子どもの事故は○歳に急増!小学校入学時に気をつけるべきことは?【朝ごふんコラム】
桜の花がほころびはじめ、4月からの新しい生活にドキドキ、ワクワクしている子どもたち。保育園や幼稚園への入園であれば親子で一緒に通うためそれほど問題はないと思いますが、小学校への入学を控えたお子さんをお持ちのご家庭では、今のうちから準備が必要です。今回は、小学校入学時の事故についてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお話をお伺いしました。
入学後の7歳(特に男の子)の飛び出し事故が多発!
実はこの時期、交通事故がすごく増えます。とくに7歳の子が事故に遭う確率は高く、平成23年から27年の歩行中の交通事故の死傷者数を年齢別にみると7歳が圧倒的に多く、その数は4年間で1,462人となっています。
さらに、20歳~60歳では600人前後、65歳以上は800人前後で推移していることをみても、7歳児の死傷者数は圧倒的に多いことがわかります。実に成人の2.5倍、65歳以上の高齢者の約2倍もの確率で事故に遭っているのです。(※1)
塾や公園への行き帰り時に要注意!
事故は自宅から500メートル以内で多発しています。ちょうど学校や近所の公園、塾などに行くくらいの距離なのではないでしょうか。
7歳に多いというのは、小学校入学したばかりの子から学校に慣れてきた2年生くらいの子が事故にあいやすいことを示しています。
朝の登校時間帯もそうですが、学校から帰ってきて夕方薄暗くなった塾の行き帰りに、事故に遭うことが多くなるようです。塾帰りの子がお母さんの姿を見たことで飛び出してしまったというケースもあります。
男の子が事故に遭う確率は女の子の約2倍!
男の子と女の子と比べると、事故に遭う確率は男の子のほうが2倍も多くなります。登下校、遊戯・訪問、買い物・散歩・観光・ドライブ、その他の場面で見ても、男の子の死傷者数は女の子の約2倍です。
男の子が突然走り出すのは、生き物の特性ですから止められません。
そんな走り回る子どもたちを守るためにも、もし危ない場面を見かけたら、我が子でなくても注意をしてあげてください。危ない場面に遭ったとき、間髪入れずその場で注意することで、次に起こるかもしれない事故を防止することができるのです。
時間帯、曜日を変えて親子で歩いて確認
お母さんたちにお願いしているのは、小学校に入学する前に子どもと一緒に何度も歩き、「ここはこんなことに気をつけてね」と危険箇所を確認することです。
「これまでも保育園や幼稚園まで毎日、自転車や車で通っていた道だから大丈夫だろう」と思うのは危険です。必ず子どもの足で歩かせて、危ないと思うポイントを頭の中にいれさせる必要があります。
幼稚園の隣に学校があるところも多く、慣れているからと安心している方も多いと思います。しかし、これだけデータで「7歳の事故が多い」と出ていますので、必ず一緒に歩いて安全性を確認してください。
とくに事故の75%は朝から日中に起きていて、夕方も合わせると、発生率は93%にもなります。また、事故は土日よりも平日起こりやすい傾向にあります。つまり、平日、子どもたちだけでいる時間帯にこそ事故は多発しているのです。
通学路に慣れてきた2年生も気を抜かないように
1年生だけではなく、学校生活に慣れてきた2年生も注意が必要です。慣れた道だからという安心感もあり、友達とふざけているときについ道に飛び出してしまった、ちょっとしたことから競争になり横断歩道に飛び出してしまうということもあります。
なので、1年生はもちろんのこと2年生以降のお子さんにも「ここは車が多い道だから、必ず道路を渡るときは、右左右を見て渡りましょう」という、具体的な声かけが毎朝必要です。
ハンドルを握る運転手こそ注意が必要
一般のドライバーだけでなく、ドライバーとなるママたちも、十分に注意をしてください。通学時間帯はもちろんのこと、習い事への送迎時は、子どもの飛び出しが多発します。さらに薄暗くなる時間帯は人の姿を認識しにくくなります。いつもより速度を落とし、横断歩道のない道こそ注意を払って運転してください。
まもなく入学を迎えるお子さんたちは、不安と期待で胸をドキドキさせている時期だと思います。親子で一緒に登下校の練習をすることで自信をつけて、4月からの新生活をすたーとさせてあげたいですね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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