<仕事なめんな>褒めないと働かない新人にイラッ。すぐメンタルが弱る”今どき”世代とのつきあい方は
Z世代にミレニアル世代、ゆとり世代に氷河期世代など、世代をひと括りにする言葉はいつの時代にもあります。そして職場に入ったばかりの新人、いわゆる”今どき”と言われがちな世代はなんやかんやで批判を受けやすいもの。かつて批判された新人たちも年月を経ればまた同じように”今どき”批判を始め、時代は巡っていくのです。
会社でも育児しなくちゃいけないの?先輩はつらいよ
ママスタコミュニティで見つけたのは、こんな投稿でした。
『褒めないと仕事をしない新人に疲れて、爆発してしまった。”褒める教育”とはいうけど、せいぜい3ヶ月までとか期間を決めてほしいよね』
褒めればそれなりに仕事をしてくれる新人さんだったようですが、ついに我慢の限界がきた投稿者さん。常に褒めポイントを見つけて持ち上げ続けるのは、たしかに疲れそうですよね。
『会社でよその大きな子どもさんを育児している気分になる。入社直後できちんと仕事をこなしてくれたなら褒めるのもわかるけど、数ヶ月経っても褒め続けるのはキツい』
投稿者さんに共感するコメントがたくさん届きました。みなさんかなりの不満が溜まっているようです。
わが子のやる気をアップさせようと、子育てのなかでできるだけ褒めることを意識しているママはいるでしょう。もしかすると近年”この褒める教育”が浸透してきたことが、褒めなくては働かない人を育成してしまったのでしょうか? しかしいくら入りたての新人とはいえ、お給料をもらう側の立派な社会人。ママではない赤の他人にも褒めてもらわないと働けないとは、いったいどういうことでしょう。
『褒めないと急に休むし、急に辞める。難しいよね。小言も指導も「ハラスメント」。ちゃんと聞く姿勢を持ってくれないと、教える側だってつらい』
それほど手がかかるならいっそ辞めてほしいほどでしょうが、人手不足で猫の手も借りたい職場もあります。「いてくれれば少しは作業が進むから、とりあえず適当に褒めておく職場もありそう」という考察もありました。
加えてなんでもハラスメントに結びつけられてしまうのも、近年の傾向のようです。
『メモを取らない新人。そのくせ指示したことをすぐに忘れるから「はい、今メモ取って」とメモの時間を与えていたら、「メモを取れ」というパワハラだと訴えられたよ』
嘘のような話が、実際にあったそうです。訴えを聞いた上司は苦笑いしていたそうですが、本当にハラスメント認定される可能性もあるので油断できません。
褒める教育がクローズアップされたことで、「叱られた経験のない人が増えた」などという話も見聞きします。少し厳しく注意しただけで過剰に反応されてしまうのは、そのせいでしょうか。
メンタルが弱い。すぐ辞める。それって世代のせいなの?
注意ひとつにも気を遣わなくてはいけない、今の時代。苦労しているエピソードが続々と届きました。
『ちょっと指導しただけで、次の日休んじゃう』
下手なことは言えないので、腫れ物扱いになってしまいそうです。
『お客様対応だからすごく神経を使わなくてはいけないのに、注意するとブスッとむくれて返事もしない子が多い。あきれて放置していると、今度はかまってもらえずいじける。で、そのうち辞めていく』
こちらのコメントをくれたのは美容師さん。逆によくなかった点に自ら気づき先輩に話しかけてくる子は、仕事がちゃんと続くといいます。
「対人スキルが高くて自主性のある子は一定数いる。そういう子たちはそれなりに出世していく」「うちの職場にも、新人なりに努力をして力をつける社員はいる」といったコメントもありました。”今どき”とひと括りにされる世代だって、当然ながら内実はそれぞれです。世間のそうした色眼鏡がある分、少しでも頑張ればひときわ目立てるチャンスさえありそうです。
褒めようとするからストレスに。簡単な声掛けで十分では
職場にいる厄介な”褒められたがり”たちと、どうつきあうか。自分なりの対処法を教えてくれたアドバイスもありました。
『褒めれば動くならマシなほうだと思って、諦めよう』
すっぱり割り切っている人もいます。「褒めるくらい、タダだし」という声もありました。投稿者さんもそうしていたのかもしれませんが、「仕事に加えてちょうど子どものイヤイヤ期と、親の介護が重なってドカンといってしまった」のだとか。プライベートでストレスが溜まっていたところに、要領がひと通りわかっているはずの新人さんがさらなるストレスをかけていたわけです。投稿者さんはこれまでよく頑張っていたと、感心します。
『褒めるのではなく、「ありがとう」に代えてみたら? 「ありがとう」はわりに違和感なく使えるし』
いちいち褒め言葉を考えなくても、「ありがとう」なら深く考えずとも連発できます。「子どもじゃないんだから、無理に褒める必要はないと思う。ただ、感謝の気持はすぐに伝えるようにしている」と教えてくれた人もいました。「ありがとう」は褒め言葉ではないけれど、言われて嫌な気分になる人はいないはずです。
『褒めるのではなく「認める」のほうがいいと思う。「大丈夫、できている」「これでOK」とか、サラッとでいいから不安が解消するようにたくさん声掛けしてみたら?』
たしかに新人の頃は「これで本当に合っているの?」と不安が大きいもの。そこを褒めてほしいのかもしれませんが、できて当然のことを「偉いね!」「すごいね!」とおだて続けるのは疲れます。それが毎日ではストレスも溜まるでしょう。この方がいうように”認める”言葉であれば、認印を押すくらいの気軽な感覚で使えそうです。
ちなみに投稿者さんが爆発してしまった例の新人さんは、後日退職してしまったのだとか。「私がドカンとやったせいらしい……。でも私はクビになりませんでした(笑)」と教えてくれました。一度の爆発で辞めてしまったのなら、早かれ遅かれ結果は同じだったかもしれません。今後はみなさんのアドバイスも参考に、わが身に過度なストレスがかからない言葉を選んで対応してみてはどうでしょうか。
文・鈴木麻子 編集・すずらん イラスト・Ponko
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