<旦那が行方不明>家に帰ってこなくなった旦那。3人の子どもと私を置いて……【第1話】
旦那との馴れ初めを話すと「初恋の人と結婚しちゃったなんて、すごーい! あこがれるわ」そんな風に言われることもある私・ゆき。初恋の人だったかどうかはともかく、私と旦那・サトルは中学校の同級生でした。一見ぶっきらぼうに見えるけれど、根はとても優しい旦那のことが私は好きだったのです。当時はまだ若く「付き合う」までには至りませんでしたが、旦那のことは中学を卒業してからも、ずっと心の隅にあったような気がします。その後、5年ぶりに成人式で再会。そこから付き合うことになり、とんとん拍子に結婚することになりました。
中学時代と変わらず、決して愛想が良いタイプではない旦那。しかし真面目で優しいところも相変わらずで、私のつくるご飯を誰よりも「おいしい! おいしい!」と言って食べてくれる人でした。彼のそんな顔を見ることが、私の何よりの喜びだったのです。
3人の男の子という子宝にも恵まれ、私は東京で専業主婦としての生活を楽しんでいました。3兄弟の育児はそれはそれは大変ですが……家事に育児にと忙しい毎日でも、毎日おいしいご飯を作って、部屋を整えて、私なりに精一杯旦那を支えてきたつもりです。子どもたちを抱きしめながら「幸せだね……」と旦那と言い合う時間もまた、私にとっては幸せなひととき。旦那と子どもたちを支えることこそが、私の生きがいなのかもしれないと思ったことも1度や2度ではありません。
そんな順風満帆に見えた私たち夫婦の関係。その関係に亀裂が生じ始めたのは、桜がキレイに咲きはじめた4月のことでした。
「今日も帰ってない……」
いつの頃からか、旦那は週に2~3日しか帰ってこなくなりました。それまでも仕事が忙しく帰りが遅い日はありましたが、仕事が終わるとまっすぐに帰宅していました。もちろん朝帰りなどは一度もしなかった旦那です。
しかし今は隣のベッドに旦那の姿はなく、シーツも布団も前の晩に私がキレイにしたまま。そんな日が度々続くようになったのです。いったいどうしちゃったの……?
きっと何か事情があるはず。そう思いながらも、しばらくは様子を見ていました。旦那なりに何か思うところがあるのかもしれないけれど、きっと今だけのこと。そうタカをくくっていたのです。
しかし旦那が自宅に帰ってこない日が減ることはなく……。何か事情があるのなら、夫婦で解決する必要があることなのかもしれない。そう思った私は、とうとう旦那に話を切り出すことにしました。そう決心し、眠れないまま迎えたある日の朝方。玄関から旦那が帰宅する音が聞こえました。今だ……。
「昨日、連絡もなくどこにいたの?」
そう切り出した私の顔を見ることもなく、
「公園にいた……」
と答える旦那。公園で朝まで過ごしていたなんて、私が信じるとでも思っているのでしょうか。旦那に何が起きているのか、私たち夫婦は、私たち家族はどうなってしまうのか。たくさんの不安が渦巻いて、心臓が今にもはち切れそう……。
しかし私は旦那を問い詰めたい気持ちをグッと抑えて、さらに話を聞くことにしました。
「公園って……。公園で何をしてたの?」
「いろいろ悩んでいて……」
さらに何かあったのか何が辛いのか突っ込んで尋ねてみたのですが、旦那はこう口にしました。
「ごめん……今は言えないんだ」
私の知っている旦那ではない、どこか別人のようにすら感じてしまう旦那の姿。顔色もあまりよくなく、心なしか痩せてきているようにも感じます。そんな元気のない姿で、声を押し殺すようにして話す旦那に、私はそれ以上のことを聞くことができませんでした。
<編集部コメント>
「公園にいた」というサトルの言葉を疑いつつも、問い詰めることができないゆき。突然、旦那さんが帰ってこなくなったらママは不安になりますよね。3人の子どもと家庭を守りながら、サトルの不穏な行動に憔悴していくゆきの気持ちがわかるママもいるのではないでしょうか。
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- 旦那が週に2~3日しか帰って来なくなりました