内閣府発表の「おとう飯(はん)」キャンペーン、目的は?
先日、政府が始めた「おとう飯(はん)」キャンペーン。父親が作る簡単な料理を「おとう飯」と名付け、子育て世代の男性に料理を促すことを目的としています。
内閣府の発表によれば、日本で6歳未満の子どもを持つ夫が、家事・育児に関わっている時間は、平成23年の時点で週平均1日あたり67分。これは、欧米諸国と比べて短い……どころか、先進国中最低の水準です。政府は平成32年にこの67分を2時間30分にすることを目標に掲げており、今回の「おとう飯」キャンペーンも、こうした男性の暮らし方や意識を変革しようという取り組みのひとつとのことです。
『これまで料理なんかできないと思っていたあなた、
立派な料理を作らなければいけないと思っていたあなた。
いいんです。
“おとう飯”ならいいんです!
簡単に、手間を掛けず、
多少見た目が悪くても美味しければ、
それが“おとう飯”。
美味しいと言ってくれる、家族の笑顔をみてみませんか!!
自分自身にも新しい発見があるかも・・・』(内閣男女共同参画局「“おとう飯”始めよう」キャンペーン)
これが発表された「おとう飯」キャンペーンの告知文ですが、ネット上では、今回の「おとう飯」キャンペーンに対して賛否両論の声が上がっています。
「『“おとう飯”ならいいんです!』って、“おとう飯”なら簡単で見た目が悪くてもよくて、“おかあ飯”は見た目も綺麗で手間暇を掛けた、立派な料理を作らなきゃダメってこと?」「男女関係なく、手を抜いて簡単な料理でもいいんだよと言ってくれたら……」「食事を作って終わりじゃなくて、“食材管理や後片付けも料理のうち”だということを忘れないでほしい。そうしないとかえって妻の負担が増えるだけ」という批判が相次いでいます。
「形はどうあれ、夫が家事に参加するきっかけを作ってくれるなら」「料理へのハードルが下がるのはいいこと」というふうに、このキャンペーンを評価する声も少なからずありますが、そもそも夫に足りていないのは、料理を上手に作る“技術”ではなく、家で料理をする“時間”なのではないかという意見も……。
ただ「料理をしてみよう!」と言うだけではなく、残業時間を減らしたり、あるいは有給休暇や育児休暇をしっかり取れるように制度を整えたりするなど、現状に合った働きかけをしてほしいですよね。このあたりは、プレミアムフライデーやキッズウィークの場合と同じく、母親たちの「政府は現状が見えていない」という実感が伝わってきます。
みなさんは今回の「おとう飯」キャンペーン、どのように感じられましたか?
文・伊東杏奈