DJ KOO:第3回 僕は奥さんがいないと何一つできないんですよ
第3回目となるDJ KOOさんへのインタビュー。今回は長い期間おつきあいをしてから結婚されたという、奥様についてお聞きしました。
KOOさんの単行本『EZ DO LIFE!』で胸が一番キュンとしたのが、妊娠中の10ヶ月間で恋愛をやり直したという章なんです。奥様は甲状腺の病気治療をしながらの妊娠期間だったということで、さぞや心配されたのではないかと思います。日々を記録する意味でもずっとビデオを回し続けていたそうですが、素敵なアイデアですね。
なんでも残しておくタイプなので、それも全部編集して取ってあります。記録を残しておくことは自分の楽しみでもあるんですよ。
職業柄昼間は時間があるので、奥さんの妊娠中は一緒に散歩に出かけたりしていました。産婦人科にも一緒に行きましたが、事前にいろいろ調べてからお話を聞くと先生もていねいに答えてくださるんです。本もたくさん読んで勉強しましたね。
奥様はどんな方なんですか?
性格はきちっとしています。なぁなぁにはしないというか「おかしいな」と思ったことは、はっきり「おかしい」と言える人ですね。母親になってからは、以前よりパワフルになったかもしれないです。たとえば学校の授業でお花を使うことになって「どこそこのお店がよいらしい」と聞いてきたら、すぐに足を運んで揃えてきたり。子どものために一つひとつ面倒がらずに行動している様子を見ていると、すごいなぁと思います。僕が「御礼の手紙を書くのによいレターセットはない?」と聞くと、すぐに答えが返ってくるし。
KOOさんも頼りにしているんですね。もしや奥様がいなかったら何もできないとか?
それはありますね! こんなことを言うと世の奥様方を敵に回してしまいそうなんですけど、僕、自分で一度も洗濯をしたことがないです。洗濯機に何かを入れたことすらない。料理もしたことはないですし。
奥様が風邪で寝込んでいるから、代わりに…というのも?
ないですね。それをすることで余計な仕事が増えるので「やめて」と言われますね(苦笑)。毎月の光熱費も知らないし、貯金がいくらあるかさえ知らないし…住んでいるところが賃貸なのか、購入したのかも知らなかったですし。
それは相当ですね!
任せています。子どももちゃんと必要な物を持って登校しているので、そういう様子を見ていると「ああ、きっちりやってくれているな」と。もしかしたら娘も、自分でやらずにやってもらっていることが多いんじゃないのかな?
しょっちゅうふたりで口ゲンカをしてますけどね。女同士はすごいですよね。うっかりその真っ最中に帰っちゃったりすると…(苦笑)。女の子ってお父さんに見せる用の顔があるじゃないですか? 僕には普段見せないような顔でやり合っているところに行っちゃダメだなって、気も遣うし…。
そういうときはどうするんですか?
…黙っている、かな? 存在を消してます(笑)。ただそこまで言い合いをしていたのに、そのあとすぐ一緒に買い物に行ったりできるんですよね。そういうところは母と娘ならではなのかな、って思います。
お母さんは大変ですよね。ずっと子どもと一緒にいる時間が長いぶん、ずっとよい人でいなきゃいけないわけだし。お父さんよりもメンタルの面でもきついんだろうなって思います。気が抜けないですからね。
母親にはかなわないな、と思う場面もありますか?
もちろんですよ。お母さん方は強いですよね。父親が聞いたらすごく心配してオロオロするだけのようなことでも、きっちり踏み込んで聞いていたりするし。それはいつもそばにいる母親ならではの強さなんだろうなと思います。すごいなと思いますよ。僕はもう、いいところ取りですから。
次回は最終回。KOOさんのバラエティ番組出演を支えていたのは、奥様と娘さんだった!というハートフルなお話です。どうぞお楽しみに。
(取材&文/鈴木麻子 撮影/石川奈菜)
DJ KOO著『EZ DO LIFE!』(小学館) 好評発売中!