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転んだときに歯ブラシにかかる力は80㎏。子どもの歯磨き事故で気をつけるべきことは?【朝ごふんコラム】

※2018年5月時点の情報です。

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歯磨き中、子どもが歯ブラシでケガをする事故は、東京都(稲城市、島しょ地区を除く)だけでも、平均で年45件も起きています(東京消防庁調べ 平成23~27年の平均)。なかでも多いのが1歳~2歳の子による事故。1歳児で全体の約半数、2歳児を含めると75%にもなります。事故の起きた現状と防ぐポイントについて、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の大野美喜子さんに伺いました。
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実際の事故はどのように起きている?

食事後、きちんと歯をみがくことは大切ですが、気をつけないと思わぬ大事故につながります。実際に起きた事例をみてみましょう。

『1歳9か月の男の子が、歯ブラシを加えたまま母親のそばに駆け寄り、勢いよく背中に抱きついた。泣いて痛がる子どもの口腔内をみると、歯ブラシの先端が右頬粘膜に突き刺さっていた』

『4歳の男の子が歯ブラシを加えたままソファの袖の部分(高さ50㎝)のところに立っていた。母親が泣き声に気づいて振り向くと、歯ブラシを口に加えたまま、フローリングの床にうつぶせに転倒していた。仰向けにしたところ、歯ブラシの柄の部分が見えていて、男の子はうなっていた』

参考:「Injury Alert(傷害速報)」

歯磨きは「床に座って」を習慣に!

ママスタで行った「朝ごふん調査結果」によると、1066人中約8割のママたちが「歯磨きをするときは近くで見守っている」と回答しています。しかし約3割のママたちが「立ったまま歯磨きをさせている」と回答していました。

万が一転んでしまったときの衝撃を少しでも減らすため、座って歯みがきをすることを習慣化しましょう。

転び始めて床に着くまでわずか0.5秒、歯ブラシにかかる力は約80kg

床に座って歯磨きをしていても、場合によっては兄弟がぶつかることもあります。万が一子どもが転んでしまった場合、転び始めてから実際に床に倒れるまでの間は、わずか0.5秒。そのとき歯ブラシにかかる力は約80㎏にもなります。ほんの一瞬の間に大事故につながる可能性があるのです。そのため、子どもの歯磨きのときには、必ず事故予防の対策が施された歯ブラシを使ってください。

事故予防のための歯ブラシとは?

「朝ごふん調査結果」によると、「事故予防の歯ブラシ」を実際に使っているママたちは2割弱と低く、まだそれほど浸透していないことが伺えます。

乳幼児用の歯ブラシとしては、
・先端部分は柔らかく曲がるもの
・持ち手に「つば」がついている
・持ち手がリング状になっている
など事故予防対策が施されたものがおススメです。これを機に子ども用の歯ブラシを見直してみてください。

鉛筆を持つくらいの力で軽く磨くのがコツ

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曲がる歯ブラシは、転んだときにのどに刺さりにくいということ以外にも、メリットがあります。それは適度な力で磨けること。ママによっては、歯磨きをするときに力を入れすぎて子どもの歯や歯茎を痛めてしまうことがあります。また、子どもからしてもゴシゴシ磨かれると痛いので、嫌がって泣きます。

曲がる歯ブラシの場合は、必要以上に力がかかるとヘッドの部分が曲がるようになっているため適度な力で磨くことができるのです。鉛筆を持って文字を書く程度、これくらいの力で磨いてあげると、子どもも嫌がらず仕上げ磨きがラクになりますよ。

歯磨きをするときのポイント

今回のポイントについておさらいしましょう。

・歯を磨くときは床に座る
・転倒し始めてから床につくまでの間はわずか0.5秒
・転んだときに歯ブラシにかかる力は80㎏
・事故予防対策がされた歯ブラシを使う
・仕上げ磨きは鉛筆を持つ程度の力で軽く磨く

家事に忙しいママも、子どもが歯を磨くときはいったん手をとめて、親子で一緒に床に座り、楽しく歯磨きできるといいですね。

「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとってほしい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
生活に役立つ記事は『朝ごふん』ページで読むことができます。ぜひご覧くださいね。

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※平成30年5月21日(月)~5月27日(日)は「子どもの事故防止週間」です。

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