電車マニアの子こそチャンス! 数字に強い子の共通点 #ママが知りたい子どもの教育
子どもに「算数の力」をつけさせたいと思ったとき、ママとしてどんなことをしてあげられるのでしょうか。「算数の好きな子にはある共通点があります。物の数を数えることです」と語るのは「花まる学習会」の代表、高濱正伸先生。ただし、無理にやらせるとかえって算数嫌いになってしまう可能性があるといいます。詳しくお話を伺いました。
「電車の台数を数える」ことが好きな子ども
以前、算数オリンピックで優勝した人が言っていた話です。その人はとにかく数えることが好き。小さい頃、目に見えるものはなんでも数えていたそうです。僕も、何万人もの子どもたちを見てきて「算数が好きな子は、物の数を数えるのが好き」ということを実感しています。とくに電車好きな子が多く、電車が何両編成なのかにすごく興味を持っているようです。「来た! 1両、2両、3両……全部で8両編成だった。次に来るのは何両編成なのかな?」と、わくわくして数えるんです。ママからしたら「乗れればいいや」という感じでしょうけどね(笑)。
なにがいいたいかというと、算数が好きな子は数のボリューム感に対して非常に興味を持つのです。
「数えてごらん」は逆効果
ここで1つ注意したいのが、無理やりやらせないということ。「数を数えると子どもの算数力は伸びますよ」というと、何人かのママたちはおはじきなどを持ってきて、子どもの前に広げて「数えてごらん」というのです。
これは子どもにとっては逆効果です。全然おもしろくない! 大事なことは「自分が数を数えることが好きだから数える」ということです。無理やり数を数えさせたって大して伸びません。
では、どうやって好きにさせるかというと、子どもが好きなものを数えることが1番です。車が好きな子だったら車の台数を数える、ぬいぐるみが好きな子だったらぬいぐるみを数える。本が好きな子は図書館にある絵本の数を数えるのでもいいですね。
生活の中で数に触れる機会を増やす
もう1つは、生活の中にある数を数えてみることです。たとえば、スーパーでみかんを2袋買ってきたとします。ママは「兄弟でケンカしないように数えて分けてね」といいます。みかんを食べたい子どもは、ミカンの数を数えるでしょう。
子ども「1、2、3……みかんは全部で23個あったよ」
ママ「ありがとう。23個ね。そしたら1人何個ずつわけられるかな。パパ、ママ、あなたとお兄ちゃん、お姉ちゃんがいるよね」
子ども「1人4個ずつだった。ママ、3つ余ったよ」
ママ「ありがとう! いいことに気づいたね。それは23÷5=4 余り3個ということだね」
と伝えてあげます。
子どもは「みかんを家族みんなで平等にわける」というミッションを通して、算数の計算をするときの「余りのある割り算」を理解できるようになります。「子どもの好きなものを数える」「生活の中で数に触れる機会を作る」ことで、算数の基礎が育まれていきますよ。
取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶