今年はなに読む?課題図書「さかさ町」に書かれている内容が深すぎる!
夏休みの宿題の定番『読書感想文』。7月から図書館で貸し出しがはじまる市町村も多く、わが家も早々と借りてきました。4年生の娘が選んだ「さかさ町」はどんな内容なのでしょう。
課題図書 中学年「さかさ町」
さかさ町 (岩波書店)
著者:F.エマーソン・アンドリュース・作
ルイス・スロボドキン・絵
小宮 由・訳
線路の事故で停車したのは…
主人公はリッキーとアンの兄妹です。汽車でおじいちゃんの家に向かう途中、線路の事故でちかくの「さかさ町駅」に停車することになった2人。その町は名前のとおり、すべてさかさまでした。
文字はさかさまに書いてある
家もさかさまに建っている
車の形もアベコベ
エンジンが後ろにある=前に何もなくて運転しやすいし、エンジンがタイヤのすぐ上だからエネルギー効率がいい
レストランでは、デザート⇒メイン⇒スープの順ででてくる
盛り付けも上下逆
ホテルの部屋は地下=涼しい、安全、静か
高いと危険と隣り合わせ(風が吹いたり、窓から落っこちたり)
2階は倉庫、各階につながるシュートでシーツや枕カバーが届く
ちょっと変に感じますが、車と言い、ホテルのシュートと言い、なかなか合理的ではないでしょうか?
あったらいいな、こんなシステム
「さかさ町」では物だけじゃなく、こんなシステムもさかさまです。
子どもがはたらいて、老人が遊ぶ
子どもにとっては働くことが新鮮、働くって楽しい!
老人は十分働いたから遊んでもいい、疲れてるからノンビリするのがあってる
病院では、待つのは医者
検温はアイスクリームの溶ける速さではかる
健康な人がお金を払う
病気になったら働けないから払わなくてもよい
薬は病気の人をよくするためだから、美味しくて当たり前
味はとびきり美味しい⇒まあまあ美味しい⇒だんだんまずくなる⇒とっても苦い、飲みたくないからすぐに治る
小学校にはとてもいい子だけが行ける
行くのは休日だけ、平日は楽しんで働いていて校に行く暇はない
社会で大切なことを十分学ぶから学校に行く必要はない
先生がプレゼントを配る=生徒はうれしくて先生が好きになって、勉強も好きになる
歴史は現代⇒過去へさかのぼって学ぶ
今の暮らしを学ばないと、遠い時代のことは頭に入らない
『わすれよ科』では、忘れることを学ぶ(教育上とても大事なこと)
嫌なことされた⇒忘れることができたらケンカはなくなる
失敗した⇒失敗を忘れて前向きになれたら、今よりもっと幸せになれる
お菓子を食べるのを忘れる⇒体重が減った
歌で計算間違いを覚える⇒正しい答えしか残らない
お店では物+お金をくれる
いいものを作ったり、育てたりすることが人生の喜び
お客さんに持って行ってもらえば、新しいものが作れる(世の中で循環している)
泥棒や犯罪者は牢屋に入れられて罰をうける、みんな罰を受けたくないから働く
どれもこれも、いいこと言ってますね! こんな町があったら、ちょっと住んでみたくなりました。
さかさ町から学ぶこと
低学年用の本だと思って軽い気持ちで読んだ筆者。なかなか深い内容が書いてあるのに驚きです!
「常識と思われていることを疑ってみる(さかさまに考えてみる)ことで、物事にはさまざまな見方があること、それまで見えなかったことが見えたりすることがある」(訳者あとがきより)
この夏は、ぜひお子さんと一緒に課題図書を読んでみてはいかがでしょうか。
参考URL:第62回 青少年読書感想文全国コンクール
文・Kuu