復帰前の貴重な「ならし保育期間」有効的な時間の使い方とは
いよいよ4月。厳しい「保活」を経て晴れて保育園に入園する場合、多くは「ならし保育」があります。「ならし保育」とは、保育園での生活を2・3時間という短時間から始めて、徐々に(通常は1週間~3週間程度)保護者の就労時間に合わせた保育時間まで子どもを「慣らす」期間のこと。子どもの慣れ方によって保育時間が読めないため、ならし保育中は職場復帰をしないママもいるようです。
保育園激戦区では、0歳~1歳半前後の低年齢で預ける人も多いので、生まれてから今まで子どもと離れたことがないママも多いでしょう。子どもと離れる寂しさとともに、「ママ1人の時間、なにをしたらいいのだろう」と悩むママもいるかもしれませんね。
そこで、タイミングや保育時間別に「ならし保育中にやっておけばよかったこと」をワーキングマザー歴5年目の私の反省とともに振り返ってみます。(日数はあくまで目安なので、子どもや園の方針によってかかる日数は異なります。)
初日~<午前中のみの大泣き期間>
初日の保育は2・3時間という保育園がほとんどかと思います。1歳児クラスなどは、「とにかく泣いて終わる」というのが4月の保育園の恒例の光景。この時期の保育士さんは前に抱っこ、後ろにおんぶをしていたりして、本当に大変そう。そんな中、後ろ髪引かれる思いでママは預けると思います。でも子どもと離れる解放感を感じるのもまた事実。
初日は今までの育児を振り返ってお茶をゆっくり飲むもよし、寂しさに浸るのもよし。いろいろな思いであっという間に過ぎ、気づけばお迎え時間になります。
2日目以降も低年齢児はおそらく、午前中の保育のことが多いでしょう。このタイミングではまだ出かけるのは我慢して、まずは家の中の整頓を。園生活で使うものの準備はもちろんですが、普段あまり手をつけられていない収納などは、このタイミングで片付けることをオススメします。それから、ガスコンロの周り、水回り、下駄箱、換気扇など「毎日ではないけど、気づいたときにやりたい場所」の掃除をしておくと、復帰後にルーチンワークを回すので精一杯な生活がしばらく続いても、このときの「掃除の貯金」が気持ちを助けてくれます。
3日目頃~<給食を食べる練習>
2・3日経って、順調な子は泣き続けるだけでなく少しは周りに興味を示したりするようになってきます。(頑張る子はまだまだ大泣き期間です)うまくいけば次は、園で「ご飯を食べる」というステップに進み、保育時間もお昼までに延びます。我が子の場合は二人ともに食いしん坊のため難なくクリアしましたが、ママやパパ以外から食事の介助をしてもらうのが初めてで、食事をボイコットする子もいるよう。特に0歳児で哺乳瓶拒否の子だと、このステップに時間がかかったりします。
さて、ママにとって3-4時間の自由時間となれば外出も視野に入ります。病児保育の登録やファミリーサポートの登録などがまだ済んでいないのなら、このタイミングを利用するといいでしょう。お昼をまたぐので、同じ園のママと仲良くなれれば、ランチのチャンスもあります。
また、職場復帰後に「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出」(復帰後に時短勤務などで給与が下がった場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づいて年金額を受け取ることができる仕組み)をする場合などには、戸籍謄本や住民票の提出が必要になるので、取得しておくと復帰後に仕事の休みを取らずに済みます。(住民票は発行タイミングの指定があるため、注意が必要です)
5日目頃~<お昼寝も園で>
ならし保育が順調な子はもっと早いし、頑張る子はまだまだ泣き続けているかもしれませんが、次なるステップは「お昼寝」です。これがクリアできればいよいよ、就労に合わせた保育時間が見えてきます。我が家の第二子は生後3カ月で預けたこともあり、このステップでもすんなり寝てくれました。しかし、上の子は8カ月で人見知りもあったことから、最初はおんぶで泣き疲れて寝る…という感じでした。子どもも疲れてくるので、さっそく熱でお呼び出しなんていう子もいるかもしれません。
子どもの体調に不安がなければ、ぜひ自分のメンテナンスをしてみてください。会社に着ていく服はありますか? ちょうど1年前は妊婦だった……という人も多いはず。私の場合は母乳育児だったこともあり、ひたすら前開きの服ばかり買っていたので、気づけば手持ちの服はカジュアルなシャツワンピースなどばかりでした。少なくとも3日分ぐらいは朝迷わずに着られる会社用コーディネートを考えておくと、復帰後の朝のバタバタが一つ減ります。また、美容院で手入れの楽な髪型にしてもらうのもオススメ。私の場合は、復帰後に腰痛で倒れたので骨盤矯正など、身体のメンテナンスをしなかったことを後悔しています。
復帰まで余裕があるなら……
実はこの「ならし保育期間」、自治体によっては「復帰した上で」としている厳しいところもあります。一方で「月内に復帰すればよい」など復帰日に余裕を持たせているママもいるでしょう。そんなラッキーなママは、ぜひこの機会に「パパとの2人の時間」を持つことをオススメしたいと思います。産後から職場復帰までは、バタバタと過ごしてきちんと「共働きの生活と育児」について話す機会は意外とないもの。
自分のキャリアや子どもの教育方針など、この機会に話し合っておくことで、今後の両立生活における夫婦のストレスは大きく変わってきます。我が家はドタバタの中で共働き生活に突入したため、もっと事前に話し合っておけばよかったと思うこともたくさんあります。ママと同様にパパも意外と不安を抱いているかもしれません。とっても貴重な、ならし保育期間。寂しい気持ちもありますが上手に使ってワーキングマザー生活のスタートを整えてくださいね。
文・犬山柴子 イラスト・んぎまむ