「デキ婚はすぐ離婚する」は本当?できちゃった結婚をした男女970人に調査
ひと昔前では結婚をしてから妊娠や出産という順序立てが一般的でした。しかし今では「できちゃった結婚」(「デキ婚」)という言い方も変わり、「おめでた婚」「授かり婚」として子どもができてから結婚する夫婦も増えてきたのではないでしょうか。そんななか先日、株式会社Clamppyが全国約970人のデキ婚をした男女を対象に「結婚について」のアンケート調査を実施しました。
できちゃった結婚した夫婦の離婚率は高い?低い?
今回の調査は離婚問題の情報提供メディア「ツナグ離婚弁護士」を運営している株式会社Clamppyが行いました。調査ではまず、調査対象のデキ婚経験者男女970人に「離婚」について聞きました。すると離婚をした人は161人となり、デキ婚の離婚率は16.6%ということがわかりました。
日本の特殊離婚率(その年の婚姻件数と離婚件数を比較した数値)は約35.5%(2022年)とされています。そのためデキ婚の離婚率はむしろ低いといえそうです。子どもの存在によって結婚した経緯があるため、子どもが繋いでくれた夫婦関係を解消する選択肢を取る人は少ないのかもしれません。実際に調査では、
『パートナーと愛する子どもを授かることができたことが、何よりも幸せです。子どもは私たちの関係をより強固なものにしてくれました(30代男性)』
『自分にいつ子どもができるかもわからなかったので、今、旦那さんと子どもとの生活がとても楽しいです(30代女性)』
『幸せだから。子どもがとにかくかわいい。子どもがいなかったら続いていないかもしれないです。この子がいるから家族なんだなと思えます(20代女性)』
といったコメントがありました。
デキ婚夫婦とそうではない夫婦、婚姻年数は変わらない?
調査対象者全員にデキ婚時の年齢を回答してもらった結果、男女ともに20代と回答した方が多いことも判明。より詳しく見ていくと男性は20~24歳で29.7%、25~29歳で38.0%、女性は20~24歳で40.8%、25~29歳で36.0%という結果に。デキ婚は比較的妊娠率の高い若い世代に多い傾向があるようです。
調査ではさらに、結婚から離婚までのどれぐらい続いたのか「婚姻年数」も見ています。デキ婚して離婚した夫婦に絞って婚姻年数を聞くと、平均して4.8年という結果になりました。
ただデキ婚を経て離婚した人がとりわけ婚姻年数が短かったというわけでもないようです。デキ婚ではない結婚をして後に離婚した夫婦の婚姻年数も平均して4.9年と、ほとんど変わらない結果となりました。結婚に至るまでの背景や離婚原因はさまざまでしょうが、デキ婚夫婦も一般的な夫婦も婚姻年数はともに平均5年ほどだとわかりました。
デキ婚カップルが離婚した原因第1位は「女性側の負担の大きさ」
最後にデキ婚カップルが離婚を決意した理由を調査したところ、1番多いのが「女性の負担が大きくなりすぎた」というものでした。答えた人は女性が37.2%、男性が22.7%。子どもができたところから結婚生活がスタートするデキ婚ですが、いろいろな準備ができていないまま育児と結婚生活が同時にスタートするため、女性側に大きな負担がかかってしまうことが推測されます。
2番目に多かったのは「交際期間が短く、互いをよく知らないまま結婚した」でした。結婚してから金銭感覚や育児方針、価値観の違いなどが明るみになって離婚に至るケースは多いのかもしれません。
3番目に多かったのは「経済的に苦しくなった」でした。20代という若い頃にデキ婚したことでまだ経済的基盤ができていない状態だったり、すでに妊娠や育児をしている女性側が働けないことで旦那さんだけの稼ぎに頼ることになったり。経済的に苦しくなったことから夫婦不仲になってしまい、離婚という結末を迎えた人たちもいるようです。
今回の調査結果からは子どもができてから結婚するのも、そうではない結婚も、離婚するまでの婚姻年数に大きな違いはないことがわかりました。またデキ婚を後悔しているかどうかを聞いたアンケートでも、90%以上の人が「後悔していない」と回答しており、とくに女性は子どもに恵まれて幸せだと感じる声が目立ちました。
一方で子どもができてから結婚するからこそ、女性側の負担をどう減らしていくかを考えることが重要ということもわかります。またデキ婚する年齢は20代と若いタイミングが多いからこそ、お互いの価値観のすり合わせや経済基盤に注力することが大事といえるかもしれません。そうすれば夫婦が仲良く子育てを頑張っていけるのではないでしょうか。
文・AKI 編集・有村実歩 イラスト・Ponko