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どれを飲ませる?熱中症予防に効く飲み物を比べてみました!

「子どもは熱中症になりやすいので、ママが気をつけてあげてください。」と、よく言われますよね。

7・8月は、熱中症になる人が、いちばん多い時期です。子どもが、公園で遊んだり、スポーツをする時に、皆さんはどんな飲み物を飲ませますか?

驚いた!こんなに違う成分表示

スーパーやドラッグストアの『熱中症予防コーナー』に行くと、何十種類ものドリンクが売られています。手に取っていくつかを見てみると、成分表示や原材料が、商品によって随分と違います。
でも、これらの商品は、すべて熱中症を予防するドリンク。

「いったい、どれがオススメなの?」と、悩んだことはありませんか?

筆者の息子は、今年からサッカーを始めました。このところ暑さが増してきて、やはり熱中症が心配。チームメイトは、どんなものを飲んでいるのかな?と、水筒の中身を聞いてみましたが、スポーツドリンクや麦茶と、いろいろありました。また、大会の日と練習だけの日では、中身を変えている子もいたりして、これは調べてみようと思い立ちました。

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この表は、主なドリンクの成分表示と原材料を、同じモノどうしでまとめ、見比べやすいように並べ替えたものです。
ここで注目して欲しいのはナトリウム(食塩)と、糖質(炭水化物)&エネルギーです。分かりやすいように、オレンジと青色で印を付けてみました。

ポイントは、ナトリウムの濃度

熱中症を予防するポイントは、ナトリウムの濃さです。
厚生労働省では『100mlあたり、ナトリウムを40-80mg含む飲み物』を薦めています。このナトリウムの濃さが、普通の血液の濃度に近く、早く体に吸収されるからです。
下のグラフを御覧ください。

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7種類のドリンクのうち、ナトリウム濃度が一番高いのは『ポカリスエット』で、低いのは『健康ミネラルむぎ茶』です。

子どもが、激しいスポーツを長い時間すると汗をたくさんかくので、ナトリウムが一番濃い『ポカリスエット』が大活躍してくれます。でも、ちょっとお出かけする時にも『ポカリスエット』を飲んでいると、塩分の摂りすぎが気になります。反対に、ナトリウムが一番薄い『建康ミネラルむぎ茶』は、水分補給するドリンクとして、お散歩や公園で遊ぶ時などに役立ちます。

摂りすぎに気をつけたい糖質

青色で印を付けた糖質にも、気をつけたいことがあります。

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『ポカリスエット』には、100mlあたり6.2gの糖質が含まれています。500mlのペットボトルで計算すると31g、『ソルティライチ』なら42gも、糖質が含まれています。

参考にして欲しいのですが、WHO(世界保健機関)では『糖類摂取量は、一日25g程度が目安』としています。

WHOの基準からすると『ポカリスエット』も『ソルティライチ』も、500mlのペットボトル一本で、糖類の摂りすぎになってしまいました。もちろん、激しいスポーツをして水分やナトリウムを多く補給する時には、エネルギーをたくさん使っているので、糖質もたくさん必要になります。糖質が多いドリンクは、激しいスポーツの時には必要ですが、ふだんの暑さ対策で飲ませていると、肥満や虫歯の原因になってしまいます。

糖質の量が少ないのに甘くて飲みやすいドリンクには、スクラロースなどの人工甘味料が使われていることがあります。この表では『アクエリアス』と『ビタミン・ウォーター』に含まれています。スクラロースは、ショ糖の約600倍の甘さを感じさせます。そのおかげで、甘くても糖質の量を低くできるのですが、他方で、成長の遅れなど健康への悪影響を指摘する意見もありますので、こちらも摂りすぎには気をつけましょう。

知っておきたい飲ませ方

「ドリンクは持たせたし、のどが渇いたら飲めばOK!」では、せっかくのドリンクも宝の持ち腐れ。のどが渇く前から飲ませることが大切です。スポーツやお出かけする前から、飲ませておきましょう。

水分を摂るタイミングは、汗のかき方や、顔が赤くなっていないか等、子どもの様子に気をつけながら、こまめに少しずつ飲ませます。トイレに2時間以上も行きたがらなかったり、オシッコの色がいつもより濃い時には、一回に飲ませる量を増やしてください。
スポ少などの場合は、20-30分ごとに指導者が「給水タイム」を取るようになっているので、子どもには「コーチが給水タイムと言ったら、のどが渇いていなくても飲むこと。」と、約束しておくのも大切ですね。

<豆知識>

・のどが渇いたと感じたときには、すでに脱水が始まっている

・のどが渇いてからドリンクを飲んでも、水分や塩分が体内の必要な場所に届くまでに時間がかかる

毎年、7・8月にかけて、次々と熱中症を予防する新商品が発売されますが、子どもの好きな味だけではなく、気候や今日のスケジュールを考えながら、ベストな飲み物を選んであげてくださいね。

管理栄養士よりアドバイス

記事でも触れているように、スポーツドリンクは糖分が多く含まれます。日本救急医学会が発表している「熱中症診療ガイドライン2015」によると、熱中症の予防・治療には塩分と水分を適切に含んだもの(0.1~0.2%の食塩水)が推奨されており、スポーツドリンクの糖分量の多さについて注意を呼びかけています。運動量の多いときであっても、麦茶や経口補水液などを上手に利用し、糖分の摂りすぎを防ぎましょう。また、室内やお散歩などの普段の外出時の水分補給には、糖分を含まない水や麦茶、黒豆茶などが望ましいでしょう。コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを多く含む飲み物は利尿作用が強いので、水分が体から出ていきやすくなってしまいます。適量を楽しむくらいに留めて、飲みすぎには注意してくださいね。

それぞれのドリンクの栄養成分表示を参考に、気温や運動量に合わせて適切に飲み物を選択しましょう!

ガイドラインでは、ドリンクの他にも梅昆布茶やお味噌汁などもミネラルと塩分が豊富に含まれており、熱中症予防に有効だとしています。「朝ごはんにお味噌汁を必ず飲む」、「梅昆布茶を冷蔵庫に常備しておく」なども新たな熱中症予防として取り入れてみてはいかがでしょうか?

文・間宮陽子 監修・管理栄養士 濵田美織

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