<保活の参考に>子育て世代330人に調査!企業内保育施設を利用したいけれどできない理由は?
秋になると翌年4月入園の保育園の申し込みが始まる”保活“シーズンが到来します。待機児童の問題が取りざたされて久しいですが、激戦区ではまだまだ「保育園に入れない」というママたちの悲痛の声は聞こえてきます。そんななか看護師向けメディア「one nurse」とクーミル株式会社は、子育て世代330人を対象に「企業内保育施設の利用状況に対する調査」を実施。今回はこの調査結果をご紹介します。
企業内保育施設は利用したいけどできない!その理由は?
今回の調査対象は20代から60代までの共働き経験がある既婚者330人。まず働いている企業の保育施設の有無を尋ねると、「ある」が32人、「ない」が298人となり、ほとんどの人の職場には保育施設がないことがわかりました。
そんな企業内保育施設がもしあったら利用したいかどうかについて質問すると、「利用したい」が123人、「利用したくない」が56人、「利用したいけどできない」が151人という結果に。「利用したくない」を除くと、企業内保育施設利用希望者は8割強という結果になりました。
企業内保育施設を利用したくなかったり、利用したいけどできなかったりする人たちの理由を尋ねると、「通勤時間が長い」(141人)、「保育時間の制約がある」(98人)、「料金が高い」(43人)といった理由が並びました。特に電車やバスなど公共交通機関を使って通勤している人にとっては、子どもを連れて通勤するハードルは高いでしょう。特に子どもが小さければ、通勤中に機嫌が悪くなってグズッたり泣き出したりする可能性もありますね。
子連れ通勤の難しさ、夫婦間のバランス……企業内保育施設利用はハードルが高い
この他の理由を見てみると「子どもを電車に乗せたくない」「職場まで一緒に行く時間に泣かれたら絶望する」「家から近くないと保育園までの送り迎えで疲れ切ってしまう」「仕事道具を持ちながら子どもを保育園まで連れて行くことなんてできない」など、いずれも通勤時間の長さに伴う子連れ通勤がネックになっている様子でした。
『送迎時間が長い分、お菓子やオムツなど保育園に預けるまでに持って行かないといけない』
『荷物が大量に増える』
『企業保育施設がある夫か妻か、どちらか一方の負担が大きくなり過ぎてしまうから』
『同じ職場の人が多いため少し気まずい』
子連れ通勤で仕事道具以上に荷物が増える大変さも否めません。また夫婦どちらかの働いている職場に企業内保育施設があって利用できるとなっても、送迎が片方の負担になってしまえば夫婦に不公平感が生まれるでしょう。さらには同じ職場の人と同じ保育施設に通うことで、距離感が近くなりすぎることを懸念点として挙げている人もいました。
通勤時間を聞いてみると「10分~30分」(34人)、「30分~1時間」(98人)、「1時間~1時間30分」(151人)、「1時間30分以上」(47人)という結果に。多くの人が1時間前後かけて通勤していることを考えると、「企業内保育施設は利用したいけど、子連れ通勤は厳しい」と感じていることも納得ですよね。たとえば郊外に住んで首都圏に通勤しているママなどは、共感できるのではないでしょうか。
認可外保育施設でも看護師配置などの魅力があれば、選択肢に入るかも
また企業内保育施設は認可外保育施設に該当するため、保育の品質を不安視して企業内保育施設の利用に躊躇している声もありました。保育の質を上げるために、保育施設に看護師を配置するという方法があります。その場合に保護者が期待することとして「日常の健康管理と健康チェック」(178人)、「メンタルヘルスや発達に関するサポート」(143人)、「緊急時の応急処置や救急対応」(119人)などがありました。
通勤時間の長さが大きなネックとなってしまう企業内保育施設。しかしそれ以外のサポート体制や安全性など魅力的なポイントがあれば、十分に保育園選びの選択肢のひとつになるのではないでしょうか。今まさに保活をしている人は職場の企業内保育施設まで可能性を広げてみてもよさそうです。
文・AKI 編集・有村実歩 イラスト・んぎまむ