元旦、年賀状をポストから取ってくるよう幼稚園児に頼んだら
早いもので、もう年賀状発売の季節がやってきました。年賀状といえば思い出すわが娘のエピソードがあります。それは娘が幼稚園の年中さんのお正月でした。
元旦、リビングにいた娘に「年賀状届いてるかも。取ってきてくれる?」と言ってみました。前年までは私が取りに行っていたのですが、いろいろ頼めるようになっていましたし、そろそろいけるかもと思い、何気なく頼んでみたのでした。
娘「年賀状!? どこに?」
私「あ、ポストに」
娘「え! こんなカッコでとりにいっていいの? パジャマだけど……」
当時住んでいた家はメゾネットタイプで、リビングは二階、玄関は階段を降りて一階にありました。
私「いいよいいよ。だってすぐそこじゃん」
娘「えーー! ムリだよ、こんな格好で、いいの? ほんとにいいの!?」
私「いいっていいって、さっと取ってくれば、誰も見てないよ!」
娘「……わかった! いってくる!」
すごい決意で、娘が階段を下りていきました。
私「うん、おねがいー!」
私は二階にいたまま返事をしました。
娘が戻ってこない……!
3分くらい経ちました。娘、帰ってきません。
私「まさか玄関前でさらわれた? ありえないよね(笑)。にしても、遅すぎじゃない?」
夫「だよね。……ん? もしかして」
私「もしかして?」
夫「あいつ……」
と言って夫は一階に降りていき、玄関から外へ出ていきました。
また2分くらい経ちました。
私「??? 誰も帰ってこない?」
私は玄関に下りましたが、そこには二人の姿はありませんでした。
どういうこと?
確かにそうは言ったけど
しばらくして、二人が息を切らして戻ってきました。
なんと娘は、パジャマのまま、近所のコンビニ前の赤いポストまで、年賀状を取りに行っていたのでした……!
娘「どうやってとりだすのかなあって、かんがえてたの」
私「……取り出せるわけないし! っていうか、みんなの年賀状そこに届かないし!」
娘「なんだー、はやくいってよ。ポストっていったじゃん!」
私「……はあー」
元旦の町をパジャマで駆け抜けた娘。さらにはその姿でポストに手をつっこんでいた娘。そしてポストといえば、と赤いポストを連想してすぐに追いかけた夫。
私にはありえない発想でしたが、今となっては懐かしい思い出です。
文・編集部 作画・天城ヨリ子