんの場合、子どもは別々の小学校へ行くことになり距離感がわからないとのことでしたが、そのままでいいのです。その少し離れた距離感があるからこそ、無駄な嫉妬や環境の差を感じることなく接することができるかもしれません。
親友=いつも一緒にいる友達
という意味でしたらそのママ友さんとは今後継続は難しいかもしれませんが、
親友=心の友
とすれば、スコスコスコルディさんのご友人とは今後、親友として付き合い続けることができるかもしれません。
大人になってから、大事だと思える人に出会えることは、とてもステキなことだと思います。スコスコスコルディさん。そのママ友とお互いに、末永くお付き合いできる、唯一無二の存在になれるといいですね。
文・桃山順子 イラスト・マメ美
関連記事
※「人見知りや年代の違いで話ができない……」専業主婦がママ友を作る方法とは- 参考トピ (by ママスタコミュニティ)
- ママ友から親友に発展した人いますか?