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配偶者控除廃止は本当に必要か?イチ主婦の考察。

※2016年9月時点の情報です。

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先日政府が発表した「配偶者控除廃止の検討」。
今まで「やるやる詐欺」と一部では言われ先送りにされていた配偶者控除について、ついに本格的に検討されることが決定しました。

<参考>将来「配偶者控除」が廃止になる!?配偶者控除見直しへ・・・税金の負担は増えるの?

昔と比べ今や共働き世帯が増え、「時代に合わない」とされてきた配偶者控除。
配偶者控除の代わりに夫婦控除を設ける、という話もありますが…。
ネット民の反応はこの件に対して賛否はわかれるものの、賛成派も少なくありません。

しかししかし、未就学児を2人を抱える我が家にとっては、
「おいおい、ちょっと待ってーー!」
実質・増税宣告に、視界が霞みます。

女性活躍の名の下に「働け働け」と鈍い背中を押される昨今ですが、「子育ては親の責任」と言ってはばからない政治家もいるほどで。

相変わらず長時間労働が横行する企業、家事育児を”手伝う”感覚の世の夫(”手伝う”て何ですの。2人の子どもなら同じくらいするべき)、足りない保育所・学童保育に介護問題。これらを何ら是正することなく、子育て世代無視の「配偶者控除の本格的な検討」ですが、仕事・育児・介護をほとんど女性に押しつけて…、

女性の平均寿命でも下げるつもりですか?

そりゃ、専業主婦ともなれば所得税を払うという名目では、あまりお国のお役には立てていないでしょうが、例えば子どもを保育園へ預けた場合。

保育園児一人あたりにかかる一か月の税金 ( = 園児一人にかかる費用 – 保護者負担の保育料の平均額) を調べたところ、
板橋区では、(特に税金投入が多いとされる、3歳未満の”未満児”に注目)

0歳児……392,240円
1歳児……186,783円
2歳児……161,391円
3歳児…… 93,235円
4~5歳児… 84,427円

(板橋区ホームページ『保育園の運営にかかる費用の負担割合』)

はて、家計の為にと母が働きに出て0歳児を1人預けるとして…、
40万円弱の税金が納められるお仕事って、どんなお仕事でしょう。
もちろん世帯収入によって自己負担額が変わるので税金の投入額はまちまちですが、

保育園に預けずに家庭内で未来を担う人材を養育しているとなると…、かなり貢献してません?相当ハードワークですけど。

もちろん仕事大好き、保育園へ子どもを預けることによって自分が輝ける、子どもとストレスなく接することができる、というワーキングママも多くいらっしゃいますし、ママ・パパのの”子育てのストレスを減らす”ことが子どもの養育に一番大事なこと。ワーキングママ達にはどんどん輝いてほしいと思いますが、
家庭内で子どもを養育するママはやはり、「働くもの食うべからず」なのですか?

恐らく私はマイノリティではないという思いから発言しますと、個人的にはせめて子供たちがひとりで外出できる歳になるまでは貧しくとも傍にいてサポートしてあげたいと思うのですが…、我がままですか?

政治家でいえば蓮舫さん、山尾志桜里さん、ゲスな夫の出産直前の浮気にも気丈に対応した金子恵美さん、子育てしながらの議員さんとしてのお仕事はステキで尊敬しますが、バリキャリで今まで来られたお三方。もしや世間の女性はすべて社会進出という名の下、未満児を保育園へ預けての労働を望んでいると、思っていらっしゃるのでしょうか?

子どもと一緒にいたいと考える親から子どもを引き離してでも”女性活躍”という名の納税をさせたいのであれば、未就学児を抱える家庭の大きな負担となっている保育園や幼稚園の保育料を無償にすべきでしょう。

必要なのは、世の男性の無駄な”昭和的”長時間労働と、一度職を離れてからの復職が難しい現状と、伏線にある”新卒一括採用”と”学歴偏重主義”の改善。
配偶者控除廃止より、やることいっぱいありますよね。
お忙しい議員さん方は、もはや末端子育て世帯にはご興味はおありではないのかもしれませんね。

それと政府がわかっていないであろうことがひとつ。

子育ては「人間vs人間の人生をかけた大勝負」遊びでも家事の片手間の作業でもありません。
子育ての間は24時間強制スキルアップ中なのです。
例えば子育て中のママのスキルの高さを試すとして…、

世の中には、世代間ギャプ故か社会経験不足故か、新入社員の扱いに困っていらっしゃる男性も多いかと思います。
「最近の子は…。」色々違いすぎて、ホンマ大変ですよね。
でも、子育て中のママにアドバイスをもらえば、一発で解決しますよ。

なんせ彼らは新入社員より厳しい、まさに”新人類”である、泣くだけで手も足も出せない新生児から、どんな理不尽な要求でも当たり前のように主張してはばからないイヤイヤ期の幼児、悪知恵がついて善悪の判断も曖昧なまま小さな社会へ飛び出していこうとする児童期までをも正面から相手してきた、特殊なコミュニケーションスキルを身に着けた猛者たちなのですから。

「子育て中の母親をいかに今すぐ働かせるか」

ではなく、

「子育て後のママのスキルを今後どう生かすのか」

政府にはそれも考えてから政策を決めて欲しいなぁと、思うのです。

文・桃山順子

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