毎日の料理を通して身につく、5つの算数力とは #ママが知りたい子どもの教育
毎日、家族のためにとママが一生懸命作っている「料理」。料理を通して子どもの算数の力を伸ばすことができること、知っていましたか? 花まる学習会の松島伸浩先生の『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』の一部をご紹介します。
料理を通して身につく5つの力とは?
「料理は算数の学習に役立つことばかり。低学年のうちは、料理のお手伝いなどを通じて数や量に対するボリューム感を身に着けておくと、その後の学習に役立ちます。毎日仕事で忙しいママは、週1回でもいいので、子どもと一緒に料理をする時間を作ってあげてほしいと思います」(松島先生)。親子で料理をすることで、どんな力がつくのか気になりますね。5つあるので順番にお伝えしていきます。
1、お皿やクッキーを使って「数えあげ」の練習
数の基本となるのが「数えあげ」。お皿やクッキーなどのお菓子を使うことで、実物と数字を1対1に結びつける数え方の基本を学べます。声を出してキッチンにあるお皿やコップを数えることで、目の前のお皿1枚が数字の1と同じということを子どもが認識するのです。「この箱の中にある10枚のクッキーを家族全員、同じ量になるように配ってね。何枚ずつ配れるかな。あまったクッキーは何枚かな」と質問することで、割り算やあまりの概念につながるのです。
2、料理の中には「単位」がいっぱい登場
料理をするときに出てくるのが、何g、何㏄、何㎝、何分などの単位。「軽量カップで100mlを測ろう」「砂糖を30g必要だね」「ニンジンは1㎝角に切ってくれる」など、料理の中には算数で習う単位がたくさん出てきます。たとえば計量カップで100mlを測って、冷蔵庫にある1Lのペットボトルなどと比べることで、算数の問題を解くときに「量」の違いをイメージしやすくなります。
またゆでたまごを作るときには、キッチンタイマーをセットするのがおススメです。時間の感覚も身につくようになりますよ。
3、ピザを食べながら「分数」を考える
割り算や分数の基本的な考えが分からなくて、つまづいてしまう子どもたちはたくさんいます。「1枚のピザを8等分して、その中の1枚だから8分の1になるよね」と説明してあげれば、分数の仕組みを学ぶことができます。またほかには「みりんと酢を1対3で混ぜる」など、調味料は比の学習にも役立ちます。
4、食材を切ることで「図形」を学ぶ
豆腐、ゆで卵、ソーセージなど、いつも使う食材を包丁でカットしてみると、いつもとは違った形に見えるかもしれません。「豆腐はまっすぐ切ってもそのままでも四角いけど、卵は横に切ったら円だけど、縦に切ったら楕円形」など形の変化に気づきます。図形に興味を持つキッカケになるのです。
5、料理をすると処理能力が格段にアップ
野菜を洗って、次は包丁で切って、炒めて、調味料を加えて……など、料理は次から次へとやることがいっぱい。また煮込んでいる間に次の食材を用意するなど、複数のことを同時にやらなければいけないこともあります。料理を通して段取りを学ぶことで、面倒な計算問題や文章問題など処理が連続する算数に必要な力を身に着けることにつながるのです。
毎日の料理の時間を通して、子どもと一緒に算数の基礎について学べます。毎日の料理の時間を子どもの算数力アップの時間に使っていけたらいいですね。
文・長瀬由利子 編集・北川麻耶