見守る愛情がわが子の夢を叶える力に—香川真司選手インタビュー
ドイツのドルトムントに所属するサッカー日本代表の香川真司選手。サッカー選手を目指した少年時代について伺った前回に続き、今回はプロサッカー選手として活躍する現在のライフスタイルや、大切にしている想いについて伺いました。夢を叶えた今もなお努力し続ける姿やご両親との関わりについてのお話には、ママの皆さんにとって育児のヒントがたくさん詰まっています。
結果を残すために、当たり前のことを日々やり続ける
――おうちにシェフの方がいましたが毎日いらっしゃるのでしょうか?
香川 夜ご飯は基本的に月曜から金曜まで来ていただいてます。シェフの方にメニューを組んでいただいて、バランス良く食べています。めちゃくちゃ品数が多いですよ。
――アスリートとして食事のほかに、試合に向けてコンディションをピークに持っていくために普段していることはありますか?
香川 自分がプロに入ってからは、試合に向けての毎日のルーティーンがより細かくなっています。試合に向けていいパフォーマンスを出すために、どうやって準備していくかということにはこだわってますね。
――1日のルーティーンはどのような感じですか?
香川 例えば今日だったら、練習が4時からなので朝10時くらいに起きて、軽く朝食をとってからジムに行きます。そこで試合に向けて体の準備をして、終わったら昼ごはんを食べます。その後練習に行って、終わって帰ってきたら7時半くらいからご飯を食べて、お風呂に入ってストレッチですね。ちょっと疲れてるなと思ったら酸素カプセルに入ります。
――ルーティーンも仕事のうちですね。
香川 そうですね。これだけは自分の中でやらないといけないっていうことは必ずやるようにしてます。オフシーズンは別ですけど、ドイツにいる限りはサッカーに集中して、毎週ある試合に向けて準備を怠らずに、1日1日当たり前のことをやり続ける。同じことを毎日続ける難しさを感じていますが、サッカーで結果に残すために、当たり前のことをやり続けることを大事にしています。
今まで決して諦めることはなかった
――プロサッカー選手として現在活躍されていますが、香川選手が一番幸せを感じる場所や瞬間は?
香川 試合に勝った時に家について、ソファでゆっくりしている時は心からリラックスしています。試合前は準備から集中していくので気を抜けないのですが、唯一試合が終わった後は「結果が出てよかったな」と喜びを感じています。
――「グラウンドで点を決めたとき」でないのは意外ですね
香川 もちろん点を決めた瞬間はすごく好きですけど、決めても試合は続くわけですし。だから決めた瞬間や試合に勝利した瞬間も大好きですけど、試合に勝って帰ってきて、家でだらーとできる時間も大好きなんです。
――今まで「サッカー選手になれない」とか、サッカー選手になってからも「自分は活躍できない」と思ったことはありますか?
香川 絶望感を感じることはなかったですね。サッカー選手になる前も、なれるって保証はなかったし、サッカー選手になれるのかなっていう不安は常にありましたけど、サッカー選手になれないと諦めることはなかったです。
プロになってからも、周りのレベルの高さに衝撃を受けたり、Jリーガーはすごいっていう感覚はあったりしました。だからといって「自分はプロで活躍できないんじゃないか」という感じになったこともないですね。
――座右の銘はありますか?
香川 座右の銘はないですが、大事にしている言葉はありますね。僕が中学校の時に入っていた仙台のチームで言われた「夢念ずれば花開く」という言葉です。夢を念じて練習して頑張り続ければ、いつか花開くという意味です。
親になったら一歩下がって子どもを応援したい
――サッカー選手になりたいと思って、中学校から親元離れて仙台の学校に行かれましたよね?
香川 はい。僕の両親は自分のやりたいことに対して本当に反対せずに応援してくれました。僕を信じて仙台に1人で行かせてくれた。自分のやりたいことに対して何ひとつ文句も言わずに、ただただ応援してサポートしてくれたので、それは本当にありがたいと思っています。
親は子どものために出すぎるのではなく、そこは一歩下がって、子どものやりたいことや頑張っていることを素直に応援してあげることが一番大事だと思います。僕はそうやって育ったので、僕が親になったら自分の子どもには同じように教育したいなって思ってますね。
――今は、子どもたちの憧れの存在である香川選手から、子どもたちに伝えたいことを教えてください。
香川 まずは夢を大きく持つことが大事だなと。サッカーなり野球なりアイドルかわからないですけど、まずは楽しんで、こういう風になりたいなって思うことが大事ですね。
自分は小学校、中学校、高校と変わらずサッカー選手になりたいって夢を持ち続けて、それに対して努力を続けました。叶う、叶わないは別にして、夢を持ち続けてそれに対して努力すること。それは子どもたちに伝えたいです。
衣装協力:standard california
取材、文・編集部
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