60年分の絵本の歴史がズラリ!「こどものとも図書館」
『ぐりとぐら』『そらまめくんのべっど』『ぐるんぱのようちえん』『だるまちゃんシリーズ』『しょうぼうじどうしゃじぷた』……どれか一冊ぐらいは、子どものお気に入りや、かつて子どもだったママ自身が「読んだことがある!」という絵本ではないでしょうか。
この本たちに共通するのはすべて、絵本出版社・福音館書店の月刊絵本「こどものとも」から生まれた絵本ということ。
「こどものとも」は、下は0歳から上は6歳ごろまで、幅広い年齢層の子どもを対象に、月一冊のペースで刊行される絵本のシリーズです。現在は一冊定価420円で販売されており、定期購読の申し込みをすれば、毎月自宅や幼稚園・保育園などに絵本を届けてもらえる仕組みになっています。
過去には前述の「ぐりとぐら」に「ばばばあちゃん」、近年では「そらまめくん」や「ホネホネさん」シリーズなど、それぞれの時代ごとに、子どもたちに愛されるお話を生み出し続けてきました。
1980年代生まれの私も、幼いころは幼稚園で購読しており、毎月届くのがとても楽しみだったのを思い出します。月刊絵本で人気となった作品は、ハードカバー版の絵本として刊行され、書店や図書館、児童館にもたくさん置かれるようになるので、毎月購読している、とまではいかなくとも、小さなお子さんがいるママは、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
親子で楽しめる「絵本の図書館」がインターネット上にオープン
実は「こどものとも」は今年で創刊60周年! を迎えました。これを記念して、出版元の福音館書店が、特設サイト「こどものとも図書館」を開設したのをご存知ですか?
このサイトでは自分の生まれた年や月を入力するだけで、子どもだった当時読んでいたであろうタイトルと、その表紙を並べて見せてくれるのです。この時点で思わず「あー! あったぁ!」と声が出るぐらい、なつかしさが全開。
さらにうれしいことに、「詳しくみる」というボタンを押すと、物語の紹介文が……。「どんなお話だったっけ?」と忘れてしまっても、これを読めば、幼いころに楽しんだ記憶とともに、しっかり思い出させてくれます。
すでにお子さんが大きくなったママや、今まさにお子さんが「こどものとも」愛読者のママにとっては、「こんな本を読んであげたな」「ママの時代にもこんな絵本があったんだよ」と思い出とともにお子さんとの話に花が咲きそうです。
フリーワードや「ぐりとぐら」などの人気シリーズ別、「かぞく」「行事」などのテーマ別でも検索できるので、お気に入りの一冊を探すのにも活用できます。
『ぐりとぐら』はなんと53年前の作品だった!
さて私の場合は、『ぐりとぐら』、『たつくんのおみせばん』『なーちゃんとおおかみ』など、懐かしのタイトルが並びました。(年齢がばれますね)でも実は、筆者はこうした絵本はみんな大事に実家にとってあるんです。どれも30年以上前に出版された作品ですが、いまでは4歳の娘が、実家に帰るたびに引っ張り出しては愛読しています。
絵本は出版物の中でもとりわけロングセラーが多いのが特徴。『ぐりとぐら』が最初に登場したのは1963年。なんと50年以上前のこと!今読んでもまったく古くささを感じさせないのがすごいですよね。世代を超えて、長く愛されるのもうなずけます。
60年の歴史を感じさせながら、中身はちっとも古さを感じない不思議な「こどものとも図書館」。子どもはもちろん、いまやおばあちゃん・おじいちゃんとなったママのご両親、お世話になった先生などなど、たくさんの人との思い出を振り返りながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
文・犬山柴子