ベランダ、家具の転倒……家の中の安全対策は大丈夫?【朝ごふんコラム】
しっかり対策しているはずなのに、なぜか絶えない家庭内での事故……。今回は、読者のみなさんから寄せられたアンケートを元に「家の中の安全対策」について考えます。解説してくれるのは、小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生です。
ベランダの踏み台対策は6割実施、だけど……
家の中の安全対策としては、「ベランダや出窓のそばに踏み台となるような物を置かない」ことを意識している人が6割、「引き出しや戸棚にチャイルドロックをつける」という人が4割という結果になりました。しかし、窓やベランダに安全柵やネットをつけている人は1割弱。家庭内での安全対策は、万全とは言いがたいですね。
「知っている」だけはキケン! 今すぐできる安全対策3カ条
ここで改めて部屋の中の安全対策について、見直してみましょう。
1.子どもをうちの中に一人にしないこと
2. ベランダに踏み台となるものを置かない
3. 窓や階段にネットなどの転落防止対策を行うこと
どれも、さまざまな場所で何十回も目にしていることだと思います。にもかかわらず、家庭内での事故が絶えないのは「知っているけど実行していない」ことが多いからではないでしょうか。
まだ寝返りをうてないから、昼寝のときはいつも決まって2時間寝るから、テレビさえつけておけば1人でおとなしく見ているから……そんな理由で、少しの間でも子どもを部屋に残して出かけていませんか。
これが事故の元です。「いつもは大丈夫だったのに……」と後悔することがないよう、安全対策は必ず実行してください。それが子どもを守ることにつながるのです。
ベビーベッドからの落下、テレビの転倒に要注意
ママスタ朝ごふんアンケートの回答を見て気になるものについて、いくつか解説していきます。
『転落防止のためにベッド柵をつけたのに、1歳3カ月の息子は乗り越えて、頭から落下。幸い下で父親が寝ていたので、大事にはいたらなかった』
ベビーベッドの使用は、製品にもよりますが、生後5ヶ月ぐらいまでと覚えていてください。それくらいの時期になったら子どもが一人でベッドからの落ちる危険が出てくるからです。もしベビーベッドから転落した場合は、頭部外傷のリスクが高くなります。赤ちゃんを寝かせる場所としては、できれば床に布団を敷くなどして高い位置からの転落防止対策をした方がいいですね。もし、大人用ベッドに子供と一緒に寝るときは、ベッドの下にマットを敷くなどの対策が必要です。「寝ているから大丈夫」と思って目を離したときに限って目を覚まし、子どもはお母さんを探して転落することがあるからです。
『子どもが薄型テレビを引っ張り、子どもが下敷きになりそうになりヒヤッとした』
薄型テレビの事故、これは本当に危険です。薄型といっても画面が大きいので、もしも子どもの上に倒れてきてしまった場合、大きな怪我につながります。子どもが触って倒してしまう可能性がある場合は、手の届かない位置の壁にかけるタイプのテレビにしてはいかがでしょうか?もしくは、テレビを家に置かない!という究極の選択肢もありますよ。
『アパートの2階に住んでいます。出かけるときに玄関のカギを閉めていると、子どもが走り出してしまいました。追いかけると、かえって喜んで走り回り、階段から落ちてしまいました』
こういう場合、子どもを引き止めるのに「危ないよ!」と声をかける親御さんが多いと思いますが、基本的に、3歳未満の幼い子どもにはとっさの危険予知能力はあまりありません。そのため「危ないよ!」という言葉をいくらかけたとしても、子供は理解できないことも多いのです。こういうときは鍵をかけるときも、子どもの手を離さず、「ママから離れると階段から落ちから、一緒に行こうね」と伝えるといいでしょう。
もちろん危険が迫っていることをしっかり教えてあげることは大切です。しかし、「危ないよ」は魔法の言葉ではありません。
「朝ごふんコラム」アンケートから見えてきた家の中の安全対策。まだまだ安全対策が万全だとはいいがたい状況ではありますが、このコラムを通して気をつけたり、見直していくキッカケになればと思います。また、家庭内で起こる事故にも「トレンド」があります。新しく登場した育児グッズなどを使っていて、万が一、ケガや事故をしたという場合は、直接消費者庁に連絡をしてください。それが次の事故を防ぐ第一歩となるのです。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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