9歳過ぎたら人生の折り返し?!「ジャネーの法則」が恐ろしい
大人になったら、あっという間
今から約20年前、20歳の誕生日を目前にした私に、年上の友人が教えてくれました。
「20歳過ぎたら、(ときが流れるのが)早いでぇ」
20歳を過ぎ、20代半ばの頃、同じ年上の友人に
「(20歳を過ぎたら)ホンマに早かったわぁ」
と告げたところ、
「30歳過ぎたら、もっと早いでぇ」
と返されました。
間もなく三十路となった私。あらまぁ、坂道を転がるような速さで1年1年が過ぎて行きます。「こないだ(自分の)誕生日を迎えたばかりなのに、また来たんか?!」40歳を間近にして、もはや自分の年齢を数えるのが面倒になってきました。このままでは、瞬きしている間にヨボヨボのおばあちゃんになっていそうで、背筋がぞっと寒くなります。
大人と子どもでなぜ違う?人生の体感速度
一方3歳のわが家の娘は、
「〇〇(娘)なぁ、むかしはコレ よく はいてたんだよねぇ」
と下の子が現在愛用中の布おむつを引っ張り出し、懐かしそうに自分で装着しています。
「昔て……、つい最近まで使ってたやないの」
子どもの頃の夏休みって、永遠のように感じていましたよね。1年の長さなんて、老いも若きも皆同じ長さのはずなのに、どうしてこうも人生の体感速度が違うのか。大人と子どもでは、時間の流れる速さが圧倒的に違う。実は、それを証明する、こんな法則があるのを、みなさんはご存知ですか?
時間の心理的長さを示した『ジャネーの法則』
19世紀フランスの哲学者、ポール・ジャネが発案した法則なのですが、
「時間の心理的長さは年齢に反比例する」
3歳の子どもにとっての1年の心理的長さは人生の3分の1、30歳のママにとっては1年の心理的長さは人生の30分の1ということです。したがって3歳の子どもにとっての1年で、30歳のママは10年過ぎているということになります。
結論からいうと、(※グラフは計算結果を元に筆者が作成)
1歳~2歳までの体感時間は2歳~4歳、4歳~8歳、8歳~16歳、16歳~32歳、32歳~64歳、64歳~128歳までの体感時間とそれぞれ等しいことになります。
人生の体感時間としては3歳のときに25%、9歳のときに50%、20歳のときに68%、30歳のときに77%、40歳のときに84%、50歳のときに89%、60歳のときに93%、70歳のときに97%終わっていることになるのです。
人生の折り返し地点はなんと9歳!? ということでした。ちなみに体感年齢を割合で示すと、
・1歳から20歳(学生)
・20歳から65歳(社会人)
・65歳から81歳(老後)
の体感時間の割合は、それぞれ68% 27%, 5%となりました。
いろんな解釈があり、計算方法によっては20歳が体感人生の折り返しという説もあります。いずれにしろ加速度的に進む人生、いやはや、瞬きする間におばあちゃんになるのではと思った私の感覚もあながち間違ってはいない気分です。
子どもたちには時間がたっぷり!
残りの自分の人生を考えると切なくはあるのですが、わが家の3歳の娘が「うんちー!」「おしっこー!」と連呼して家中を走り回ろうが、ポイポイ期真っ盛りの1歳の息子が、あらゆる引き出しという引き出しから引きずり出した物で足の踏み場がなくなろうが、これも短い人生のうち、のびのびと過ごせる子ども時代。たっぷりある時間を大切にしてあげたいなぁと思い、子どもたちが寝静まった深夜、今日も、唯一の自分の自由時間を子どもたちのダイナミックな生命活動の後始末をすることに奪われ、1日が終わろうとしています。たまには、撮り溜めたまま放置されているテレビ番組が、観たいなぁ……。
文・桃山順子