「赤ちゃん、泣いても大丈夫だよ」の気持ちを伝えるアプリ「ひよこボタン」とは
「バス内でぐずる赤ちゃんがいた時、車内で「ぴよぴよ」と音が聞こえた」というツイートが話題となっています。
ぐずる赤ちゃんがいるバス内で、ひよこの鳴き声が聞こえる……? いったいどういうことなのでしょうか?
この文だけでは思いもよりませんが、実はこの一件、ジャニーズのアイドルグループ・V6のメンバー、井ノ原快彦さんがキーマンとなっているのです。
V6イノッチが『あさイチ』で発案、ひよこボタン
井ノ原さんが司会を務める朝の情報番組『NHK あさイチ』(NHK総合)にて、2016年10月19日に「気をつかいすぎ?社会」という特集が放送されました。内容は、マタニティマークを付けづらいと感じる妊婦さんや、子育て世代が細かなところで気をつかって疲れてしまう、といったことです。
赤ちゃんや小さい子どもを育てているパパやママは、神経がすり減ってしまうほど、赤ちゃんの泣き声や子どもが出す音に気をつかっています。特に周りの方に迷惑をかけていないか、冷たい目で見られていないか、とても気になるもの。
この日、2児の父でもある井ノ原さんがある提案をされます。
「飛行機とか電車とかに、”ひよこボタン”というものを設けておくんですよ。子供が泣いたら、みんな”ひよこボタン”を押すんですよ。ピヨピヨ、ピヨピヨって。それはもう、『ぜんぜん大丈夫よ』というしるし。『どんどん泣きなさい。子供は泣くのが仕事ですよ』というボタン」
(HUFFPOST [V6井ノ原さん「電車に”ひよこボタン”を」 子育てに優しい社会を提案]より引用)
赤ちゃんが泣いたら、「ひよこボタン」を押す。それは周りの方から子育て中の親子への温かい見守りのしるし。
この案に共演者からは共感の声が上がります。視聴者の間でも実現すればいいのにという声が上がった……と思ったら「ひよこボタン」はあっという間に実現しました。
スマホアプリを作った方が現れたのです。
想いに賛同した「ひよこボタン」アプリ
最初の「ひよこボタン」が数日後に公開されたのを皮切りに、2017年6月30日時点では、Android用に5本、iPhone用に2本も公開されています! こんなにも数があるのですね。
試しにiPhoneにて、MELTING POT, LIMITED LIABILITY CO. さん作の『Hiyoko-Button -ひよこボタン』を使ってみました。
「ひよこボタン」を押すと、すぐに「ピヨピヨ」と鳴るシンプル機能。アプリを起動したときにも鳴ります。犬と猫の鳴き声ボタンもありました。
泣き出した赤ちゃんと、あやす親を温かい目で見守りたい。でも睨んでいると思われても困るので、結果的に知らないふりになってしまう。そんな状況にモヤモヤしている人の背中をそっと押してくれるアプリではないでしょうか。(ちょっと勇気がいりそうですけどね。)
最初にご紹介したツイートは、ぐずる赤ちゃんの周りの誰かが、いずれかのアプリを使って、「大丈夫だよ」という優しいメッセージを発信した、ということでした。
子連れの方に気をつかわせないためのボタン「ひよこボタン」を発案した井ノ原さん、井ノ原さんのアイディアに賛同してアプリを製作した開発者のみなさん、そしてそのアプリを実際に使った人。皆さんのそれぞれの勇気と行動力に、心から感服いたしました。この素敵な取り組み、広がっていくといいですね。