0.5秒で子どもは転ぶ!乳幼児の事故を起こさないために【東京都定例記者会見 ママ向けレポート】
毎日家事に育児に大忙しのママたち。年末年始のこの時期は大掃除やイベントの準備をしながら子どもの面倒を見るのが本当に大変ですね。そんな忙しい日々の中で、思いもよらない事故が起こってしまったとしたら……。東京都は、子どもの事故を予防するために「東京都こどもセーフティプロジェクト」を立ち上げました。子どもたちの安全な生活を守るためには、一体どのような対策ができるのでしょうか? 12月22日(金)の「東京都定例記者会見」では、子どもの事故を予防する取り組みとともに、都立大学の秋入学や、子どもの感染症が警報レベルに蔓延しているといった報告がありました。
転倒までわずか0.5秒。ベランダの柵によじ登る時間は?
かわいいわが子がケガや事故で搬送されたらと思うと……ぞっとしますよね。東京都において、毎年8,000人以上もの乳幼児(0歳から5歳まで)が普段の生活の中でケガや事故に遭い、救急搬送されています。その理由の中でも特に多いものが、「転ぶ(転倒)」「落ちる(転落)」こと。
子どもが「転ぶ」までの時間はわずか0.5秒とのこと。子どもがベランダの柵によじ登ってしまう時間は4〜5歳の子どもであれば10秒前後とも言われています。たとえ保護者が子どもから目を離さず見守っていたとしても、事故を防ぐことは難しいと言えますね。
ちょっとしたことで事故は防げます。対策しましょう!
小池百合子東京都知事は会見で、「子どもが窓から転落して亡くなる事故が、残念ながら都内でも今年何回か起きている」と語っています。窓のそばにソファやベッドなどが置いてあると、たとえ窓の位置が高くてもそれらを足がかりによじ登り、窓から転落してしまうという悲惨な結果になります。窓のそばにソファやベッドなどの足がかりとなるような物を置かないことで事故が起きにくい環境を整えるというように、東京都では「危ないところを変える」ことから子どもの事故を防ぐ取り組みを進めています。
人気クリエイターつむぱぱさんとのコラボ動画も
家事の合間や子どもから目を離した一瞬、子どものケガや事故が起きる可能性が高まります。とはいえ、一秒たりとも子どもから目を離さないというのは無理なこと。
「東京都こどもセーフティプロジェクト」では、子どもの安全確保に焦点を当て、子どもの成長や行動に合わせた”危ないところを変える”環境づくりをする取り組みをスタートさせました。具体的にはデータ収集と分析、AIを活用して子どもの行動を科学的に解析し、事故防止対策を考えていきます。これらを分かりやすく解説してくれる「東京都こどもセーフティプロジェクト」の動画は、子育て世代に人気のクリエイターつむぱぱさんがイラストを担当。ぜひチェックしてみてくださいね。
都立大学の「秋入学」がスタート
都知事からは、令和6年度から都立大学理学部生命科学科で秋入学を導入するとの発表がありました。注目すべき点の1つは英語で入学試験を受けることができること、もう1つは入学後も全科目の授業を英語で受講し卒業できることです。秋入学が一般的な国や地域からの留学生や帰国子女のみなさんが入学しやすくなりますね。都立大学に世界各国からたくさんの優秀な学生が集まり、日本人の学生も日本にいながらさまざまな国の生徒と交流をもつことができるでしょう。お互いに切磋琢磨しながら学び合う良い環境で、素晴らしい大学生活を送れそうですね。
警報レベルで広がっている感染症
毎年冬になると流行するインフルエンザ。2023年12月現在の東京都では、定点あたりの患者報告数が20.48人となりました。注意報基準が10人なので、20.48人はかなりの患者数といえますね。また、新型コロナウィルス感染者も4週間連続で増加中。また、咽頭結膜熱(いわゆる「プール熱」と呼ばれる感染症)やA群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)も、警報レベルで広がっているので注意が必要です。また、冬のこの時期はノロウイルスなどによる感染性胃腸炎にも注意が必要とのことでした。場面に応じたマスクの着用、石けんと流水による手洗い、換気をしっかりとするなどの対策を心がけましょう。
「チルドレンファースト」を掲げ、2023年もさまざまな政策に取り組んできた東京都。たとえば8,500人を超える待機児童がほぼゼロになるなど、子どもたちを取りまく環境を徐々に改善できるよう尽力しています。2024年はどんな取り組みが実施されるのか、これからも注目していきたいですね。
取材、文・長瀬由利子 編集・編集部