【ワーママのお金の話・第3回】貯金から投資へ。お金を増やすための方法はある?
前回からの続き。子どもの教育費や自分たちの将来のために貯金をしているママも少なくないでしょう。昨今「投資」が話題になることも多くなり、「資産運用」に興味をもつ人も増えたかもしれませんね。そうはいっても投資には、難しさと不安がつきもの。そこで今回は「投資」について、日本最大級の金融情報サービス「Yahoo!ファイナンス」の責任者、今成麻美可さんに分かりやすく解説していただきます。
初めて投資をする場合に必要なこととは?
――新NISAが開始された今年(2024年)、「投資」という言葉を聞く機会が多くなったように感じます。
今成麻美可さん(以下、今成さん):投資で手持ちの資金を増やせるのなら、始めてみたい! と考える人もいるでしょう。上手に活用できれば、増やせる可能性は広がりますね。一方で不安がある、という声もよく耳にします。
――そうですよね。初めて投資にチャレンジする人は、まず何をすればいいのでしょう?
今成さん:不安な気持ちで始めると、投資をしたお金のことが気になって仕方なくなります。少しの値動きでも一喜一憂してしまうからです。まずはしっかりと貯金をして、ある程度の金額を確保してから始めるとよいのではないでしょうか。
参考:【ワーママのお金の話・第2回】投資を始めたいけれど貯金で精いっぱい!投資資金の作り方は?
口座を開く金融機関の選び方にはコツがある?
――たとえばNISAを始める場合、まずは何をすればよいのでしょうか?
今成さん:NISAで投資をする場合、非常に大まかに言うと、まず証券会社や銀行などの金融機関に専用の口座を開く必要があります。税務署の口座確認の後、毎月の投資額と投資商品を選ぶことになります。
――投資用の口座を開設する金融機関は、どのような基準で選ぶとよいのでしょうか?
今成さん:1つの例ですが、クレジットカードで支払いをした際についたポイントを使って投資をする方法があります。投資はプラスにもなればマイナスにもなるものです。現金での投資はマイナスになったときのショックも大きいですが、それがポイントなら気分的なダメージは少なくて済む、とも考えられます。使っているクレジットカードと連携できる証券会社があれば、検討してみてもよいのではないでしょうか。
口座開設をするのにお金はかかりませんが、NISA制度に関しては、1人に対して1口座で複数の口座は持てません。これから口座を開設するならば、金融機関の窓口やオンライン上で申し込みができます。
――自宅近くの郵便局(ゆうちょ銀行)や地元の銀行で口座を開設することはできますか?
今成さん:普段からゆうちょ銀行や地元の銀行をよく利用している人であれば、投資用の口座開設をしてもよいと思います。一方で、インターネットで気軽にスタートできる“ネット証券”を利用する方法もあります。ネット証券とは、インターネットで株式の売買などの証券取引をする会社のことです。オンラインでやり取りができるので、その方が利便性は高いと感じる人もいるかもしれません。その人の生活パターンや金融機関との付き合い方によって最適な証券会社を選ぶとよいと思いますよ。
――ネット証券は手続きが面倒、怖いという声もあるようですが……。
今成さん:銀行の窓口で、対面で説明を受けながら口座を開く安心感はあるでしょう。しかし面倒さや手間という点だけをとれば、どこで開設をしてもあまり変わりはないと思います。私自身は、口座開設の手間よりも子どもの学校に提出する書類を書く方が大変だったと思うくらいです(笑)。もちろん、人それぞれ考えは違いますから、開設のしやすさ、サポートの充実さ、わからないことがあったら聞ける安心感など、総合的にみて決めていくとよいのではないでしょうか。
投資先はどのように探す?
――投資のための口座開設が完了したら、何に投資をするのかを決めていくことになります。投資先はどのように探せばよいでしょうか?
今成さん:たとえばNISA制度を使って投資信託を買うとしましょう。投資信託とは、投資をした人のお金をまとめてプロが運用してくれるものです。インターネットで検索すると、「Yahoo!ファイナンス」など投資信託の情報を提供しているサイトがいくつも見つかります。投資信託の販売ランキングが掲載されていることも多いですから、まずはそれを参考にするのもよいですね。「販売ランキングの上位にあるもの=多くの人が買っている投資信託」ですから安心感もあります。慣れてきたら違う投資信託にチャレンジするという方法もあります。
――投資をする投資信託は頻繁に変えてもよいのでしょうか?
今成さん:制度としては変えることは可能です。でも私は、一定期間は変えるのを待つ方がよいと考えています。というのも投資信託を買った後、1ヶ月程度では変動も大きいからです。半年~1年くらいどんな動きをするのかを見ていると、その投資先が自分に合っているのかがわかってきます。たとえば値動きが思った以上に大きく、常にハラハラしてしまう、ということであれば自分に合っていないかもしれないと考えることができます。
――投資信託の値動きは毎日チェックするべきですか?
今成さん:最初は気になって毎日見てしまう、というのもよくあることです。しかし下がったからといってすぐに売るのではなくて、長期で持つことを意識してほしいですね。定期的にチェックすることは必要ですが、頻繁でなくてもよいと思います。チェックするのは月に1回にするなど自分のペースを決めていくとよいのではないでしょうか。
編集後記
今回はお金を「増やす」方法についてお聞きしました。投資にリスクはつきものですから、不安を感じる人も多いと思いますが、今成さんのアドバイスを参考に始めてみてもよいのでは? と感じました。次回は、投資を始めて不安になったらどうすればよい? というテーマでお話をうかがいます。
取材、文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・金のヒヨコ