<亡くなる前…>ナニが見えている?「病室にお坊さん」【第38話まんが】#本当にあった不思議な体験
前回からの続き。みなさんは「不思議な体験」をしたことはありますか? まるで狐につままれたかのような奇妙で意味がわからない、そんな体験を……。ママスタセレクトに寄せられたママたちの実際の体験エピソードをご紹介します。
数年前、私の父は大病が見つかり懸命に治療をしていました。しかし残念ながら快方に向かうことはなく、医師からも余命宣告されてしまったのです。それでも病院での父は本当に元気で、会話もしっかり成り立つし記憶もハッキリとしている様子でした。私は毎日のようにお見舞いに行き、少しでも多く父との時間を持とうとしていました。そんな中、入院中の父が病室で発した不思議な言葉。私は今でもその言葉を忘れることができません。
私は父が少しボーっとしていることに気が付きます。「どうしたの?」私がたずねると父はお経が聞こえると言います。私も耳をすましてみましたが、別に何も聞こえません。「気のせいじゃないの?」すると父はとんでもない言葉を口にしたのです。
「何か、毎日坊さんの数が増えていくんだよな~……。壁にお経の文字も浮かんでいるし……」私はその情景を想像しながら背筋が寒くなりました。そして心のなかで「お父さん、大丈夫かな……」と不安になります。しかし父は……。
父が話していたことの真偽は定かではありません。ただきっと父はあのとき自分の死と向かい合っていたのだろうなと、葬儀の遺影を眺めながら思いました。
あのときは共感してあげられなかったけれど、きっと父には本当に見えていたんだろう……。父が亡くなってから、母とよくそういう話をしています。死へと向かいつつあった父は、決して怯えた様子ではなく、むしろ穏やかで安心した表情をしていました。きっと安らかな最期を迎えることができたんだろうと思います。それにしても私には見えないものが「見えている」父の言葉は、今思い出してもなかなかの衝撃でした。
原案・ママスタコミュニティ 脚本 渡辺多絵 作画・うーにゃ 編集・井伊テレ子