医療従事者が危惧する2023年の冬の免疫低下。気温15℃・湿度40%以下を目安に対策を
コロナ禍以降の当たり前となっていたマスク、今や着用は自由となりました。コロナ禍以前の生活習慣と同等となり、初めて迎える冬。ひょっとすると感染症にかかりやすくなるのではと、心配になりますよね。
キリンホールディングス株式会社は官民連携活動「げんきな免疫プロジェクト」の一環として、「免疫の低下に対する危惧」に関するアンケートを医療従事者を対象に実施。医師・看護師600人が回答しています。今回はそのアンケート結果と、免疫の低下に関する注意点や健康対策についてご紹介します。
今年の冬は脱マスクと行動制限の解除で免疫低下リスクが高まる?
アンケートの結果、約8割の医療従事者が2023年は例年に比べ免疫の低下に対し、注意した方が良いと考えていることがわかりました。その理由として「脱マスク/行動制限の解除」(66.3%)、「記録的な猛暑」(81.5%)が挙げられています。
イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は次のように述べています。
『今年は記録的な猛暑の影響で外出控えによる運動不足、エアコンによる身体の冷え、さらに秋口の気温の変化による室内外の気温差で、自律神経のバランスが乱れ、免疫機能の低下につながっている恐れがあります。さらには今年の冬は日常生活が戻り、外出や人との交流が増えることが見込まれウイルスに感染する可能性のある機会も増えていきます』
気温15℃・湿度40%を下回る日は注意!
病気にかからないためには、気温15℃以下・湿度40%以下を目安に、対策をすることが必要だそう(※)。気温の変化による対策の必要性について、前出の石原先生は次のようにコメントしています。
『気温や湿度が低下するとウイルスが表面の水分を失って空中に浮遊しやすく、生存期間も長くなるため、感染も拡がりやすくなります。さらに空気の乾燥と低温は上気道で病原体のバリアとなる粘膜の免疫機能低下につながります。免疫機能の維持のためにも室内は22~26℃、湿度50~60%に保つことも大切とのこと。おうちの中では暖房器具、加湿器などを使って上手に室温と湿度をコントロールしたいですね』
生活習慣の見直しと栄養素を意識した食事が大事
「免疫の低下に対する危惧」に関するアンケートでは、医療従事者自身が行っている冬の健康対策についても尋ねました。すると上位から「睡眠不足にならないようにする」(65.0%)、「ストレスをためこまないようにする」(56.5%)、「過労をためこまないようにする」(50.3%)という結果に。このほかにも運動不足にならないようにしたり喫煙や過度な飲酒を控えたりと、日頃の生活習慣に気を付けていることがうかがえます。
また約9割の人が食事、栄養による体のケアの重要性を認識している結果も出ました。食事、栄養について医療従事者が行っている対策の割合は、「日常の食事で全体のバランス良くまかなう」が最も高く(59.3%)、次いで「ヨーグルトなど発酵食品のなかでも乳酸菌を摂る」(56.2%)が続きました。その他にはタンパク質、ビタミンが多い食材を摂ることが有効だと考えられています。大人も子どもも、こうした栄養素を意識して摂っていきたいですね。
家族の体調不良が重なりがちな冬ですが、今年は例年以上に気を付けていきたいもの。適切な気温と湿度、健康的な生活習慣や食事を意識して乗り越えましょう。
文・AKI 編集・ササミネ イラスト・ごぼふく