安めぐみ:第2回 早い段階から「結婚するんだろうな」と感じた、落ち着く相手でした
初めて出会ったのは安めぐみさんがまだ高校生だったころ。それから10年以上の時間がたち、ようやく進みはじめたふたりの関係。タレント同士の結婚といえばとかく派手なことばかりクローズアップされますが、旦那さま・東貴博さんとの恋はとても穏やかなものだったようですよ。
お仕事以外で会ったのは、そのときが初めてだったんですか?
そうなんです。主人はある芸人さんのお宅でその奥さまと飲んでいたので、そこに合流して4人でいろいろお話しました。プライベートで会ったのは初めてでしたけど、場も盛り上げてくれるし、「この人、おもしろいな」って思いました。お仕事への思いを話す姿も初めて見たので、それまでと見方が変わったかもしれません。その日が楽しかったので、「また集まろうよ」ということになりました。
少しずつ知り合ったことで、「よかったな」と思えることはありますか?
人柄をもともと知っているので、安心感はすごくありました。でもお互い何も思っていなかったのに、10年以上してそんな流れになることもあるんだなって……。私の中ではまるで思っていなかったことなので、自分でもびっくりでしたね。普通は付き合いはじめて相手を知るうちに「あれ?」みたいな違和感も出てくると思うんですけど、なんとなくわかっていたのでそれはなくて。すごいときめきを感じるというよりは、「一緒にいると、落ち着くね」というのがありました。
「彼のことを考えると、胸が苦しくて」というような激しい感情は?
残念ながらそこまではなかったです(笑)。ただ、結婚する相手ってそういうものかな?とも思うんです。プライベートで一緒に遊ぶようになってからは、早い段階で「たぶん結婚するんだろうな」ってなんとなく感じていましたし、向こうもそれは同じだったみたいです。
タクシー待ちをしているときに彼の背中を見ながら、ぼんやりそんなことを思っていたことがあるんです。そしたら突然振り返って「なんか、俺、めぇ(安さんの愛称)とずっと一緒にいるような気がするんだよね」って。「私も同じこと、思ってた」って答えたんですけど……。
ドラマだったら、派手なBGMが流れそうなシーンですね!
まったくなかったですね(笑)。なんだか静かな盛り上がりというか。
安さんに結婚願望はあったんですか? 当時は「理想のお嫁さん」と言われていましたが?
もちろん嬉しくはあったんですけど、「間違いじゃないのかな?」とはずっと思っていました(笑)。行く先々で「理想のお嫁さん」と呼び込んでいただくんですけど、そんなにきちんとしてもいないし……と。ありがたさと同時に、ちょっと申し訳なさもついて回っていましたね。
強い結婚願望があったわけではないんですけど、子どもが好きだったので30歳までには結婚したいなと思ってはいました。実際に入籍したのが、20代最後の日なんです。次の日が私の30歳のお誕生日だったので、希望はかないました。
当初から結婚を意識していたのなら、付き合いはじめてからプロポーズまでも早かったのでは?
いえ、けっこう長かったです。私自身”20代はお仕事をがんばる”と決めていたこともあって、交際はしていても「いずれできたらいいね」と。それがずっと変わらぬままだったというか。
「本当にこの人でいいのかな?」とか、気持ちが揺らぐこともなく?
うーん? ま、細かく振り返れば、いろいろありますけどね(笑)。
ケンカをしたり?
お付き合いしてから、最初の頃は小さなケンカはありましたが、あまり多くはなかったです。びっくりしたのが12歳年上なので包み込んでくれる感じかと思いきや、意外とそうではなくて。チャキチャキしているし口も悪いので(笑)、驚くことは多かったですね。あまりほめたりもしない人なので、そこにも最初は驚いていたんですけど。少しずつ理解していった感じです。
プロポーズはどんな感じだったんですか?
当時私が飼っていたウサギの「ミミくん」がいたんですけど、ある日私が仕事から帰ったら、見たこともないような洋服を着せられていたんです。興奮して走り回っていたんですけど、「ちょっとつかまえてみて」と言うのでわけのわからないまま必死で追いかけて。ようやくつかまえたら、その洋服のリードをつける金具のところに指輪が引っ掛けてあって……。息切れしている私に「そういうことだから」って。そのあと手紙を渡されて、中を読んだら「結婚してくれて、ありがとう」と書いてあったんですよ。
「してくれて」? OK前提のお手紙だったんですね(笑)。
そうなんです(笑)。ただ、そのときはもう結婚するつもりだったので「あ、そうなのか」と思いました。
「そんなプロポーズってあるの?」と、びっくりするようなサプライズ。我が道を行く東さんのペースに翻弄されつつも、しっかり乗っかっているところにおふたりの相性のよさを感じます。
次回もファンの期待を裏切らない(?)東さんのびっくりエピソードが飛び出しますよ。お楽しみに。
取材、文・鈴木麻子 撮影・山口真由子