<聞かれて困る?>ときどき書類に書く機会のある「子育て方針」わが子はどんな人に育ってほしい?
子どもにはこんな人になってほしい。こんなことができる大人になってもらいたい。欲をいえばキリがないとはわかっているものの、そんなふうに子どもに理想や希望を託してしまいますよね。その姿に近づいてもらえるように日々子育てに奮闘しているママもいることでしょう。ママスタコミュニティにも「どんな人になってほしい?」というタイトルでこんな投稿がありました。
『皆さんは自分の子どもにどのような人に育ってほしいと思い、どのような教育をしてきましたか?』
筆者も先日、保育園に提出する書類に「子育ての方針」を記入する欄があり、「わが家はどんな子どもに育ってほしいと思っているだろうか」と改めて考えたことがありました。ママスタコミュニティのママたちはわが子をどんな人に育ってほしいと思って子育てをしているのでしょうか。この投稿に寄せられたコメントを紹介していきます。
常識のある人、正しい行いをする人、他人から助けられる人
『人として正しいこと、正しい行いが何かを見定められるようになってほしい』
『ズルをせず正しく生きる。親がそうしていた。旦那もそう育ってきたので価値観が一緒』
『常識ある大人。それだけ』
『人に助けてもらえる人になってほしい。もちろん助けてもらうためにはまず自分が助けたり、人に好かれるような人柄でいなくちゃいけない』
子どもは親の背中を見て育つといいますから、親の考えや行動がとても大事になってくることは言うまでもありません。親が「こんな風に育ってほしい」と思いながら行う子育てによって、子どもの人格形成や性格に影響を及ぼすでしょう。だからこそ親が子育ての指針をしっかり持つことは大事になってくるはず。ママたちからは、人としての正しさや誠実さ、常識を身につけてほしいといったコメントが寄せられていました。卑怯な行いや他人を傷つけたり騙したりしないでほしい。人を助け、人に助けられる人になってほしい。そんなふうに子どもの人柄や人間性に言及する声がありました。
『1人でも食べていける技術か資格を持つ。資格ではなくてもこれだけは他人には負けないという何かを持つ。会社員でも右に出るものなしという社員』
『誠実で信頼される人。しっかり自立して巣だってほしい。実家にはちょっと顔を出してくれると嬉しいけど、お互いもたれかかる関係にはならないように』
さらに具体的なこととして「社会に出て仕事に困らないようになってほしい」といったコメントもありました。人間性や人柄が理想通りになっても、1人で食べていけない状態では子ども自身も困るでしょう。自分たちの手が離れて巣立った後も、しっかりと大人として生きていってほしいという親の切実な願いが見て取れます。さらには「自分たちとは適度な距離を保つ関係性でいてほしい」というコメントも。これもまた子どもの独立に関わることですよね。仕事をせずに親に経済的に頼り切っていたり、精神的に依存したりといった親子関係を心配している様子です。お互いが依存するような状態ではなく、健全な関係性でいたいという親としての願いもありました。
こんなふうになってほしいからこう育てる!
『一生1人でも生きていけるようになってほしい。「仕事しないと食べていけないよ」という教育』
『海外でも活躍できる人になってもらいたいかな。もちろん日本でも海外との仕事をするとか。英語教育している』
『群れて流される子になってほしくなくて、身近なグループのトラブルを反面教師としてよく見ておくように教えている』
実際に「こんな大人になってほしい」という思いを込めて、普段から教育に力を入れているというママたちからのコメントもありました。仕事をしないとご飯を食べられないという教育は、普段からお手伝いをさせたり親が仕事の話をしたりしているのかもしれませんね。またこれからの時代は、日本を飛び出して海外でも仕事で活躍して子どもの可能性をどんどん広げてほしいもの。そんな願いを込めて早期から英語教育に取り組んでいるというママも。さらには他人の意見に流されて自分の意見を持たない人になってほしくないとして、身近な人間関係を反面教師にするように教えているママもいます。
『勉強できなくてもいいから、思いやりのある優しい子。悩みはいろいろ聞いてきたと思うよ。否定せずに寄り添うようにもしてきたつもり。だがしかし嘘つきだし、ひねくれて自己肯定感が低い。下の子は逆に真っ直ぐに育っている。なんでやねん』
『男に媚びなくても生きていける自立した女性になってほしいと思い、そう教育してきたら見事独身バリキャリに育ったけど複雑な気持ち』
親が強い思いや願いを込めて日頃から一生懸命子育てをしていたとしても、子どもが必ず親の希望通りに育つとはいかないのが子育ての難しいところ。子育ては結果論でもあるので、親の頑張りが100%反映されるわけではないですよね。実際に優しくて思いやりのある子どもになるように育ててきても、願っていた性格とは違った形になったという経験談も寄せられました。子どもはそれぞれ個性や性格が違うことや、親の希望通りにはいかないことを改めて思わされます。さらには男性に頼らずに自分の力で生きていける自立した女性になってほしいと思い育てた結果、結婚せずに独身を貫いているというエピソードも。親の希望通りにはなってくれたものの、少し複雑な心境には思わず共感してしまいますね。
贅沢は言わないから、元気に健康に楽しく育ってほしい
『赤ちゃんのときに2回手術しているのもあって、一番は健康に大きくなりますように』
『とにかく人生を楽しんでほしい』
『たくさん悩んで苦しんで、倍くらいたくさん笑って喜んで泣いて、人生の終盤くらいに「生まれてよかった」と思う生き方をしていってほしい』
『「最低限のことができる良識のある普通の人」。これができたら今の時代上出来だと思う』
『結婚しなくてもいいし、稼ぎが少なくてもいいから、犯罪者にならないでまっとうに生きてほしい』
具体的で明確な「こうなってほしい」という理想像を持っているママたちがいた一方で、「ただ元気に楽しく育ってほしい」「とにかく人生を楽しんでほしい」といった願いを持っているママたちもいました。赤ちゃんのときに手術をした経験から、ただただ健康を願っているというママのコメントには、思わずウルッときてしまいますね。また「生まれてきてよかったと思う生き方をしてほしい」というコメントも。どんな仕事や生活でもいいから、自分の人生を悔いなく思いっきり楽しんでほしいというのは多くのママが願うことでしょう。「こんな人生なんて嫌だ」「生まれてこなければよかった」なんてわが子には思ってほしくないですよね。
さらには「結婚しなくてもいいし、子どもを持たなくてもいいから、普通の人生でいい」「稼ぎが少なくてもいいから、罪を犯すことはしないでまっとうに生きてほしい」という慎ましいコメントもありました。日本だけでなく世界も先行きが不透明で不安定な今の時代には、そんな”普通の人生“を歩むことさえ難しいともいえるでしょう。だからこそ子どもには世界で活躍したりお金持ちになったりしなくていいから、常識を持った1人の大人として人生を進めてほしい。そんな現実的な願いを持つ親が増えているのかもしれませんね。ママたちのわが子に対するさまざまな思いが垣間見えた今回の投稿。みなさんはお子さんにどんな人になってほしいと思って、子育てしていますか?
文・AKI 編集・有村実歩 イラスト・なかやまねこ
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