<ネタバレ注意>『じゃあ、あんたが作ってみろよ』ついに最終回!勝男と鮎美、別れの続きは…?

今クールのドラマで1番の盛り上がりを見せた、と個人的に言っても過言ではない『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS火曜よる10時)。ふたりの最後の決断にママスタコミュニティも賑わった、最終回の第10話を振り返ります!
「困ったら言って」の裏側にあるもの
第9話で受付の仕事を辞めた鮎美(夏帆)は、飲食店で調理の仕事をするために、就職活動中。なかなかうまくいかない鮎美に、面接の受け方を教えたり、手の込んだ食事を作ったりと尽くす出勤停止中の勝男(竹内涼真)。そんななか印象的だったのは「困ったら言って」という勝男に対して、「大丈夫、困ってない」という鮎美の姿でした。それも何回か出てくるこのやりとり。鮎美が勝男に「困ったら言って」と声をかけるシーンは、「困ったときは、話を聞くよ」という対等な相手に向かっての言葉なのに、勝男が鮎美に向けるそれは「俺が守るから」というニュアンスが。それは愛ゆえ、なのか、「男として」が抜けないのか……。
さらに勝男は、「無理しなくていいから」「この家に鮎美が戻ってきたら、家賃は俺が払う」などと発言。勝男よ、鮎美は今それを求めていないのでは……。この勝男の様子が、第8話で勝男の家に来た母・陽子(池津祥子)がよかれと思ってあれこれ勝男の世話をしていたシーンと重なります。勝男も陽子に「ひとりで頑張りたい」と言っていたのに。そして決定的だったのは、飲食店勤務の経験がないことから面接は全滅し、太平(楽駆)のバーを間借りすることにした鮎美が、勝男の家でお店の経費を計算しているシーン。「鮎美が困っている」と決めつけ勝手に手伝おうとする勝男に、鮎美は「勝男さん、これは自分でやりたい」「困ってない」と強い口調で伝えます。ふたりのすれ違いが苦しい……。
一方、出勤停止期間が終わった勝男は、出社することに。しかし同じプロジェクトを担当する柳沢(濱尾ノリタカ)との関係は相変わらず。勝男が気にしていた、利用者の声のアンケートも進んでおらず。でもここで転機になったのは鮎美に言われた「困ったら言って」でした。素直に「協力してほしい」と伝える勝男に、柳沢は集めたアンケートを差し出します。それは、同期の南川(杏花)が柳沢に懇願して、一緒に集めたもの。「え、柳沢って南川の同期なの!?」というツッコミはさておき、勝男と柳沢、2人の距離が縮まった瞬間でした。
少しずつでも、人は変わることもある
そして、勝男は、柳沢と準備した“エコサイクルトイレ”のプレゼンでこんなことを話します。
『ひとりひとり生き方が違うこの時代、しっかりとそれぞれの声に耳を傾けることが重要です。時代は変わっていきます。私たちの生活も環境も、少しずつ変わっていきます。その変化に合わせて、必要とされるものも変わっていく。その声に応えるのが、このエコサイクルトイレです』
トイレの説明でめちゃめちゃいいことを言うんです、勝男。ほんの十数年前までは「普通」として受け入れてきたことでも、今では違和感を覚えるようになったこと、たくさんありますよね。時代の変化を実感しているママも少なくないのではないでしょうか。やっぱり時代の変化に合わせて、アップデートしていくことは必要なのでしょう。でも年を取れば取るほど、変わるのには勇気がいるし、「ずっとこうしてきたのに」という思いもあるかもしれません……。変化に躊躇してしまうから、変わる勝男に勇気がもらえたのかも。南川もミナトとの会話のなかで、勝男についてこんなふうに言っていました。
『人って変わらないんだって思ってた。でも海老原さんを見てると、ちょっとだけ希望が持てるんです。少しずつでも、変わることもあるのかなって』
うぅ、わかるよ、南川。鮎美や南川は、当初、相手が変わることを諦めていました。もしかしたら旦那さんが「何を言っても変わらない」と諦めている人もいるかもしれませんね。でも親から受け継いだ「当たり前」を振りかざしていた勝男が、自分で料理をするようになり。自分の好きなことがわからなかった鮎美が、好きなことを見つけ自分の力だけで立つために奮闘し。「ん」とおかわりを陽子に要求していた勝男の父・勝(菅原大吉)が、自分でご飯をよそいにいくようになり。知らず知らずのうちに孫に固定観念を押し付けていた陽子は、本人の望むランドセルを買ってあげられた。
すぐにパッとは変われるわけではないし、失敗もする。けれど不器用にでも少しずつ変わっていく姿はリアルで、だからこそ、自分も変われるかもしれないし、周りの人たちも変わる可能性があるかもしれない、と希望を与えてもらえたのではないでしょうか。
視聴者の意見が分かれたふたりの結末
自分の「鮎美を支えたい」という無意識の押し付けが、「ちゃんと自分と向き合って、自分の足で立てるようになって、それでお店を出したい。今の自分だからできることをしたい」という鮎美の妨げになっていると気づいた勝男。丁寧に言葉を紡ぎふたりの過去を思い出しながら、最終的に「終わりにしよう」と決断します。「俺は前に進む。鮎美を応援する。鮎美はどこまでだって行ける。大丈夫」と告げるシーンには、うるうるしてしまいました。そばにいて支えたい自分の気持ちよりも、本当にお互いのためになる道を選んだ勝男。この結末には、ママたちからも賛否両論のコメントがありました。
ちょっと残念だったかも……
『ハッピー! 多幸感! って感じではなかったな』
『勝男ロスなうえに、最後は納得いかないなぁ(泣)。んもー!』
『もったいないね、あんないい男を振るなんてさ。おばさんになってから後悔しろ』
いい終わり方だった
『泣いてしまった。最後に「ありがとう」と言えるのはいい別れ方だと思う』
『お互いが大人になるってこういうことなんだよねぇ、いい終わりでよかった』
『いい最終回だった。私は満足。でもこの先はきっと、鮎美は自分のお店を持って、そのお店のトイレのことで勝男と再会し、お互い成長して元サヤにっていうスペシャル。なんてことは……ないか』
“再生ロマンスコメディ”という触れ込み通り、ふたりがやり直すことを期待していたママからは、拍子抜けの声も。でも、いつかスペシャルドラマでふたりの続きが見れたりするのかな? とついつい期待してしまいますよね! みなさんはこの結末、どう思いましたか?
文・佐藤さとな 編集・編集部 イラスト・わたなべこ
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- TBS系【じゃあ、あんたが作ってみろよ】火曜 22時