子どもが世界一幸せな国・オランダ流「イヤイヤ期の対処法」
イヤイヤ期の子どもに向き合うパパやママ。毎日大変なのは世界中どこでも共通のようです。筆者が住んでいるのは、2013年のユニセフ「子どもの幸福度」調査で1位になった国、オランダです。首都アムステルダムにはいろいろな国の人がいますが、筆者がよく行く公園で、スーパーで、保育園の前で、2歳くらいの子がかんしゃく、大泣きしているのを見かけます。
イヤイヤ期の子どもにどう接したらいいか、パパもママも困り果ててしまうことってありますよね。
オランダの保健所が発行する育児ガイドには、こんな4つの対処法が紹介されています。
言葉で諭しても子どもは聞いてくれない。どうしたらいい?
子どもがやっていけないことをやったとき、言葉が理解できるようになってきたからといって、長々と言葉で説明して注意するのは逆効果。子どもはいつも親に関心を持ってもらいたいのです。延々と怒る親の態度は、親の注意を引くことに成功したと子どもに思わせてしまいます。短い言葉で伝えることが大切。
外出中、子どもの行動に歯止めがかからない。どうしたらいい?
外にいる時はいい子にしていてほしいから、家にいるときより厳しく注意していませんか。やっていいことと悪いことの区別、親がブレてしまうのはよくないことです。時や場所によって、親の言うことが違うと子どもは混乱してしまいます。いつも同じように簡単なルールを子どもに伝えましょう。
ダダをこねてかんしゃくを起こして、修羅場になってしまう。どうしたらいい?
子どもと争うことはできるだけ避けるべき。そのためにはルールはできるだけ少なくしなくてはなりません。子ども自身の安全のためにやってはいけないこと、周りの人に迷惑をかけないためのルール、子どもとの約束ごとはできるだけ簡単にしましょう。
「じぶんで!」が激しくて、親が手を出せない。どうしたらいい?
まずはやりたいようにやるチャンスを子どもにあげましょう。自分でやりたいという子どもの気持ちに付き合うことが必要です。でも、無制限にやりたい放題では親も大変。そういう時は少し大人が先回りするとうまくいくこともあります。
選択肢を2つ出してどちらがいいか子どもに聞きます。自分で選ばせてあげると子どもは納得することが多いです。
日本と同じ?イヤイヤ期克服に王道なし
「そんなこともう知ってる!」
「自分がやっていることとほとんど同じかな」
と思ったママも多いかもしれません。日本でも海外でもイヤイヤ期への対処方法は結局あまり変わらないということかもしれません。イヤイヤ期克服に王道なし、というところでしょうか。
「あれもやらなきゃ、これもすませないと!」と家事に追われる生活で、子どもの「イヤ!」や「自分で!」に付き合うためにどうしたか。筆者は、自分にとって、子どもにとって、無理はしない、ということだけ気をつけました。
何をするのも今までの倍以上時間がかかるつもりでいる。子どもは時々制御不能だから、予定をたくさん入れないようにする。子どもが騒いで迷惑がかかるような所には出かけない。子どもの食事を先にさせて自分はいつも後。電話やメールは子どもが寝ている時にまとめて。家事はいつも後回し、というよりむしろ徹底的に手抜き。
家が散らかったままでも、洗濯物が畳めていなくても、夕食の献立が1品減っても、大丈夫かも、なんて筆者は思うようになっていました。成長していく子どもの気持ちにいつも寄り添ってあげられるといいですね。
子どものイヤイヤ期が過ぎてもママの手抜きは今も変わらず健在! というのは筆者だけかもしれませんが。
注・本文の内容はオランダの育児ガイド(Groei Gids ※英語版)を筆者が再構成しています。
文・野口由美子 イラスト・マメ美