<幼児から性教育>子どもから性の質問をされたら答えにくい?専門家による、実はシンプルなポイント

性教育において多くの親が悩みがちなのが、「子どもからの体や性に関する質問にどう答えるか」ではないでしょうか。幼児くらいの子どもからこういった質問をされるとつい身構えてしまいますよね。しかし体や性に関する質問をされても、ごまかすことなくスムーズに答えられるコツがあります。助産師であり、思春期保健相談士、一般社団法人ココツリー代表理事も務める田中まゆ先生が教えてくれました。
子どもからの純粋な性の疑問、なんて答えたらいいの?
田中先生がおすすめするのは、「質問されたことだけに一問一答で答える」というスタイルです。
一問一答はこんな感じ!
たとえばお風呂で「なんでママのおっぱいは大きいの?」と質問されたら「大人の女の人だからだよ」と答えます。「どうやっておしっこしているの?」と聞かれたら「おまたにおしっこが出る穴があるんだよ」だけでOK。「ママにはおちんちんないね」、「ないよ」、「ぼくにはあるね」、「あるよ」、「おしりはあるね」、「あるよ」などのキャッチボールを積み重ねていくだけで十分なんだそうです。
一問一答がおすすめの理由
一問一答がおすすめの理由は、すべて説明するのは大変であるうえに、説明しても子どもが聞いていないことが多いためです。話の前後に関係なく、聞かれたことだけにピンポイントで回答すれば、会話のキャッチボールを積み重ねていくことができます。
田中先生は実際に息子さんに「おちんちん切ったの?」と聞かれたときには、「切ってないよ」と事実をありのままに答えたそうです。男性の体と女性の体、大人と子どもで種類が違う、良し悪しはないことを伝え、違うところも同じところも目を向けてみる。大前提としてそれぞれの体は大事であること。子どもの疑問に向き合って受け止めることで、さまざまなことを伝えられ、親子間の信頼を育むコミュニケーションにもなるそうです。
幼少期から性教育をするメリットは親にとってもある
田中先生は、「家庭内で性をタブーにしないことで、子どもが何かあったときにSOSを出したり相談できたりする関係性を作れる」と言います。家庭内で性のことを話題にしてもいい、親に相談してもいいという状態は、いざというときも子どもが自分の話を親に受け入れてもらえるという救いになります。
また幼少期から性教育をすることで親にもメリットがあります。それは親が思いつかないような子どものおもしろビックリするような反応をいっぱい見られることです。小さなときから取り組んでおけば、第二次性徴の起こる思春期にも、性のことを親子で話せる土台になるでしょう。一方で「幼児期から性教育に取り組んでいないと手遅れということでは決してない」とも田中先生は断言。「性教育は親目線でも面白い」というくらいで気負うことなく取り組むことが大切だそうです。
「子どもに性教育をしっかり教え込まなくちゃ」と考えすぎて、自分を追い詰める必要は決してありません。ガチガチに準備して厳しく取り組もうとするのではなく、「性教育ちょっとやってみようかな」という親のちょっとした意識で、子どもたちはたくさん学んでくれますよ。
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取材、文・AKI 編集・編集部 イラスト・おんたま
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