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きょうだいがいる子は1日5分の「一人っ子作戦」が効果的 【花まる学習会】

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きょうだいがいると、ついつい下のほうばかりに目が行ってしまう。手がかかる子ばかりにかかりっきりになってしまう、ということはありませんか? その結果、「手がかからない」「注目されない子ども」が問題を起こすことに。こんな時は「1日5分から始められる一人っ子大作戦」が有効です。「花まる学習会」代表の高濱正伸先生にお話をお伺いしました。
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姉妹の中で注目されないのは私だけ!

姉妹がいて、片方が美人だったり、よくできる子だと、どうしても周囲の注目は偏りがちになります。三人姉妹で、上も下もよくできたり、器量が良かったりすると、間に挟まれた子はつらい思いをします。今日は、そんな三姉妹の真ん中の子のお話をします。
A子ちゃんのお姉ちゃんは天才肌でものすごくよくできる子です。妹は美人です。そのため、必然的にお姉ちゃんや妹は人からほめられる回数が多くなります。その一方で、A子ちゃんは、お姉ちゃんと妹がほめられるのを見ていなければいけないのです。

高濱先生自身もデキるきょうだいに挟まれて育った過去

僕も三人きょうだいの真ん中で、同じ経験をしていたので、A子ちゃんの気持ちが痛いほどわかります。僕の姉は、「天才」というあだ名がつくほど勉強がよくできました。弟は理系で、背も高くてかっこいいんです。そんなきょうだいに挟まれた僕はといえば、アトピーで肌はかさかさだし、色が黒いし、全然かわいくないわけです。だから僕はずっと外見に自信がなかったんです。

たまに親戚の家に行くと、話題はいつも姉と弟のことばかり。僕としてはおもしろくないですよね。そんな時、親戚のおじさんの一人が「やばい!」という顔をして僕を見ました。そのおじさん、僕になんていったと思います?
「まあちゃんは……いい目をしてるよ!」
「はあ? 目かよ! 目なんて誰だってあるし!」と思うわけです(笑)。しかも、そのおじさん、思い出したようにいうんですよ!

長年、「花まる学習会」を通じて子どもたちと接していると、子どもの目というのは大事だと思うんですけどね。それでも当時はかなり傷つきました。

問題児だった女の子が夏休み明けには大変身!

話を元に戻しましょう。その女の子は、親から無理やり「花まる学習会」に連れてこられていたんです。教室の中でもブスッとして座っているだけ。こっちが何か言っても「はあ? 私、バカだからやらない」と言うわけです。カチンときますよね。人を怒らせる言い方を知っているんですよ。ほめてもだめ、叱ってもダメ。いわゆる「問題児」として一学期を終りました。

ところが夏休みを開けたら、その女の子が「こんにちは! 先生、さぁ今日もやるぞ!」といって入ってくるわけです。夏休み前とまるで別人です。なにがあったのか。

お母さんの話によると、一学期が終わってから夫婦で子どものことについて話し合ったそうです。そしたらお父さんが「よし、オレがやってやる!」といって立ち上がったのです。
そのお父さんがしたことは「花まる学習会」の伝説になっていて、今、日本中のお母さんが知るほど有名になりました。何をしたかというと「一人っ子作戦」です。

「花まる学習会」の伝説になった「一人っ子作戦」とは?

お父さんが考えた作戦が、お姉ちゃんと妹を一週間田舎に帰し、夫婦二人と真ん中の子だけで過ごすという方法。3人でディズニーランドに行って、ご飯食べて、お風呂に入って、川の字になって寝るということを一週間行ったのです。

作戦は、全部お父さんが考えました。お父さんは「この子は、自分がかわいがられてないみたいな気持ちになっているかもしれないけど、それは違う」ということを伝えたかったのです。そこで、名前の由来やそれにまつわる思い出などをいっぱい伝えたそうです。それを聞いて彼女は「私はかわいがられている」という自信がついたんでしょうね。夏休み明けには、すっかり別人になっていました。

「私、愛されているの!」。その安心感が自信になる

その秋、作文を書く機会があったのですが、彼女は原稿用紙11枚にもわたってその時のことを書いたんです。「××へ行きました。パパが○○ました。みんなで笑いました」。その繰り返し。「~しました」ばかりで、作文としては下手ですよ。でも「私、かわいがられたよ!」という気持ちが伝わってくるのです。それと同時に「お父さん、がんばっているな~」というのが伝わってきたのです。

普通だったら、お父さんもお母さんも忙しいから「真ん中の子は、少し寂しい思いをしているかもしれないね」で終わってしまうんです。そこをちゃんと夫婦で話し合い、子どものためにいいと思うことを実行したことがよかったのです。今は、こういう話し合い自体ができにくい時代になってきています。だからこそちゃんと夫婦で話し合ってもらいたいと思います。

1日たった5分でも子どもは大満足!

この「一人っ子作戦」を毎日できる方法があります。かかる時間はわずか5分。1人ずつ膝の上に座らせて、5分たったらほかのきょうだいと交代する。たったこれだけのことで、子どもの気持ちはとても満たされるのです。また、土曜日の午後はお兄ちゃん、日曜日の午後は弟と出かける。というふうに、「一人っ子作戦」を予定に組み込んでしまうのも手です。

小学校高学年や中学生の子は、塾や習い事の送迎の時間を利用するのもいいですね。うちでも中学受験をするお子さんを預かっていますが、子どもはみんなお母さんが迎えに来てくれるのが嬉しいのです。いくつになっても子どもにとってはお母さんが一番なのです。子ども一人ひとりと過ごせる時間を大切にしてあげてください。

文・間野 由利子

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